公式に「くもりガラスの銀曜日」の感想送ろうとしたら文字数で弾かれたから全文置いておく

タイトルのまんまだよ!意気揚々と2000文字書いたら1200文字しか送れなかったので…本当はもっと書きたいことあるけどあんまり長くなるのもなって削りに削って2000だったので、1200文字は少なすぎるよ…ってなってます…銀曜日…好きだ…

2020/06/09追記
あまりにも文章がぐだぐだだったので推敲して細かな表現を書き直しました。送ったものとは違うのですが、意図や大まかな論旨は変わっていないです。

↓以下全文↓

はじめまして。今回のイベントの「くもりガラスの銀曜日」が本当に好みだったので、感想を送りたいと思い、筆をとった次第です。乱文、長文をお送りすることお許しください。

まず、始まる前からイベントタイトルが好きだな、と思っていました。
「銀曜日」というフレーズの詩的な美しさに惹かれていたので、それがコミュ中に金曜日の打ち間違いとして出てきたときに、思わず「ああ!!!!」と声をあげてしまいました。勝手に銀曜日を【】内に出てくるもののような、「作中には出てこない、コミュ全体を包括する概念」だと思っていたので、言われてみれば金のお隣に銀はいて、金曜日の隣に銀曜日はあるんだ…と感じて。ふわふわした概念が突然実体を持って形になったというか。
何気ない打ち間違いから始まった銀曜日を、イルミネの三人が忘れていることに、過ごした日々の長さを感じました。

銀曜日は過ごした日々の長さを思い起こさせる仕掛けがいくつも入っていると思います。それらがすべて「お互いたくさんのことを知ってきたけどまだわからないこともたくさんある」「だから知りたいし、知れることが嬉しい」という全体テーマにかかっていくのがすごく素敵です。
最初の頃のぎこちなさと、そこから連続して見せられる現在の仲の良さのコントラストが美しくて好きです。「お互いのことを何も知らない」と「確認する必要がないほどお互いのことを知っている」という比較で、仲良くなったことへの感慨深さもさらに増しました。ボイスが付く際には声の固さでの演じ分けなどされるのかな、と楽しみにしています。
こうした比較を受けて、途中まではPと同じように「知らないことがないくらい仲良くなったんだな」と思って見ていました。さらに「以心伝心」というキーワードまで与えられたので、「きっと【日々を紡ぐインヴェルノ】の続きで、お互いの考えてることがわかるイルミネの話なんだ!」となっていました。そうはなりませんでした。
くもりガラスの話が入ってきて「まだまだお互い知らないこともあるね」に着地することに驚いて、やっぱりシャニマスの価値観が好きだな、すごいな、と思いました。

シャニマスの、作中で表現されている概念と比喩表現としてのモチーフが密接にむすびついた話作りが好きです。今回の「くもりガラスの向こうにあるきれいな庭」を「見えそうで見えない心の中」としたのが、今まででも一番くらいに好きです。言われてみればぴったりな比喩なうえ、それを押し付けがましくならずにさらっと、けれど効果的に使っているところも好きです。
モチーフとして、もうひとつドウダンツツジが出ていると思います。私はドウダンツツジを灯台躑躅と書くことを知っていたので、灯織の話だからかなのかな、と思っていました。ところが、最後に「満天星」と書くということが出てきて、こんなにもイルミネで灯織にぴったりなモチーフがこの世にあるのか!と驚きました。
ただ、私が本当にすごいなと思うのは、「満天星」と書くことをしっている知識や教養そのものではなく、その情報が一番効果的になるように作り上げられた構成のほうだったりします。

「お互いのことをよく理解している」という話を、お互いの仲の良さを否定しないまま「仲良くなっても知らないことがある」に転換していける力が好きです。
「知らないこと」が「Pのカバンの中に知らないものが入っている」というエピソードで補強されるのも流石だなと思いました。「知らないこと」の例えのグミやたい焼きのポイントカードも、作中プロデューサーの性格を感じて好きです。
シナリオの最後の最後に話されるエピソードが、「良く見てたはずのスプーンに書かれた漢字に気付く」というのが、「まだまだ新しいことを知れるよね」という希望に見えて、さらにそれが「満天星」という名前なのが美しくて泣いてしまいました。
そもそもドーダンという店自体も、「知らない状態から常連になる」という「お互いを知っていくこと」のモチーフになっていて、そこの構造もすごい…となります。
どこからどう発想をして、どれをあとから付け足していったのかわからないくらい、継ぎ目なくきれいな形をしたシナリオだな…と思いました。もしインタビューや雑誌などで機会などありましたら、どのような形で企画が行われているのかお話できる範囲で聞いてみたいです。

シャニマスの、お互いの理解のためにすべてをさらけ出す必要はないところ、「見せようとしているもの」と「見せようとしていないもの」をきちんと分けているところ、必要があれば見せてね、見えちゃったところは知っちゃうけどという態度でいてくれるところが好きです。
star n dew by meのラストで、めぐるの喜びをPに秘密にしていて、Pもそれを追求しないところがあったと思うのですが、それを思い出しました。
「知らないこと」は否定的に描かれがちで、「お互いのことを知れば知るほどいい」というような価値観を感じることがあるのですが、私はシャニマスのわかりあえなさや他人であることを肯定的に書いてくれるところがとても好きです。
そのうえで、銀曜日が「気持ちの揃う日」となっているのが、わかりあえないからこそ同じ方向を向ける日は尊く大切なのだと思えて、すごく良いなぁと思いました。


次のイベントやSSRも楽しみにしています。
本当に長々と失礼いたしました。
昨今様々な情勢でお忙しいかと思いますが、お体に気をつけてください。

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