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ゲキ×シネ『髑髏城の七人』Season鳥 感想

『天號星』上演記念・ゲキ×シネ10作品一挙上映!in 109シネマズプレミアム新宿

ということで、ゲキ×シネで『髑髏城の七人』Season鳥を観てきました。
豊洲ぐるぐる劇場の「髑髏城」ではこれが一番好きで。
上演当時に劇場で観て、(やっぱり歌と踊りと笑い満載は良い!もう一度見たい!!)と思ったけど、もう公演期間の終盤で、日程の都合がつかなかったんですよね…。
ゲキ×シネになってからもうまく予定が合わず、観劇後見るのも映画館で見るのもこれが初めて。

しばらく髑髏城見てなかったので、久々に見て(あー、そういやこんな話だった!)と思い出しました。
私の髑髏城観劇歴は
90 観てない
97 BS新感線特集で見てどハマり(『阿修羅城の瞳』は観ていたが、決定的に劇団☆新感線にハマったのはこの演目)
04 アカ・アオ 観た
11 ワカドクロ 観てない
18 花鳥風月(上下)1回ずつ
  (天魔は2回)
なのですが、もう記憶があやしい…。
97で出てきてないセリフを役者さんが言ったような捏造が頭の中でされてたり、逆に見たはずのシーンをすっかり忘れてたり…。
そのうちちゃんと棚卸しせねば。

そしてもう1つ久々に見て思い出したのは。
長い!!
そうだった、長かったんだよ…。
新感線好きだけど、上演時間がどんどん長くなってて、このころつらかったな…、とか思い出しました。
109シネマズプレミアム新宿の座席はすごく座り心地が良かった(頭のうしろもふかふか!)のですが、この椅子じゃなかったら尻が痛くなっていただろう…。
そんなわけで感想も、前半はテンション高いのですが、後半散漫になります。
ご了承くださいませ。

・大スクリーンで粟根さんの大アップを見てはキャー!ステキー!、右近さんの大アップ見てはキャー!!格好いいー!となる。

・冒頭、右近さんの名乗り、そこからの高音シャウト、一気に流れ出すロックの中で立ち回り…!
これぞ新感線、って感じで、テンション上がりました。
もうここでタイトル出ていいんじゃないか!?と思った。
(いちおう阿部サダさん舞台上にいるし…)

・太一蘭兵衛、美しい…!!
銀髪ロングストレートの髪、顔は白塗り、着物も銀~白とやりすぎなくらいなのに、それがすべて美しく調和して映える。
憂いを帯びた演技、そして言うまでもなく鮮やかで美しい殺陣。
97年版(永遠のベスト)を除いた髑髏城の中で、一番好きな蘭兵衛かもしれないな、と今回改めて見て思いました。
前半で、まだ「無界屋蘭兵衛」で対立状態なのに、天魔王に後ろから抱かれてふっ、と我を失いかける瞬間の表情と演技が素晴らしい…!
そしてあんなに美しいのに、最後太夫に撃たれようとする瞬間、般若そのものの凄まじい形相になるのもすごい。

・沙霧のアップを見て、なんか見覚えのある顔だちだなー?と思っていたのですが、幕間に名前を確認したら「清水葉月」。
なんか最近聞いたことがあるような…。
…『神州無頼街』の揚羽ちゃんか!!
道理で見覚えがあるわけだ。

いやほら、豊洲ぐるぐる劇場ドクロは人が多すぎて…。
沙霧役の女優さんたちもみんな魅力的なはずなのですが、目が行き届かなくて記憶が…。
『けむりの軍団』の清野さんしかり、『神州無頼街』の清水さんしかり、「豊洲ぐるぐる劇場ドクロで沙霧役だった」ということは、若いけど演技力があってアクションもできる実力派なのだな!と判断する基準みたいになってます。
2回目に観たときにようやく印象が入るというか…。

・沙霧の衣装もようやく大スクリーンでじっくり見れました。
青地に白い唐草模様みたいな感じ。
アイヌ文様っぽくもあるかな?
フードついてたり、武器が山刀ぽかったり、「山の民」をイメージしてるのかな?
ちょっと「ナウシカみ」を感じました。

・梶原善さん好きなので、狸穴次郎衛門役は嬉しかった。
極楽太夫の歌に合わせて傘を左右に振りながら踊ってるのがおちゃめ。

・極楽太夫の歌シーン、華やかでいいですよね。
松雪大夫、とってもキレイ!!
無界の女たちの衣装も、ちょっと中華風入ってたり、シーズン鳥のキーカラーの青緑みたいな色があざやかで美しい。

・太一蘭兵衛と松雪大夫のツーショット、スクリーンでアップで見たら、美しさの洪水で腰を抜かしそうになりました…。

・未来天魔王、初見の時(笑いを取る天魔王は初めてだ…!!)と衝撃を受けたことをおぼえています。
ラップかましたり、ルー語よろしくの英単語交じりの会話だったり、ふざけた感じなのに、シリアスなまま話が進むのすごい。

・花鳥風月ドクロの捨之介は、(「ワカドクロ」がベース?)「すべての人を救うのはムリだ、とわかっていながらも、目の前でひどい目にあおうとしてる人を見殺しにできず悩む捨之介」なんですよね。
青年捨之介だったらまあ、このキャラクターは分かるというかありなのですが、阿部サダさんはいかに小柄でかわいらしいとはいえ、それなりのお年なので、まだそこで悩んでるのか!?と、ちょっと違和感を感じてしまった…。
(戦国の世の中でそのマインドを貫こうとすると、捨之介は本能寺の変から8年も生きてられないと思う)
「板の上の役者に年はない!」というのもわかりますが、同じような設定で同じ筋の話をやるのを続けて観ると、やっぱり演じてる人のキャラクターで違いを見るから…。

