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VR音楽動物園作ってみたらUXデザインを感じた

はじめまして。ゆめみで23卒デザイナーアルバイト中のかのんです。
YUMEMI Advent Calendarの12日担当になったのでnote初投稿しました。

はじめに

2022年の7月から4ヶ月間、LAでインターンをさせてもらっていました。そのうちの2ヶ月間はもくもくと一人でVRのワールドを作っていました。その時の振り返りを文章にまとめてみようと思います。VRでできる体験はどんなものなのか?どんな体験ができるとよりユーザーはVRを魅力に感じるのだろうか?ということを考え続けた結果、私はVR空間(VRchat)に動物園を作りました(超ざっくり)。

大体この記事は以下の構成になってます。デザイナーって感じの記事ではないかもです。

- 0からVRワールド作成までのプロセス(2ヶ月)
- VRの体験について考察

なぜVRをすることになったのか

ある日ボスはいった。「メタバースをやりたい。」
その結果私は何も知らない状態から2ヶ月でVRのワールドを作るという無理難題をこなすことになったのです(詳細略)。blenderもunityも触ったことなんてありません。ギリギリCADソフトは触れるしいけるんちゃう?という謎の自信からこのプロジェクトをすることになりましたが、やるもんじゃなかったです。(この時同時進行で日本でリモートバイトもするというアホなことをしたので死んでました。この話もまたnoteにまとめる予定です。)

0から始める3DCG

とりあえずまずはblenderを触り始めました。この時点でなんとなく音が出る動物を作りたいという目標だけありました。とりあえずblender(3DCG)とCADの使用感やできることの違いを学びつつ、いろいろ作りました。

blender1日目
大体1週間でこれが作れるようになる

ここまでスムーズだったので、これ余裕ちゃう?とナメてたのですが、こっからマジで意味不明でした。blenderで3Dモデル作れるだけじゃVRって作れなんですよ(当たり前)。

気軽にVR体験を作りたければVRchatがおすすめ

ちなみに今回、ワールド作成&公開が簡単という点、参考になる記事が数多く存在する点、世界的にユーザーが多くいる点(そもそもアメリカで作ってるので)、2ヶ月で作り切らないといけないという条件の中ほぼノーコードで素早く作成できる点の4つの理由からVRchatを使いました。以下の記事を読むとわかるのですが、ワールド公開までとても簡単です。

ざっくりVRワールド公開までの流れ

VR空間に自分で作った動物が動くワールドを公開しようと思うと、このような過程になります。(ただオブジェを置くだけのワールドであれば無料素材をいきなりunityに持ってくるだけで済む)
blenderでモデルを作る ←今ここ

モデルにボーンを組み込んで、ウェイトの設定

ボーンを動かしてアニメーションを作る

unityに持ってくる(出力形式を変換する)

ワールドを作る

公開

この時点でblenderとunityでシェーダーが違うとか、出力形式をfbxにしないといけないとか、アニメーションを作るには3Dモデルにボーンを組まないといけないとか、MacBookでVR開発めっちゃめんどくさいとか知らない訳です。詳細書くとえげつない量になるので省略しますが、YouTubeといろんな方の記事を参考にしながら、5〜6週間でなんとか自分で音楽動物を作れるようになるところまでいきました。(残り2〜3週間でVRのワールドを作り切らないといけない驚愕の事実)

音楽動物園を作っていく

ワールド作成の流れとしては、blenderでアニメーションまで作った音楽動物(公開できるのがチェロをモチーフにした動物だけですが、他にトランペットとサックスもいます)にそれぞれ音楽を当てます。ガレバンで1分程度のアンサンブルを作り、それぞれの音をそれぞれの動物に当てていきます。

ガレバンで即席アンサンブルを作るパワープレイ

音楽動物から出る音の聞こえる範囲をそれぞれ設定することで、ある場所はチェロのソロ、ある場所はサックスとのデュオ、フロアの真ん中に行くと全ての音楽動物の音が重なってアンサンブルになる。みたいな、歩く場所によって奏でられる音楽が違う空間を作りました。

VR空間で自分が作った音楽動物と触れ合う体験。感動
屋上スペースに行くと全ての音楽動物の音が重なりオーケストラみたいになる


VRで架空の音楽動物を作って、美術館形式で動物も音楽も鑑賞できる。しかも歩く場所によって聞こえる音楽の音の重なりが違う。という新しい体験を作れたのでは…?

VRで日常とは少しだけ違う世界を体験できる価値

今回VR空間を作るのにあたり、音楽動物を鑑賞するのですが、できるだけ本物の美術館や動物園の体験に近くなることを意識していました。その理由として、以下の記事がとても印象的だったからです。

仮想空間(VR)って言うくらいなので、私はてっきり人々はVR空間にはファンタジーを求めていると思ってたんです。だから、最初私は音楽動物がスチームパンクな世界でひっそりと音楽を奏でて楽しんでいて、その動物を探しにいくようなワールドを作ろうとしてたんです。(まんまムジカピッコリーノみたいな感じ)

しかしどうやらVRchatではよりリアル寄りな世界の方がウケたらしいのです。以下筆者のまとめの一部なのですが、

現実世界の人間の行動に寄り添って「なにかできそう感」を仕込ませつつ、バーチャルでしかできない新たな認知の拡張というのが、バーチャルUXデザインになっていくのではないかなと思います。

https://note.com/tishow/n/ne37f21c1cea8

と言うことで、自分の視界に音楽を奏でる動物がいるのは新しい経験、認知なのですが、ユーザーの認知を歪ませないように工夫する必要がありました(これが難しい)。なので空間そのもののファンタジー要素は排除して、小さな美術館、動物園の経験をベースになるように作りました。(時間が足りず、ここは満足のいくところまで持っていくことができなかった)

この灰色の単細胞さん、いろんなVRの記事をまとめてくださっているのですが、特に自分のポートフォリオとしてVR空間を使って展示会をする。っていう話が面白くって、いつか自分もこれはやろうと思ってます。VR空間に自分の作品を置いたらいろんな人がVR展示会にきてくれて、直接自分の作品の解説とかできるんですよ。めっちゃ楽しそう。

訳もわからずVR開発に手を出してしまいましたが、なんやかんやめっちゃ楽しかったです。皆様もぜひVRやってみてください!!!

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