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他人のために動くとは

今日は、中医学(漢方)の話ではなく読書感想文です。とてもおもしろい本だったのでおすすめです🙌


利他とは、他人の為に動くこと、テイカーのようなもの。
他人の為に尽くすのは良いことだが、利己的になるのは良くない。
見返りありきの利他は利他ではない。
ならば、どうする…?
利他と利己は何が違う…?

落語や親鸞、のど自慢など様々な方面から引用がされていて、著者の考えが丁寧に書かれていて読み応えがありました。


コロナ禍で、電子マネーでプチギフトをあげたり、クラウドファンディングで応援することが可能になりました。「利他的な行為への関心が高まって」います。

その一方で、そこに「うさん臭さ」があると著者は指摘します。

私も、心のどこかで同じことを感じていました。
でも、良いことのはず…どうしたら良いのかよくわかりませんでした。

利他で大事なのは、受け取り手にとってプラスになること。
そして、利他は向こうから突然やってくるということ。



書かれている中で私が特に気に入ったのは、「過去の発言が他人の人生に影響を与えている」ということです。

私が以前、漢方を勉強したいと言ったところ、とある先生が『あなたのような若い人が興味を持ってくれて嬉しい。この分野は高齢化が進んでて衰退してほしくないから。是非学んで受け継いで欲しい』と言われました。
今の私はその影響を少なからず受けています。

これも「思いがけず利他」だったりするのでは…!と思いました。
利益を得ようとして発言した訳ではないが、結果的にとある人の背中を押すことになったのではないかと思いました。

言葉の力は偉大だな…と思う一面でもありました。



利他とはテイカーのようなものと始めに書いたけど、最終的に利他受け取り手によって左右される"恵み"のような存在となっています。
与えたものがその場ですぐに有益になるは限らないのです。
利他は大自然(宇宙)などの人智を超えた存在から偶然やってくる。
この考えに私は、心を揺さぶられました。


人間にできることは限りがあり、知らないことやできないことだらけである。
だからこそ、何もしないのではなく、限りある生命を精一杯生きよう…と背中を押されました。

結末にたどり着くまでがなかなか奥深い本でした。

私には全体的に難しい表現だったけど、私の価値観と結びつき腑に落ちました。
また、こんな風に上手く言語化できたら良いなぁとちょっと痺れました。


余談ですが、今回の本は一年前に購入しました。その時は「はじめに」で眠くなりお蔵入りしていました。
一年ぶりに再会し、"思いがけず、利他"を受け取りました。
挫折した本が読めたのが嬉しかったです(笑)


疑問だった利他的であるにはどうしたら良いのか、筆者から心強いヒントを受け取ることができました。


そして私も「喜びを循環させ、人と人をつなぐもの」を生み出す人間になろうと思いました。

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