記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『天號星』2回観ての感想と妄想(その2)

9/14と10/11、2回観て、改めての感想&妄想、その2。
ネタバレありです。
(セリフ、役名等、聞き間違い、勘違いがあるかもしれません。ご承知おきくださいませ)


入れ替わった銀次を追った朝吉が藤壺屋へやってきて銀次in半兵衛に襲い掛かろうとするも、いぶきや手下たちに邪魔されるくだり。
いぶきに守られたまま、言葉巧みに朝吉を操って「半兵衛in銀次を鍛える」という方向に持っていく銀次はまるで『リチャード三世』のようでした。
自分は戦わず、口先だけで相手をあやつる、という…。
演じてるのが古田さんなので、よりいっそう老獪さというか狡猾さが際立つのですが、中身は銀次(しかも入れ替わりたて)だと考えると、ちょっと言葉巧みすぎる気もするなー。
でも古田さんが怖格好いいので良し!(笑)

ぶじ朝吉を追い返し、お伊勢さんが「惚れ直した!」みたいなテンションではしゃいでいるのに、まったく意に介していない銀次in半兵衛。
朝吉が去った方を、じーっとなんともいえない表情で長時間見つめていた。
これって、やっぱり朝吉と斬り合えない喪失感なんですかね?
元の肉体と技量を失ってしまい、「人斬りのよろこび」を体現できないという寂しさ。
「俺には分かる、いや、俺にしか分からない」というセリフもあったし。
(その割に、途中でいったん元の身体に戻った時、「お前の相手をしてるヒマはない」みたいな感じで朝吉をあしらってますが…、その時点ではもう、「欲が出て」富や権力の方に気持ちがいっちゃってるんですかね?)

朝吉に対して「最初に殺したのは父親か」という(視た?)弁天。
へえ、当たるもんだな、ロクな親父じゃなかったからな、としれっと答える朝吉。
ここのくだりが妙に好きです。
朝吉のバックグラウンドもちゃんと設定があるんだろうな…、戯曲のト書きに書き込んであったりしないかなー。
こうやって書いてるとけっこう朝吉に「好きポイント」があるな?と思うけど、ラスト、銀次in半兵衛を倒してヨロヨロの半兵衛in銀次に、早くしろよ、女ども全員殺せばお前のやる気も出るだろ、みたいなこと言いだすの見るたび、あー、この人も残忍で話通じないタイプだー、とがっくり来ます(笑)

衣装の柄、幾何学模様を組み合わせた感じなのですが、ラスト近くの黒川堤のシーンになると、白木屋&銀次in半兵衛は洋風のスカーフみたいな柄を着てるんですよね。
それこそ「神州無頼街」の次郎長親分の衣装みたいな。
白木屋…白と黒の縞模様にチェーンみたいな黄色の柄が入っている
銀次in半兵衛…紫色の地に、いろんな宝石(アクセサリー)や鎖が散ったような大ぶりの柄
2人とも死ぬときの衣装がこれというのは、柄にやっぱり意味を持たせているのだろうか。

メタルさん、月代似合うなー。
金杉主善の衣装(着物)の色が綺麗でした。
メタルさんは背が高いし体格もいいので、着物の面積が多くて舞台上でけっこう目立つのですが、完全に無地の浅葱色だったんですよね。
他の人は地味でもなんらかの柄とか入ってた気がするのに、無地…。
あれだけ「柄」に意味がありそう、ということは「無地」にも意味があるのだろうか。
(2023.11.8 追記
公式X(Twitter)の写真見たら、細かい白の矢羽根模様が入ってました!
無地じゃなかった!すみません!

 若手チームと思っていたメタルさんも52歳かー…。)

長屋で意識が戻らないまま寝てるお伊勢さんに紫のはちまきがしてあって、おお!歌舞伎などで紫はちまきは病人の象徴だ!と。

弁天&こくりの衣装はニットなんですね。
フォークロアっぽさが「さすらいの民」雰囲気を醸し出してていい。
頭にヘアバンドみたいなの巻いてるのはアイヌ感もありますね。

弁天とこくりが売ってる「熊野権現のお札、いらんかえー」は、やっぱり熊野起請文なのでしょうか。
三千世界の烏を殺すやつ。

「白浜屋真砂郎」は『仕掛人梅安』の”白子屋菊右衛門”が名前の元ネタなのかなー、と思ってるんですが、元ネタというほど強くもないか…?
(白子屋菊右衛門は関西の仕掛人の元締め、最初は主人公・梅安と良好な関係だったが、シリーズ後半では敵となる)
そもそも池波正太郎の仕掛人シリーズと、『必殺仕事人』の関係を、視聴者や池波ファンはどう処理しているのかいまいちわかりません。
私は「別物」として考えてるんだけど…。
パンフレットの中島かずきさんインタビュー読んだら、追記するか別記事にするかもです。

土蔵に白木屋がやってくるシーン。
銀次(中身は半兵衛)に向かって「おまえ、あの娘に惚れたんだろう」とか言い出すので、何言ってんだこの人?といまいち流れがつかめなかったのですが。
「入れ替わり」を知らない白木屋からすれば、黒川堤のシーンは
”いぶきのピンチにいきなり銀次が現れ、本来の殺しの標的である半兵衛には目をくれず、いぶきを助けていっしょに逃げた”
という状況に見えた、ということか!!と、2回見て、更に時間が経ってからようやく気がつきました…。

こっちはシーンが切り替わるたびに、「太一さんだけど今は半兵衛」「古田さんだけど今は銀次」と内心でキャラを確認しながら観てるので、逆にそういうふつう(?)の視点が抜け落ちており、白木屋がとつぜん飛躍したすっとんきょうなことを言い出すキャラなのかと思ってしまった。
ほら、成志さんの演じるキャラクターだからそーゆーこともあるかな、って!(すみません)

しかし「長い棒をふりまわしてヤー!」のインパクトが強すぎて、今後、いぶきの演舞のシーンを観るたびによみがえってしまいそうです・・・。
なんてことしてくれるんだ成志さん!(苦笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?