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ゆるごはん日記


 ごはんが好きです。

 それがいつの頃からか明確には覚えていないけれど、食べるのはもちろん、作るのも大好き。ごはんの話も好きで、小説も漫画もエッセイも、気づいたらごはんモノが増えている。

 いつか「食」に関わる発信をしたいなぁ、と漠然と考えていて、だけどその「漠然」が形にならないまま時間だけが過ぎていきました。
 思い出すのは、昔、まだ学生だった頃、サブスクールで通っていた小説講座の同期に言われた言葉。

「あなたの書く物語には、いつも食べ物が出てくるね」
「それが人物を表していて、いいなと思う」

 その時はたしかカフェのシーンを書いていて、出てきた女の子がキャラメルラテを頼んでいたことを、「あれはどうしてキャラメルラテだったの?」って聞かれたんだったと思う。
 コーヒーでもカフェオレでもなく、私の中にはたしかにその子がキャラメルラテを注文する理由があって、それは私の書く物語の1つの個性なんだとその時実感しました。
 自分の書くものの個性はここです、と、自分で言うのはなんだか恥ずかしくて、そういうのは感じてもらうものかなぁ、なんて思って、明言したことはあまりなかったんだけど(笑)

 「食」はとても身近なもので、食べることは生きること、と思って過ごしてきた長い時間があります。時々疎かになるけれど、食べたいものとか、食べたくない気持ちとか、そういうもので自分の調子を計っている部分も少なからずあったりして。

 通っていた職場を退職したタイミングで緊急事態宣言が出て自粛期間となって、それまでは忙しかったり、外食でいいやと適当に済ましてしまうことも増えていた「食」に、改めて向き合う時間が増えました。わかりやすく言うと、自分で作らざるを得ないタイミングがぐんっと増えました。
食べるのも、作るのも好き。食べてくれる人がいればよりモチベーションも上がる。
 でも、好きだけど、毎日丁寧に作るのは正直しんどい。うちは夫婦ふたり暮らしで、なんでも食べてくれる夫がいるのでそれでしんどい、なんて言ってるの、申し訳ない気はするんですけど、しんどいものはしんどい。
 人間なので、凝った料理を作りたいこともあれば「もう何もしたくない」の日もあります。(ちなみに私の「もう何もしたくない」は大概卵かけごはんかおかかごはんです。最高。)
 凝ったように見える料理だって、大体こんなもんか、で作ってます。分量も作り方も結構適当。ゆるく、こんなもんでいいんだよ、の気持ちでいつも作ってる。
 
 プロじゃないし、格別に料理が上手いわけでもない、ただちょっと好き、くらいの一般人だけど、それでもごはんのこと、書いてみてもいいんじゃない? と思えたのは、これも自粛期間の、ひたすら家に居続けなくちゃいけない生活がきっかけなのかも。

 時々、ゆるく、ごはんとその思い出をつづるだけのものだけど、誰かの何かになれたらいいなと思って書いてみます。
 よろしければ、お付き合いくださいませ。


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