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なごり雪

汽車を待つ君の横で僕は 時計を気にしてる

名曲「なごり雪」の冒頭です。
さすがに私も汽車が現役で走ってた時代は知りませんが、
子どもたちの世代だと「汽車?」「時計じゃなくてスマホ見れば?」と、
突っ込み所を感じるのかもしれませんな…。
そもそもなごり雪というモノが数年に一度の存在になってしまいました。

本日はそのなごり雪が降り、非常に冷え込んだものの風情のある一日でした。

暖かい日が当たり前になってきた中でほんの短い期間だけキュッと冷えて、
よりによって暖かさの前では最も刹那的な雪が降っては消えていくのは、
清少納言もいとおかしと評するに違いないと思います。

寒くて布団から出るに出られなかった冬が戻ってきたというよりも、
あんなに寒さに苦しめられた冬そのものが溶けて消えていく最期の姿を、
雪が降っては消え降っては消える中に投影してるように感じます。
アスファルトに吸い込まれていく雪は、
気温が真冬並みに低くてもそれはもう無力で無抵抗なものでした。

「なごり雪」の歌詞は2人の別れを歌っていますが、
我々の日々の活動もなごり雪の一つ一つのように一瞬の風景を象るものであって、いつか活動が終わった頃に一つの景色として認識できるものなのかもしれません。

今日の自分はせめて雪の一つとして存在し得たのか。
いや、出来の悪い変な形の雪の粒もまた味わいなのでしょうか。

いつか、まばゆい輝きになれるように、春のひだまりのような人間であり続けるよう精進したいと思う一日でした。


#日記 #エッセイ #いとおかし #人生オチはいかがなものか


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