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12月。まだサンタさんを信じていた頃かな。
この2日間が近づくにつれ、私はいつもソワソワしていた。それは、遠足に行く前のあの感覚に似ている、アレだ。

それから、プレゼントは何が欲しいのか考えるよりも、何をあげたら喜んでもらえるか、を考えることの方が楽しくて、その準備からワクワクしていて、そんな私自身が好きだった。

21歳のクリスマス。
急な誘いに乗って、ドンキでサンタのコスプレを買って夜の街に出た。空も飛べるくらいのフットワークの軽さ。いつもと同じ顔ぶれで、いつもずっとここにある私の居場所。寒さなんて覚えてないけど、きっとすごく寒かったと思う。

この頃こそ、イベントにはいつも全力だった。春夏秋冬のどれもを欲張りたくて、全てを味わいたかった。それが、生きている快感に感じることもあった。それくらい私はイベントが好きな人間らしい。

さて。

今年で27回目のクリスマスを迎えるのだけれど、年下の彼にこのソワソワを感じ取られまいと必死なのが、自分でも少し笑っちゃう。

大人ぶっていても、昔から変わらない、この遠足の前日みたいな感覚は染み付いているものなのか。彼よりも私の方が楽しみにしていると思うと照れ臭いのと恥ずかしいのが入り混ざる。そんな私はまだまだ大人になれていないのかもしれない。

仕事終わりにぷらっとダイソーにでも寄って、トナカイの耳なんて付けて帰ってみようか。髭もじゃの全身サンタになって帰ってみようか。そんなことをずっと考えている。

彼と暮らし始めて一緒に過ごすクリスマスははじめてだから、やり甲斐があるのだけれど、恥ずかしい癖にやりたがりな自分にも困る。

この感覚。きっと私だけじゃないはず。

「クリスマスだから」って口実で、楽しんでしまいたい。いつも通り仕事の人も「クリスマスだしね」って自分のご褒美を買って帰ったらいい。なんの予定もない一人で過ごす昨日と変わらない今日だとして、いつもコンビニで買ってるチキンに「クリスマスだから」って理由をつけてみる。それは無理矢理すぎるかな。


おはよう。朝だ。

これから仕事に行く準備をするのに、お祭りが始まるような気分だ。私の心はまだまだ子供だ。なのに変なプライドがそれをばれないように隠そうとする。
サンタを待つんじゃなくて、私が彼のサンタになりたい。なんて絶対言わないけど、思ってる。

どうか貴女が過ごす今日が優しさとあたたかさに触れた1日でありますように。日常に転がっている小さなプレゼントに気付けますように。

良いクリスマスを。




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