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400字で分かる落語:「蟻」1

99:蟻(あり):その1
【粗筋】 売れない噺家、家にいても暇なので蟻に芸をさせようと思い付く。芸が出来るようになったので、前祝に借金をして一流レストランへ。一番高い物を注文して落ち着くと、蟻の芸をまだ誰にも見せてない。よし、試しにボーイに見せてやろうと、「おい、ボーイ君、実はこの蟻がね……」
「あっ、失礼しました」プチュっとつぶされちゃった。
【成立】 笑福亭鶴光が「上方落語界」というネタでやった。メインは師匠の松鶴がいかに非人道的で恐ろしい人かという噺。そこから若手の苦労話を経てこのネタになる。同じ日に高座に掛かったのが、鈴々舎馬風の「会長への道」だから、相当昔の思い出。その後、桂雀三郎は、アメリカの小噺だと言って、最後を説明せず、つぶす仕草で落としていた。

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