・でも花鳥風ドクロの中では、この鳥ドクロの捨之介&沙霧が一番ラブっぽい。(個人の感想です)

・歌と踊りと笑いが多い髑髏城、変化球ということで、3番目にやってほしかったなー、と思ったんですが、(花…骨太、風…「1人2役」に挑む、の後にちょっと変化球という感じで)この年、阿部サダさん、大河で準レギュラーだったんですよね。
さすがに秋公演は難しかったのかも。
よく「歌と殺陣満載の主役舞台」と「大河準レギュラー」と同じ年にやったな、すごいな…。
しかも大河では家康役なんで頭こんがらかる(苦笑)

・長い!

・長いので集中力が切れる。
後半、髑髏城に乗り込んだところで、各人の見せ場(殺陣とか)があるのですが、正直集中力が切れていて(早くサクサク進んで百人斬り&天魔王との対決に行ってくれ!)と思ってしまいました…。
やっぱり2時間半を過ぎるとダメですね…。

・自分のペースで見たいなら、DVDを買って観ろ、という話ですが、やっぱり映画館の大スクリーンと音響は素晴らしい。
幕間前が1日目、幕間後は次の日、という感じで2日に分けて鑑賞したい。

・百人斬り、成志さんの歌をバックに立ち回り、しかも沙霧や兵庫たちが手伝う、という賑やかな構成。
これがけっこう好きでした。

・阿部サダさんがウクレレで歌うシーンとかあったっけ??
いや、映像に残ってるんだからあったんだろうけど…。
歌は素敵なのですが、夢見酒→沙霧が逃亡してるシリアスな展開の中なので、なくてもいいのでは…と思ってしまった。

・渡京がそろばん剣で戦うのもすっかり忘れてました。
必殺仕事人っぽいBGMにしてるけど、どちらかというと97年版蘭兵衛のオマージュ?

・天魔王と蘭丸の殺陣、ものすごい早さ!
終盤と思えない迫力と勢い。
未来さんの殺陣も素早いんですよね…、やはり実際に戦うのではなく、魅せるための剣さばきなので、ダンスに通じるものがあるのでは?
ダンサーである未来さんが上手いのも頷けるというか。

・捨之介と天魔王の対決シーン、怒りをあらわに戦う阿部サダさんがなんか新鮮でした。
私は舞台は新感線でしか阿部サダさんを観たことないので『レッツゴー忍法帖』の印象がどうしても強いから…(苦笑)

・兵庫が最後カツラをかなぐり捨てるところは面白いんだけど、大夫が普通のおかみさんになってしまうのはなんかヤだな…、と上演当時も思ったし、今回も思った(苦笑)
りんどうという一人の女として、幸せと平凡な日々の暮らしを掴むんだ、というのもわかるんですけど。
やっぱり極楽太夫には高嶺の花でいてほしくて、松雪大夫は特にその印象が強い。
少吉もいるので、よけい「いきなりでかい息子ができる」感が強いしなー。
(97年版の聖子大夫は悲しみはあってもさばさばしてるというか安心感あるので(この人、死んだ仲間を弔ったら後追いしてしまうんじゃ…、という不安はない)兵庫と仲良くやってほしい、と思える。
磯平も「息子」ではなく「兄」で、関八州荒武者隊を引き継ぐぞー!と言ってるので、嫁に行くというより”新生関八州荒武者隊”というチーム感がある)

・あ、転球さんは良かったです!
しゃぐまみたいなあの朱色の髪型&隈取、似合うよねー!

・あと、今回改めて観て、少吉のキャラ設定が気になった。
「親父を惑わす遊里の女」に敵愾心むきだしの癖に、尻はさわるんだよね…。沙霧の尻もさわってくし。
「お前、言ってることとやってることが無茶苦茶だぞ!」という次郎衛門のツッコミが入っていますが、それだけではちょっと処理しきれないというか。
そういうタイプというのはわかるんですが、キャラクターとして要素が多すぎて、展開の理解のジャマになる気がします。
(少路勇介さんの演技自体は悪くないのですが)

・個人的に「鳥」と「風」で大夫・兵庫を入れ替えたら似合いなんじゃないかと思っていて。
松雪大夫と山内兵庫で長身の美男美女カップル素敵だし、田中大夫と転球兵庫で「年下の小柄な小悪魔女子に翻弄されるおじさん」カップルなんて可愛い!と。
しかし太一蘭兵衛と松雪大夫が美しすぎて、ここに美男の山内兵庫を追加したら美しさが過剰すぎる!!と諦めることにしました。

・生の舞台ではなく「映像」のゲキ×シネ。
ところどころで映像ならではの効果が入ってるのですが、スローモーションになる、というのはいらないんじゃないかと思った…。
同じシーンをキャラクター(役者さん)ごとにアップにしてスローモーションで繰り返し、というシーンが何回かあったのですが、くどさを感じてしまった。

・ひとりで見に行くと、幕間や終了後にどうしても他の方の会話が聞こえてきてしまうのですが、今回一番面白かったのは、幕間に聞いた女性二人の会話。
女性A「森山未来、いいよねー!!」
女性B「えっ、どこにいた!?


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