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シャトレーゼの経営力 〜強みは甘さだけじゃない〜

こんにちは!

シュークリームに目が無くて、ぜいたくな甘いものが食べたいときは、少し離れた「シャトレーゼ」まで絶品シュークリームを求めて足を伸ばすことがあります。
先日、シンガポールのシャトレーゼに行ったら(どんだけ好きなんだ笑)、今まで気づかなかった和菓子コーナーを発見!さっそく買って食べてみると、

「超おいしい!」

海外でこのレベルの和菓子に出会えることは、そうそうありません。洋菓子屋さんだと思っていたシャトレーゼの和菓子がこんなに美味しい理由を調べて調べてみて、納得の納得!

なんと、2021年に、
あの老舗和菓子「亀屋万年堂」の全株式を取得!

お菓子一本の企業が慣れないM&Aも顧客思考にたってがんばったんだろうな、とか想像して更に大ファンになっていて、興味をもち更に調べてみると、そのイメージは大きくつがえされ、
M&Aはお手のものだし、見事な多角経営に海外展開、eコマースで直近の売上を爆上げしている非上場の超優良企業であることが発覚(笑)したので、少しまとめてメモしていきたいと思います。

1.会社概要

シャトレーゼは、山梨県を拠点とする総合食品メーカーで、菓子の製造・販売を中心に、多岐にわたる事業を展開しています。日本国内だけでなく海外にも手広く店舗網を展開しており、なんと、ワイン・ゴルフ場・ホテルなどの多角的な事業展開により、安定した成長を続けています。

<会社概要>
- 本社所在地: 山梨県甲府市下曽根町3440-1  
- 設立: 1964年2月  
- 従業員数: 連結 3,700名(2023年3月期)  
- 店舗数: 国内820店舗、海外180店舗(2023年)  
- 売上高: 連結売上高1327億円(2023年3月期)  

少しイメージと異なる大企業です!
非常上なので実態の売上高の構成とかは分析難しいですが、現在も成長真只中の超優良企業です。このインタビュー記事においしさの秘訣と品質へこだわりぬいた社長の想いがかかれており、勉強になります。

コロナ禍で他企業と同様に苦しんだストーリーでは語っていますが、家での「おうちカフェ」需要をしっかりと捉えて、売上は落とさず、効果的な企業買収も組み合わせることで、素晴らしい経営をしています。上場していたら今すぐに購入する株ですね。

2.海外展開

シンガポールでの成功

シャトレーゼは、2015年にシンガポールで本格的に進出を開始し、わずか8年で8カ国180店舗に拡大してます。日本の品質と味が受け入れられ、特にホールケーキやアイスクリームなどが人気商品のようです。

シンガポール以外の東南アジアの都市部でも、シャトレーゼの店舗は増加しており、都市部のショッピングモール内に小型店舗を展開することで、初期投資を抑えつつ高品質な商品を提供しています。ベトナムではショッピングモールのみならず、路面店など、多くの店舗を見るようになりました。

アジアでこれだけ短期間で人気がでたということは、今後の更なる広域展開も考えているだろうと思いますので、これからもシャトレーゼの海外展開は、同社の売上増加に大きく貢献し、今後もその影響は続くと思われます。

ハイブリッド生産体制

海外店舗に行くと、①アイスや和菓子など日本のセントラル工場で生産したものを空輸した商品と、②ホールケーキなどカウンター中のキッチンでいま製造しているものに別れます。
これらが日本と同等のあまり変わらない価格で販売しているので、海外で購入する日本人からするとありがたく、ここにどれだけ企業努力があるかが分かります。

味もそのまま、値段もそのまま、

顧客思考で長く愛される品質管理を徹底することで、日本の品質をそのまま提供していることにただただ頭が下がります。

3.事業多角化

冒頭でも触れましたが、シャトレーゼは自社でお菓子製造だけをしている会社ではありません。たくみな企業買収・M&Aを活用しながら事業拡大しており、その事業拡大はお菓子づくりに限らず、その他の領域まで展開しております。

たくみなM&A

少し調べただけでも、亀屋万年堂以外に直近で以下のような企業買収をしてます。非上場企業なので公開義務はないので調べきれませんが、おそらく不動産などのアセットを保有する企業なども含めてもっと多く企業を買収していることが想像されます。

たくみなM&Aを効果的に活用することで、効率的なロジスティクスを考慮した生産体制の確立や、食やこと消費を中心にしたシャトレーゼワールドをつくることで、顧客にお菓子だけではない体験を届けようとしていることが伺えます。

  • 亀屋万年堂: 東京都に本社を置く老舗和菓子メーカー。2021年に全株式を取得。

  • 談露館: 山梨県甲府市にある老舗ホテル。2023年に買収。

  • 薄井商店: 長野県大町市にある日本酒の蔵元。2024年に全株式を取得。

  • さかえ屋: 福岡県に本社を置く菓子製造販売会社。2015年に買収。

お菓子だけじゃない

シャトレーゼは、お菓子の製造・販売だけでなく、ホテルやゴルフ場などの運営にも注力しています。

例えば、
山梨県北杜市の「シャトレーゼヴィンテージゴルフ倶楽部」や「シャトレーゼカントリークラブ小海」など、複数のゴルフ場を展開していたり、北海道の「シャトレーゼ ガトーキングダム札幌」や「シャトレーゼホテル栗山」など、ホテルやリゾート施設も運営しています​。

高品質なお菓子を届けるノウハウは、高品質なサービスを届けることにも活用されており、どうやらリピーターも多いようです。ぜひ、今度行ってみたいと思います。

朝食のビュッフェとか、絶対おいしいに決まってますよね(笑)!

さて、

ちょっとした和菓子のおいしさの魅力にひきつけられて、今回はシャトレーゼを調べてみました。シャトレーゼって、言い方は語弊があるかもしれませんが、シュークリームメーカーだと思っておりましたが、

なにをおっしゃいますか、

M&Aを有効的に活用して、洋菓子のみならず和菓子も揃え、eコマースや海外展開まで行い、時代のトレンドをとらまえて、さらには更にはお菓子のみならずホテルやリゾート展開までしている超巨大な超優良企業でした。

おいしい甘さの奥には、軒並みならぬ人の努力があることを学ぶことができました。

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