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400字で分かる落語「一文惜しみ」

「い」の60:一文惜しみ(いちもんおしみ)
【粗筋】 大屋にいわれて商売を始めようとする初五郎、商売の元手を寄付してもらいに徳力屋万衛門を訪ねる。番頭が三文しか出さぬのに腹を立てるが、主人が現れて煙管で初五郎の頭に傷を負わせる。奉行に訴えると、徳力屋はおとがめなし。奉行から初五郎に元手の五百貫を貸すことにする。これを毎日1文ずつ、徳力屋を通して返すように命じる。治療代に少しは取られると思った徳力屋は喜んでこれを承諾するが、毎日一文を奉行所に届けるのに、町役を頼むうえ、長々待たされる。とうとう百両を出して示談とする。強欲は無欲に似たり、「一文惜しみ」でございます。
【成立】 講釈の「五貫裁き」から取ったという。三遊亭円生(6)の独壇場だった。立川談志は善意に目覚めた徳力屋が破産する。談志らしいが好きではない。冒頭部分を省略して大家との会話で経緯を説明するのはすっきりしている。因みに、幕末の五貫は2750万文。

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