発話チャレンジで用いやすい「活動」について

場面緘黙症状の改善には認知行動療法のエクスポジャー法を用います。
場面というのは「人・場所・活動」の3つの要素からなりますが、「人・場所・活動」のうち1要素だけを変更します。
例えば、今話せている場面が
「母・放課後の誰もいない教室・教科書の音読」ならば、
「母・放課後の誰もいない教室・しりとりとカード遊び」を行います。
3つの要素のうち、「人」を変更することが最も難易度が高いです。

「活動」として、教科書音読やしりとり、なぞなぞ、UNOやトランプを用いて、発話を促すのもよい方法です。
教科書音読は1人1文ずつ、順番に読みます。子どもが必ず読める文章を使い、大人はたどたどしく読みましょう。
しりとりは絵がのっている、あいうえお表をおいたり、大人にはハンデをつけるとよいでしょう。
なぞなぞ本、UNOやトランプを用いて、発話を促すのもよい方法です。

かんもくネットHPの「スモールステップを進めるときに使えるカード類活動」では活動で利用できるグッズを紹介しています。

■質問カード (公立小学校教諭 吉本悠汰先生作)
先生や友達の前で、九九や音読など決まったセリフがある発話ができたり、小さな声で単語での会話ができる子どもが、もっと先生や友達との会話を増やしたい時に用います。

以下は紹介です。amazon等からご購入ください
■「 わたしはなあに? カードゲーム」 学研ステイフル(Gakken Sta:Ful)
頭にカードを貼るのではく、相手に見せないように手でもつ方法で使用することをお勧めします。

■「えらんで きめて つたえるゲーム すきなのどっち?」​ 筑波大学附属大塚特別支援学校 佐藤義竹教諭考案

2つの選択肢から選びます。「〇と△、どっちが好きですか?」と質問して、相手が「〇です」と言って選びます。質問役を順番に行うのがお勧めです。選択肢に「わからない」「同じくらい」と言うことをいれてもOKです。簡単に言えるようになったら、さらに理由も言うルールにすると、難易度があがります。                ​      

■「きいて・はなして はなして・きいて トーキングゲーム」tobiraco
家庭でまず実施して答えられたカードを、新しい場面(人・場所)で発話チャレンジするとよいでしょう。

■「しつもんブック100」tupera tupera (著)​ 
年齢が高い子の質問集としてお勧めです。英語の質問も掲載されています。日本語よりも英語の方が緊張が下がり発話しやすい子どももいます。

子どもによって興味・関心が異なります。その子が楽しめ、リラックスして発話できる活動を工夫しましょう。

かんもくネット 角田圭子(臨床心理士/公認心理師)