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コント「教習所ハザード」③

来栖「私は詳しいことはわからない!…けど」

恋太「けど?」



来栖「少なくとも、人が怪我した顔を落としたチャンジャみたいだって言うのは、しっかり名誉毀損なんじゃないかな、私たち」

恋太「………」

恋太「確かに!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
来栖「いやー!しかしこのままじゃラチがあかないねぇ」

来栖「顔ぶっ潰した上塚署長はともかく、横にいたゾンビなんてもうちょっとしたら起き上がりそうだよ」

恋太「……って」

恋太「…あれ、もしかして?」

来栖「ん?どうしたんだ恋太くん?」

恋太「確認ですけど、俺ってマニュアル志望ですよね?」

来栖「そだね」

恋太「で、仮にも今マニュアル車に乗って、曲がりなりにも運転してるわけですよ」

来栖「曲がれなくて所長轢いてるけどね笑」

恋太「…それは置いといて」

恋太「オートマなんてハンドル握ったこともないわけですよ、マニュアルだって今日ちょっと触っただけなんだから」

来栖「その『今日ちょっと』で100km/h出してたけどね笑」

恋太「それは置いといて!」




恋太「………これ俺ワンチャン助かるくないすか??」

来栖「な、なんだって!?」

恋太「だって来栖さんの情報が確かなら、AT車乗ったことない俺は空気感染しませんよね俺?」
 
恋太「もちろん普通に襲われて食べられちゃおしまいですけど…」

恋太「周りにゾンビのいない今なら、ダッシュで外出て助けを呼びに行けますよ俺!」

来栖「それは妙案だねぇ!」

来栖「…えっでもそれ私一人で取り残されない?」

恋太「…あっ」
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来栖「しかもドア開けたら私だけ空気感染しちゃうよね?君だけ助からないかい?」

来栖「万一空気感染しなくても普通にドア開けて放置したら、ゾンビこじ開けてくるよね?食べられまくり感染しまくりよね私?」

恋太「……」

来栖「恋太くん?」

恋太「………」

来栖「おい恋太?貴様??囮か?私は?見殺しか?貴様?許さんが?貴様?」

恋太「こ……」

来栖「こ?」

恋太「こ、今度飯奢ってあげますから!」

来栖「納得できるかぁ!!」

恋太「つ、次!次あったときに全部俺が奢るっすから!」

来栖「その次が来なさそうだから焦ってるんだけど!?」

恋太「そうだ!韓国料理!韓国料理のいい店紹介しますよ!何でも食べていいっすよ!」

来栖「チャンジャ顔の所長見たあとに食べたいものではないねぇ!?」

恋太「ホラ言ってくださいよ、来栖さん!」

恋太「私、この教習が終わったら、鱈腹チャンジャ食うんだ…って」

来栖「私に死亡フラグ掴ませないでくれる!?」

恋太「知ってますか、来栖さん…」

来栖「な、なんだい急に落ち着いて…」

恋太「チャンジャってね、鱈のはらわたなんですよ」

恋太「鱈のはらわた、つまり鱈の腹…鱈腹…」

恋太「つまりさっきの鱈腹とチャンジャでかかってたんですよ!」

恋太「どっ!!!ワハハハハハハ!!!はい面白い!アンタは終わり!死!」

来栖「死!じゃないよ!うまいこと言ったらもう生きるの諦めようかとはならないよ!」

恋太「烈海王なら大丈夫でしょう!ゾンビに噛まれても一向に構わん!とか言うでしょ言えよオラ!!」

来栖「もうガッツリいじめてくるな君!」

恋太「じゃあ3,2,1でドア開けますよ!!」

来栖「ヤダ!ベイブレードヤダッ!」

恋太「3!」

来栖「イヤダッッッッ」

恋太「2!!」

来栖「イヤッッイヤッッッ!!!」

恋太「1!!!」

来栖「ワッ…ワアッ……!!!」

恋太「GO!シューーートッ!!!!」

バンッッッッ!!!!!!

来栖「…俺、そういえばベイブレードよりビーダマン派だったなぁ……」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
プーーーーーーーーーーーッ!!!!!!

恋太「うわぁ!?何ぃ!?」

来栖「…クラクション?」

上塚「ちょっと君!だめだよ周りの安全確認もしないで勢いよくドアなんか開けたら!」

上塚「後ろから車やバイクが来るかもしれないだろ!」

恋太「…………は?」

上塚「仮にゾンビの大群が押し寄せていてもそれは同じ!かもしれない運転を忘れちゃ免許取れないよ!」

来栖「え、どういうこと?しょ、所長!?」

上塚「一部の生徒と連携して、例えゾンビが来ても柔軟に対応できるようにデモンストレーションしてみよう、って先週のミーティングで言ってただろう烈海王!」

恋太「そうなんですか、来栖さん!?」

来栖「あー、そんなこと言ってた、かも…?」

恋太「マジかよぉ…全部茶番だったのかよ…!」

来栖「私なんかもうだめかと思ってメッチャどうでもいい遺言呟いちゃったよ…」

恋太「コロコロ世代のおもちゃ派閥なんて死ぬ前に言うことじゃないですからね、走馬灯でもそうそう蘇んないっすよ」

来栖「よかった!これで助かったよ!外に出てもゾンビにならないんだ!」

恋太「…あれ?」

来栖「恋太くん?」

恋太「………」

来栖「どうしたんだよ恋太くんまた黙りこくって!無事に生還できたことを喜ぼうよ!」

恋太「……………」

来栖「恋太くん?」

恋太「…いや100km/hで2回轢いて起き上がる所長、普通にゾンビでは?」

来栖「ヒャッッッッッッッッッッッ」



おしまい

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