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『逃避行』前編

テレワーク解除されて出社1週間が過ぎ。
とはいえまだまだ「密です」を避けよとの指示。
ひと気のない屋上でサンドイッチをひとり頬張っていると、後ろから「ピクニック気分かよ」と声がした。
そこで「いえいえHejira(逃避行)です」と答えたら、きっと現実逃避だと思われただろう。

さて天気の良い初夏の休日だ。ジョニミッチェルを聴こう。オープンチューニングのギター音がこんな日によく似合う。聴いてるアルバムはHejira。邦題が逃避行。
この逃避行とは、現実逃避とか夜逃げとかの個人レベルなんだろうか。いやいやHejiraはアラビア語由来で歴史的な意味合いをはらむ言葉。
だから、迫害から逃れる移民みたいな、もっともっと大きな、時代を変えるくらいのダイナミックなムーブメントを意味していると思う。

Listen
Strains of Benny Goodman
ねえ聞いて
ベニー·グッドマンの旋律よ

ってね。歌詞、好き過ぎる。

近い将来、晴れて大手を振ってカラオケに行ける日が来ると信じ、粛々と歌のストックを詰め込むマイおうち時間。聴いてたのは専らジョジョのオープニングとエンディング(あと時々ラーメンズのコント)、これじゃあ一緒に行く人らを困らせること間違いなし。だけど好きだから仕方ない。

Hejira、ん? ジョジョのエンディングに似た音なかったか? と耳は既にジョジョ耳。

そうなのだ。Hejiraのベースとジョジョエジプト編のエンディングテーマLast Train Homeを演奏するパット・メセニー・グループのベース。どちらもフレットレスの神、ジャコ・パストリアスなのだっ!

いつどこで誰と演奏しても身バレするジャコパス恐るべし。ジョジョのBLOODY STREAMとエバの魂のルフランを手がける大森俊之にも匹敵するアイデンティティ。(ここ笑うとこ)

おそらくポストコロナの波がやってくる。いやそうだろうか?

波は恐れではなく期待でもなく、我々自身であるべきだ。外したマスクを一斉に夏空にかざす我々の、晒された唇で放つべきはHejira。

または、ジョジョ。


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