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【読書メモ】UXデザインの教科書

読書の目的

体系的なUXデザインの概要をインプットする。UXデザインする人が何をしているのか知る。


学んだこと

「UXデザインの教科書」なので全ページに学ぶべきことが書かれているが、特に重要そうなポイントをまとめる。

UXデザインは、大枠以下のプロセスだと捉えた。

1. ユーザーのことを把握し、モデリングする
2. ユーザーがうれしい体験になるようなアイデアを出す
3. アイデアを形にしてユーザーが本当にうれしいか確かめる
4. うれしい体験が続くようにする

ここでは「1. ユーザーのことを把握し、モデリングする」について学んだことを書く。


ユーザーモデリングの3階層

UXデザインでは、どんなユーザーに対してうれしい体験を提供するべきか、考える。この「どんなユーザー」かを決めるために、ユーザーモデルを作成する。モデリングの際にはユーザー調査の結果を考察したものが用いられる。

ユーザーモデルは3つの階層に分けて考えられる。

・属性層
・行為層
・価値層

【属性層】
ユーザーの属性を表す。年齢や性別、職種など。
例えば、アンケートやインタビューの調査結果からペルソナ法でモデリングすることができる。(ペルソナは属性層だけを含むわけではない)

【行為層】
ユーザーの行為を表す。ユーザーがどんな文脈でどんな行動をするのか。
例えば、エスノグラフィやコンテクスチュアル・インクワイアリーの調査結果からジャーニーマップでモデリングすることができる。

【価値層】
ユーザーの価値を表す。ユーザーが行為に対してどんな価値を感じるか。
例えば、デプスインタビューやフォトエッセイの調査結果からKA法でモデリングすることができる。

この「ユーザーモデリングの3階層」を活用すると、どんな人(属性層)にどんな価値(価値層)を提供すべきかを考えるヒントになる。加えて、どんな仕組み(サービスのインターフェース)でどんな行動(行為層)をしてもらうべきかも考えられる。


UXの期間モデル

UXデザインでは、定めたユーザーモデルがどのような体験をしたらうれしくなるかを考える。この時、ユーザーがサービスを利用する期間によって知覚される経験が異なることを考慮すべきである。以下のように利用期間の観点から経験を4つに分けられる。

・予期的UX
・瞬間的UX
・エピソード的UX
・累積的UX

【予期的UX】
サービスを利用する前の体験。口コミやレビューなどを通して経験を想像する。

【瞬間的UX】
サービスを利用している最中の体験。操作性やインタラクションなどの体験によって感情が変化する。

【エピソード的UX】
サービスを利用した後に、使っている時の体験を振り返る体験。目的が達成されたか、どういう気持ちになったかなどを振り返る。

【累積的UX】
サービスと出会ってから現在までの体験を振り返る体験。サービスを使っていない期間も含まれ、ユーザーがサービスとの関わりをどう考えているかに関する。

「UXの期間モデル」を用いることにより、それぞれの期間においてユーザーがどういった体験をしたのか把握できる。


累積的UXから体験価値への昇華

上述の累積的UX(使った期間全体を振り返ってどう感じたか)は「体験価値」に昇華される。体験価値とは、ユーザーが思う行為の価値(うれしさの基準)のこと。

複数の累積的UXを重ねるとユーザーは「〇〇すると□□のような結果を得ることができる」という知識がつく。この知識は手段ありきの行為の意味となる。対称的に手段を問わない□□を体験価値と呼ぶ。

UXデザインにおいて「特定の手段を含まないユーザにとっての価値 = 体験価値」を起点にアイデアを出す。


ネクストアクション

まずは、本で書かれていたUXの3点セット(属性層、行為層、価値層それぞれのユーザーモデル)と体験価値を検討してからアイデアに落とし込むようにする。

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