日本の伝統STEAM教育ワークショップ「スーパーボールすくいで大実験」in滋賀県

2023年11月4日から11月26日にかけて、滋賀県の様々な場所で計21回ワークショップ「スーパーボールすくいで大実験」を行いました。

〈今回のワークショップツアーのチラシです〉

「スーパーボールすくいで大実験」って?

日本の伝統STEAM教育ワークショップ「スーパーボールすくいで大実験」inオーストラリア版を読んでくださった方はご存知かもしれませんが、どんなことをするのか簡単に説明します!

皆さんは夏祭りなどでスーパーボールすくいをしたことはありますか?ポイが破れやすくって、なかなかすくえなかったという人も多いのではないでしょうか。

ところが!100年くらい前に使われていた日本のある伝統技術を使うと最強のポイが作れるんです!
そのような最強のポイを作れる技術は昔何に使われていたのか、現代にどう活かせるのかをみんなで考えていきます。

学校で学ぶ理科の内容は西洋から入ってきた科学が多いですが、
日本に昔からある科学技術に触れることで日本の子どもたちが科学に身近に感じ、興味を持ってもらえるきっかけになればいいな という思いで今回のワークショップを作成し、実施してきました!


今回のワークショップツアーは、事前に滋賀県大津市内の小学校にチラシを配って予約制で募集したのに加え、ワークショップを当日見かけた親子にも参加していただけるように当日予約枠も設けたところ、
21回のワークショップで合計348人の小学生に参加していただくことができました。

ワークショップの雰囲気は?子どもたちの様子は?

今回のワークショップは、動画とメインファシリテーター1人で進行し、1プールに1人のプールファシリテーターがついて子どもたちの活動のサポートをする形で進めていきました。

初めて会う小学生同士ばかりでしたが、ワークショップが始まると周りの小学生と仲良くなっている子が多数!みんなでプールを囲むとワクワクしてしまいますね。

〈ワークショップ中の子どもたちの様子〉

1時間の活動の中でスーパーボールすくいをする時間や動画を見て考える時間がありましたが、みんな楽しみながら集中して取り組んでくれました。

また、活動の最後にあるオリジナルのアイデアを考える時間には、保護者の人と話しながら真剣に取り組んでくれている様子が見られました。

オーストラリアでワークショップを実施した時との違いは?

実は11月の滋賀県内でのワークショップを行う前に、加納研究室3回生の2人と加納先生でオーストラリア内の図書館や科学館などの5か所で計10回先行実施してきました。
そのときの様子は「スーパーボールすくいで大実験」inオーストラリア版に詳しく書いていますのでぜひ読んでみてください!

オーストラリアと日本の学校教育の制度や雰囲気はかなり異なるのですが、今回のワークショップの中でも子どもたちの様子やアイデアに様々な違いがみられました。

私がワークショップ中の活動で感じた大きな違いは主に3つありました。

1. 選択肢のあるクイズの考え方

「スーパーボールすくいで大実験」では3択のクイズに答える場面があります。そこでの子どもたちの答えを導き出す方法に大きな違いを感じました。

ワークショップを先行実施したオーストラリアでは、3つの選択肢の中で一番ピンときたものを選択する子どもが多い様子でした。

一方で、日本では3つの選択肢からこれは違いそうだと感じたものを選択肢から外していく、消去法を用いる子どもが多いように感じました。

2.考えを発表する時の様子

活動の中で子どもたちにマイクを向けて自分の考えを発表してもらう機会があるのですが、オーストラリアの子どもたちはマイクを向ける前から口々に自分の考えをプールファシリテーターに伝えてくれ、マイクを向けると大きな声で発表してくれる子どもが多かったことに驚きました。

日本の子どもたちは、マイクを向けられる前はオーストラリアの子どもたちと同じように口々に話してくれますが、マイクを向けると恥ずかしがって話すのを拒む子が多かったです。

このような違いが特に現れたのは、オーストラリアと日本の違いの一つ目にも挙げた選択肢のあるクイズの時でした。

もちろん日本でも自分なりの理由を持って正解だと思った選択肢を堂々と発表してくれる子どもたちもたくさんいましたが、自分の考えを発表することにより抵抗を感じる子どもたちもいる様子でした。

このような様子の違いから、日本の子どもたちはオーストラリアの子どもたちに比べて、大勢の人に自分の考えを伝えることに抵抗を感じやすく、また、正解を当てなければいけないという意識が強いように感じました。

3. アイデアの多様性

活動の最後に今回学んだことを踏まえて、自分なりのアイデアを出す活動があります。ここではたくさんの子どもたちが一生懸命自分のアイデアを絵や文字で表現してくれました。

スーパーボールすくいで大実験の内容のネタバラシになってしまうのであまり詳しい違いはお伝えできませんが、オーストラリアでは実在しないものを自分で創造して、それに日本の伝統技術を使いたいと発想する子どもたちが多数いました。

それに対して、日本では実在するアイテムをさらによくするために日本の伝統技術を使ったアイデアを考える子どもたちが多かった印象です。
もちろんオーストラリアでも日本でも同じ理由で似た発想をしている子どもたちもいました。

以上のような国による子どもたちの発想の違いは、普段子どもたちが受けている学校などの授業の違いによるものなのか、とても興味深いです。

〜まとめ〜

「スーパーボールすくいで大実験」では子どもたちの科学への興味・関心ややる気を引き出す工夫をたくさん取り入れています。

今回は300人以上の小学生に参加していただきましたが、参加してくれた子どもたちが科学に興味を持つきっかけになっていたらとても嬉しいです。

また、今回のワークショップを通してオーストラリアと日本の子どもたちの様子の違いをいくつも発見しました。たくさんの気づきをもとに今後もより良いワークショップを作っていけるように頑張ります!

ここまで読んでいただきありがとうございました。

さて。ここまで読んでいただいたあなただからこそ、こう感じているのではないでしょうか?

「ワークショップにはどうやって参加するの?」

「どこから参加できるの?」

今後開催するSTEAM教育ワークショップについては、公式ウェブサイト、公式SNSで情報を発信していく予定なので、ぜひフォローお願いします!!

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