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400字で分かる落語

「あ」の落語第12席:青菜(あおな):全2回の2
【成立】 安永7(1776)年『当世話』では、義経の所望で、弁慶が嚙み潰して大根おろしを作る。義経が「弁慶が料理するのもむさし坊」、弁慶が「それを知りつつ九郎判官」と詠む。
 「直し」は焼酎に味醂をまぜたもの。上方では「柳陰(影)」の名があり、「上方の友人からもらった柳陰だ」という台詞もある。毎年夏には数人の初演を聞く。ある夏の8人で10回が最高記録。上方では「弁慶」に人におごってもらう取り巻きの意味があり、東京でも「弁慶」という題で演じられた記録がある。上方では鰯でなくおからで酒を飲む。笑福亭仁鶴が、「燗がしてあるよ」などの後に「さよか」で寄り目をしていたのが印象に残っている。何でも上方の方が面白いという評論家が多いが、この噺は東京の風情に軍配を上げたい。
【一言】 青菜は出て来ないので何の野菜か分からない。上方では「固う絞って、胡麻でもかけて」とあり、東京では「鰹節かけて」を聞いた。

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