TDC展に行ってきた

TDC展へ行ってきました。

TDC展とは、任意団体「東京タイポディレクターズクラブ」が文字の視覚表現と、視覚コミュニケーションのさらなる研究・研鑽を目的としている年に1度のAWARDの作品の展示会のようだ。

文字は人類の最大の発明品である。日々の暮らしに不可欠なツールである文字は、古来よりあらゆる情報を伝搬するために使用されてきた。文字によって記録された古の人々の声を、知恵を、後生を生きる私たちは時空を超え受信することができる。(中略)文字の視覚表現と、視覚コミュニケーションのさらなる研究・研鑽を目的に、1987年に任意団体「東京タイポディレクターズクラブ」を設立した。その活動は国内外へと大きな広がりをもった。これらの長年の実績・経験を力に、社会や市民という、より広い対象に向けて、情報の公開・提供と、具体的な提案を伴う活動を行っていきたい。

引用:https://tokyotypedirectorsclub.org/about/


タイポグラフィは、最近NetflixのArt of Designをみて面白さを知った。

タイポグラフィとは、「文字を読みやすく、美しく配置すること」「文字をデザインすること」を目的に、文字の高さや横幅を変えたり、文字の間隔を変えたり、文字の丸みを変えたりすること。


タイポグラフィを意識しはじめてから、少し生活が面白くなった。

街で歩いていると、看板がどんどん目に飛び込んでくる。看板の文字はけっこう全部書体が違う。以外と「あ、これ同じだ」というものがない。

ラーメン屋さんはラーメン屋さんっぽいし、銀行は銀行っぽい。本屋さんは本屋さんっぽいし、花屋さんは花屋さんらしい。

あぁ、おもしろいな。そう感じる。

こんなに私はたくさんのタイポグラフィに囲まれて生活していたんだってことも感動するし、今まではその事実に気づいていなかったのに、一度意識しはじめるとこんなにも見えてくるものなのか、というところも面白い。

さらには、「っぽい」と思える自分さえも不思議に思う。誰かから、本屋さんはこういう書体を使うのが一般的ですよ、なんて習ったことはないのに、「あぁ、これっぽいなぁ」と思えている、そう感じられる、いつの間にか生きているだけで学習している自分に驚く。(人間きっと誰しもそうなのだと思うのだけれど)


ブランドに至っては、そのブランドっぽさなんてものも出ている。

CELINEなんか、あの柔らかくて細い感じがなきゃCELINEじゃないし、SAINT LAURENTだって、あの書体じゃないとSAINT LAURENTじゃない。

いままでは、カテゴリーで「っぽいな」だったのが、ブランドになると、ブランド自身の書体があって、その書体をみて「このブランドっぽいな」と思えるのもすごいなと思った。

ブランドは、書体にもブランドが宿るんだ、そんなことを感じた。


なぜその書体で「っぽい」を感じるのかは、今まで自分自身がその書体で見てきたものの帰納法的な考え方なのかもしれないと予測するけれど

なぜその書体をそう感じるのか、人間工学や人間心理的な面もあるのかもしれない。いつかそこらへんも勉強したみたいと思った展示会でした。


展示会の感想を書き忘れていたことに、ここまできてようやく気づきましたが、文字が動くことで文字となったり、自分の常識を越える作品があってとても面白かったです。そもそもタイポグラフィをこんなに同時にたくさん見たのがはじめてだったので、とてもおもしろかったです。


奥が深い!タイポグラフィ!





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