『ひたすら楽しいだけの読書体験をあなたに。』
大学生になってから読書をすることが少なくなった私ですが、最近読書欲が復活してきました。以下は最近読んで面白かった本です。
ごらんの通りエッセイが多いです。
これは、難しい本や小説はあまり気分が乗らないといった私の精神状態を表していると言えるでしょう。
最初に見つけたのが朝井リョウさんの『風と共にゆとりぬ』でした。
ある日、何でもいいから気軽に読めるエッセイ的なものを…と思って本屋で探していたところ。
「読んで得るもの特にナシ!! ひたすら楽しいだけの読書体験をあなたに。」
何とも興味深い帯文が目に飛び込んできました。
読んで得るものがない=くだらなくて面白いものなんだろうなと解釈し、またタイトルの絶妙さにも惹かれて購入しました。
『何者』『桐島、部活やめるってよ』等で有名な朝井リョウさんですが、実はこのエッセイで初めて彼の文章に触れました(小説もいつか読みたい…!)。
読了した結果、文字通り本当に楽しい読書体験になりました。
なんというか、電車やバスの中で読むのがすごく楽しかった。いつでもフラットな気持ちで読むことが出来るので、入り込みやすく、面白くてページがどんどん進みました。文章の表現や内容にクスッときて思わず公共の場でにやつきそうになるのを堪えました。笑
エピソードとして「うわぁ大変そうだな」と思うものや自虐ネタをやけに明るくひょうひょうと描いているところ、そのテンポの良さと客観性に笑えます。若い作家さんなので若者の視点で描かれる世界に親しみを感じたり、いい意味でくだらなさを感じたり、非常に楽な気持ちで読めるのです。
朝井さんの豊富な語彙と文章力や、あえて語彙を失わせたぶっ飛んだ表現が魅力的でとにかく勢いがあります。読書が苦手な人も楽しんで読めるのではないでしょうか。
エッセイなので実話が主です。その人に興味ないとか、他人の人生の話はつまらないと思う人もいるかもしれないですが、やはり文章がうまい人が書くと結局どんな話でも面白くなっちゃうんだなあと思いました。そして自然と興味が出てきて、赤裸々に綴る著者に親近感がわくということです。その中で共感する部分を見つけると嬉しくなります。だから面白い。
エッセイの面白さに気づいた私は、『風と共にゆとりぬ』の前作である『時をかけるゆとり』を手に取り、また以前から気になっていたオードリー若林さんのエッセイも読み始めました。
それぞれの考え方や文章に味があり、単純に面白いなと思う一方で、自分の考え方にも影響してくる部分があると思いました。人生のヒントとなるような言葉も隠されているような気がします。それを自分なりに吸収し今後の生き方の参考にするのです。
ちなみに、今現在で言うと『時をかけるゆとり』の就活についての話が突き刺さりまくりました。昨年の就活に追われていた日々を経てから読むと、切実な気持ちになりますね。
「本当に僕らを怖がらせているのは、自分自身がまだ『大人』ではないという認識ではないだろうか」という一節。
就活において得体の知れない不安が常につきまとっていたが、こういう風に言語化されることでなるほどと腑に落ちた部分がある。
まだ大人になりきれず学生の心を持っている自分は、周りの大人が高い壁に見えて、現実を突きつけられる。社会との溝に不安を感じ、焦る。
実際に就活を体験した朝井さんの文章はリアリティがあるので、読んでいて共感度が高かったです。
話がズレましたが、くだらないなーと思う話は素直に笑い飛ばし、自分が大事にしたいなと思った部分はそこだけ抽出して心の中にしまっておけば良いのだと、そういう読み方が出来ると気づきました。
これからも色んな人のエッセイを読みたいと思うので、オススメがあれば知りたいと思う次第です。。
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