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【物語の現場004】浜町狩野屋敷の庭のモデル・両足院庭園(写真)

「融女寛好」の第十一章で、屋敷の庭を眺めながら融川夫妻が語らう回想シーンが出てきます。写真は、両足院の書院前庭(江戸初期の作庭)。両足院は、京都祇園にある臨済宗の古刹・建仁寺の塔頭寺院です。浜町狩野屋敷の庭は、この庭を思い浮かべて書きました。

 京都には修学院離宮のような大庭園もありますが、池泉回遊にせよ枯山水にせよ、小さな庭が圧倒的に多い。そして、限られた空間を如何に広く見せるか、如何に美しく演出するかのアイデアを競い合っています。
 そんな中でも、この両足院の庭は、お気に入りのひとつ。今や半夏生の庭としても有名。庭のメインの飾りとして、この白い葉の植物を選んだセンスには脱帽です。

 この写真もやはり半夏生の時期に撮ったもの。ただ、江戸時代には半夏生は植えられていなかったそうなので、浜町狩野屋敷の庭をイメージするときは、半夏生はないものとしてご覧ください(京都市東山区、2017.6.14撮影)。

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