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【読書メモ】融けるデザイン

読書の目的と答え

Q. 今後IoTが流行るかもしれない今、Webを超えたUI/UXの設計方法は?

A. 「自己帰属感」をキーワードに使っている人が自身の拡張だと思えるような設計にすることが最重要。

学んだこと

体験を3つのレイヤに分ける

「体験」を以下のように3つのレイヤーに分けて扱う。

・現象レイヤ
インタフェースを対象とし、人自体の振る舞いから体験を設計する。
・文化レイヤ
コンテンツを対象とし、人のライフスタイルの文脈から体験を設計する。
・社会レイヤ
コンテクストを対象とし、社会的・経済的観点から体験を設計する。

この本では現象レイヤ、文化レイヤの体験設計がメインとなる。


良い体験を提供するには、「自己帰属感」を高める

ハンマーを使うときはハンマーを振りかざせば釘が打てるように原因と結果が直接的である。しかし情報技術の介入によって因果関係が間接的になっていく。例えばキーボードをタイピングして文章を書く時はディスプレイを介すように原因と結果が複雑化している。ここでいうハンマーと釘を打つことの関係のように原因と結果が直接的であることを道具の透明性という。インタフェースは道具を利用している時に道具自体を意識していないで済む状態が良い。この時自分の身体の一部として道具を「身体の拡張」として扱っている。

上記した身体の拡張のように「この身体はまさに自分のモノである」という感覚を自己帰属感という。これをGUIに落とし込むと、例えばiPhoneのホーム画面の左右スクロールは指に追従する。この連動が画面と自分の指を接続し、自己帰属感を起こして身体の一部となっている。サクサク感、ヌルヌル感のあるインタフェースは自己帰属感が高いと言える。


人の活動とメディアの関係を設計する

コンテンツを扱うデバイスが少なかった頃、ゲームやテレビ、音楽などは個別に人の時間をどれだけ有効に使うかを設計すればよかった(シングルインタラクション)。なぜなら物理の特性上、その場でしか使えなかったから。しかしスマホを代表としてどのデバイスからどのコンテンツにもアクセスできるようになった(パラレルインタラクション)今、一つのモノへの集中から分散し「ながら」が増えている。そのため、デバイス起点の設計から生活起点の設計をする必要がある。

ネクストアクション

ミクロには、UI設計の際に自己帰属感という軸で見て満たしているかを判断する。マクロには、自分のデザインしたコトやモノが人の身体を拡張し、その人の一部となりうることを意識してデザインする。

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