毛というものはどいつもこいつも悩ましいものだ。
必要である眉毛やまつ毛もたまに目に入る事で存在をアピールするし、
なんのために生えてるのかわからないすね毛や腕毛は邪魔なだけである。
「撃たれたけどすね毛のおかげで弾丸が止まって助かった」なんてのは、
フィクションの世界でさえ聞いたことがない。
せいぜいDNA鑑定の材料に出てくる程度で、
それはつまり日頃から気ままに生えては気ままに抜けて部屋を汚すという、
非常に自己中心的な彼らの立ち位置を如実に表わしているのだ。

ひげは非常に評価が分かれる。
存在自体が悪とまで言われる事もあれば、
立派なひげだと尊ばれる事もある。
ひげに関しては毛量や毛並みよりも誰がはやしているかに左右される。
そういう意味ではすね毛などに比べると、
生まれを選べない不幸を背負う事があるので気の毒ではある。
だが夕方にすでに生えてくるのは迷惑だ。
とにかく毛は迷惑率が高い存在なのだ。

役に立っているのにマヌケを極めてしまうモノもいる。
鼻毛だ。
鼻毛はフィルターの役割をしているそうだ。
しかし鼻の穴から「やあ!」と顔を出してきた時は、
どんなにオシャレな空間にあっても全てをぶち壊すパワーを持っている。
ひげとは違う意味で毀誉褒貶が激しい毛だと言えよう。

毛が生えるのは体の弱い所に生えるのだそうだ。
まつ毛がいい例だし、すね毛も弁慶の泣き所にいると思えば、
もしかしたら防御力が多少あるのかもしれない。
鼻毛は先程も述べたように生命維持に不可欠な呼吸のフィルターである。
まつ毛。眉毛が目を守っているということは、髪の毛は頭を守っている。

弱い所に生えるということは、頭が悪いほど毛量が増えるのではないだろうか。逆に聡明な人ほどハゲ散らかすのかもしれない。
思えばハゲというのは現代病かもしれない。
髪の毛が無いのが当たり前ならハゲという概念は無く、
ヅラに高額を支払う人もいなかったのだろう。
そういう意味では中世までの日本はお坊さんがそこらにウジャウジャいて、
お侍さんも月代で頭頂部を剃って髷を結っていた。
ちょっとしたハゲはそれらに隠れてわかりにくかったことだろう。

なんて罪作りなやつなんだ。
髪は女の命なんて言われていたが、
髪の毛は存在そのものが罪を生むサークルクラッシャーみたいなものかもしれない。

ふと我に返った。
なぜこんなに毛にこだわってしまったのだろう。
書いて発表するような内容でもないのに。
風呂上がりに鼻毛を切ったのだが、冒頭を見る限りでは、
そこで何かしら悩ましかったのだろう。
動機を考えすぎるとハゲてしまいそうだから寝ましょうかね。
こんな終わり方で申し訳ないが、おやすみなさい。

#日記 #エッセイ #毛 #髪の毛 #動機が不明 #などと供述しており

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