糖尿病の経口血糖降下薬とマルベリーの関係~薬から天然物創薬へ~
本日の呼吸器系レッスンでは、ウイルスの新型や変異株の違いから始まり、新型コロナに対しても役立つ知識をお伝えしました。
世界が脱炭素、脱石油に向かうにあたり、石油から作られている薬も天然物から創薬しようとする動きがあります。
不自然なものが人の身体を毒すると、15年前から懇々と伝えてきたところです。
植物成分から生まれた薬
有名どころで言うと、抗インフルエンザの「タミフル」は、
中華食材でも知られる八角(マツブサ科シキミ属)から採れる主成分シキミ酸から作られています。
もちろん、ほんとの植物から抽出しているわけではないので、つまり、シキミ酸と同じ構造式のものを作り出す、ということね。
このように、植物に含まれる成分が薬になるということ。
薬物が発展したのは、顕微鏡が発明された16世紀ごろから。
それまで、生薬、薬草、ハーブなどが薬として使われていました。なので、実は薬も、ハーブから採れるアロマの世界も、歴史は同じところに辿り着きます。
糖尿病経口薬について
現在、日本での糖尿病患者とその予備軍はいずれも1000万人以上と推計され、年々増加傾向にあります。
糖尿病の薬物療法として、「α-グルコシターゼ阻害薬」などの経口血糖降下薬を使用しますが、この薬と全く同じ作用機序をもつのがマルベリー。
日本では桑の葉茶として市販でも販売されています。
解剖学を学び、薬物療法を知ることは、メディカルハーブの世界を深めることになります。
もう少し掘り下げると、
皆さんよくご存じの、炭水化物は糖質と、食物繊維(=難消化性多糖類)に分けることができます。
多糖類は、口の中でアミラーゼ(唾液)によって二糖類にまで分解されます。
その後、二糖類から単糖類に分解され小腸で吸収されるのですが、この際に使われる酵素が「α-グルコシターゼ」です。
糖尿病の患者にとっては、糖の吸収を妨げたいわけですから、「α-グルコシターゼ」の働きを阻害させることによって、二糖類から単糖類への分解を阻止できます。
身体の中は、単糖類という最小の形になることで肝臓で貯蔵されるので、
すなわち、単糖類になることなくそのまま二糖類のまま大腸へ運ばれることになります。
マルベリーは、この「α-グルコシターゼ」を阻害する働きを持ちます。
食前に、マルベリーをお茶として飲むことで、糖の吸収を抑えてくれるのです。
石油から作られる経口薬を飲み続けるのと、同じ作用機序を持つ天然物を摂取するのと、あなたはどちらがいいですか??
弊社スクール「症状別メディカルハーブ概論」では、このような内容をお伝えしています。
アロマの世界では学ばないミクロな世界がいっぱいです。
世の中は当事者にならないことには見えない世界だらけ。 4人の子育てを通じて、子育て環境や女性の生きにくさ、仕事との両立の難しさなど、経験してきたからこそできる社会問題の解決に日々奮闘中!ともに闘ってくれる人を募集しています!!