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官民連携まちづくりDAY2022[登壇者紹介④]園田 聡さん((有)ハートビートプラン)

こんにちは!官民連携まちづくりDAY 2022事務局です。

2022年2月14日(月)に開催予定の当イベントの、トークセッション登壇者と、まちづくりの取組を全4回に渡ってご紹介します。

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参加申込はコチラ

最終回は、有限会社ハートビートプラン 取締役の園田 聡さんです!早速、お取組からご紹介いたします。

主なまちづくりの取組

園田さんは大阪を拠点とする都市デザイン事務所、(有)ハートビートプランにおいて、取締役として様々な地域のまちづくりに関する取組を行っています。特に「プレイスメイキング(=都市空間での生活を豊かにする都市デザインのプロセス)」の実践・研究に注力しており、各地での取組や執筆なども行っています。

愛知県豊田市における取組

トヨタ自動車(株)の企業城下町として発展を遂げている愛知県豊田市では、これからの時代の豊かな街のあり方を見据えてまちの主役を「車から人へ」と転換することを目指していました。
その目標と取組方針などを取りまとめて策定された「都市環境計画」に基づき、園田さんは2015年から都心地区の魅力の向上を目指すプロジェクトに携わり、「プレイスメイキング」のアプローチによる公民連携での駅前広場の整備と運営を支援しています。

取組の一環として、2015・2016年の都心地区全体の広場の実証実験を経て、2017年より、豊田市駅東口まちなか広場(通称:とよしば)と新豊田駅東口駅前広場(通称:新とよパーク)の整備に向けた具体的検討が開始され、どちらも2019年から供用が開始されています。

豊田市駅東口まちなか広場「とよしば」

将来的な駅前広場の対象地での暫定的な実証実験として「集まる×育つ×広がる=新しい豊田のカタチ」をコンセプトに、アイデアやチャレンジの受け皿となる開かれた場を目指して整備が開始されました。都心地区の魅力を改めて体感してもらい、都心全体に「とよた」に対する愛情が育っていくことが期待されています。

とよしば2

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とよしば3

「とよしば」の様子(同社HPより)

新豊田駅東口駅前広場「新とよパーク」

ハーフメイド(基本となるインフラなどの最低限の設備を整備した後、実際に利用する中で必要に応じて手を加えていく手法)を用いながら、整備後も運営に携わる覚悟を持っていただいた利用者の方々とワークショップを重ね、2度の試行実験を経て整備されました。この取組により、利用者の方々と管理者が信頼関係のもとに自由度の高い利用環境を作り上げ、多様な活動の受け皿がまた1つ増えました。

豊田市での取り組みでは、一貫して行政(管理者)と民間・市民(担い手)が、それぞれの覚悟を持って互いを尊重しながら検討してきたことで、「自由と責任」のもとでチャレンジできる環境と「新しい自治の仕組み」を生み出しています。

新とよパーク

「新とよパーク」の様子(同社HPより)

「新豊田駅東口駅前広場(新とよパーク)リニューアル整備」プロジェクトが(一財)都市みらい推進機構主催の、令和2年度土地活用モデル大賞において、都市みらい推進機構理事長賞を受賞するなど、全国的にも高い評価を受けています。

兵庫県姫路市における取組

兵庫県姫路市では「街に選択多様性をつくり、豊かな生活シーンを生む」ことを目的として「姫路市ウォーカブル推進計画」を策定し、姫路駅周辺の10のエリアを選定し、「街に出かける動機をつくる」「心地良い歩行環境をつくる」「道中に新しい発見など「予期せぬ出会いの機会」をつくる」というステップで、段階的にウォーカブルなまちづくりを行っています。

先行的に取り組む3つのエリアのうちの1つ、世界遺産の姫路城とJR姫路駅を結ぶ「大手前通り」は、市によって快適に歩くことができる環境が整えられているにも関わらず、周辺事業者や市民による積極的な活用が少ないという課題を抱えていました。

ハートビートプランは2019年から市より委託を受け、沿道型の持続可能なストリート・マネジメントを目的とする「大手前通り」の魅力向上プロジェクトとして取り組みを進めており、園田さんはプロジェクト開始当初から、沿道企業を中心とした協議会の中でのプロジェクトチームの組成や、活用社会実験の実施、民間による将来ビジョンの策定などといったプロセス・デザインを丁寧に推進しています。

「大手前通り」の魅力的なシーンを来街者に体感してもらうための機会として、2019年11月には1か月間、2020年度には約1年に渡り「大手前通り活用チャレンジ「ミチミチ」」という活用社会実験を実施しました。

街路そのものだけでなく、沿道建物低層部の在り方や周辺事業者による民間主体の空間運営等が魅力向上のカギとなることを提案し、沿道企業を中心とした協議会の中でのプロジェクトチームの組成、活用社会実験の実施、民間による将来ビジョンの策定、活用スキームの構築、沿道の空間デザインガイドライン作成などを5年間かけて丁寧に進めていくプロセス・デザインを推進しています。将来的には、公民での連携を継続し、駅や駅前広場、近隣公共施設、商店街等の周辺エリアへと広がるまちなか全体の魅力が高まっていくことを目指していきます。

大手前通りでの「ミチミチ」の様子

大手前通りでの「ミチミチ」の様子(同社HPより)

期間中は「大手前通り」が多くの人で賑わいを見せ盛況となったほか、2021年には大阪市や神戸市と並び、国土交通省より日本初の歩行者利便増進道路の指定を受けるなど、社会的な成果も得ています。今後「ほこみち制度(歩行者利便増進道路制度)」を活用した、恒常的な道路空間の活用を予定しています。

登壇者のご紹介

(有)ハートビートプラン

取締役 園田 聡さん

ハートビート ソノダ氏

埼玉県所沢市生まれ。2009年工学院大学大学院修士課程修了。商業系企画・デザイン会社勤務を経て、2015年同大学院博士課程修了。博士(工学)。2016年より有限会社ハートビートプラン。専門は都市デザイン、プレイスメイキング。現在は、大阪・東京を拠点に全国各地でプレイスメイキングの理念・手法を用いた実践・研究に取り組んでいる。著書に「プレイスメイキング~アクティビティ・ファーストの都市デザイン~」(学芸出版社)。

まちづくりQ&A

園田さんがまちづくりの取組を行う際のポイントなどをいくつかご回答いただきました。

Q.手がけられたまちの自慢を教えてください!

A. 豊田も姫路も、ご自身が楽しみながらも覚悟を持って街にコミットされている地元の若いプレイヤーの方々と、それを力強く支えてくださる行政マンの方々がいらっしゃることです。

Q.まちづくりの取組を進める際、重視している事柄はありますか?

A. 関わる方々それぞれの「なぜやるか」という動機と、「こんなシーンを作りたい」というビジョンを常に共有しながら、バックキャストで取組みのプロセスを考えていくことを大切にしています。

Q.地域ビジョンを策定するうえでのご苦労やエピソードを教えてください。

A. 苦労ではありませんが、地域ビジョンは、コンサルとしての私たちが作るのではなく、そこに暮らす方々の想いで作るものです。そのため、とにかく現地に自分も身を置いていろんなことを実際に体感し、いろんな方とお話して、地域の潜在力や新しい価値を多様な切り口で捉えられるよう心がけています。

Q.コロナ前後で感じる、都市空間や人々の居場所の変化や、地域の状況について教えてください。

A. これまで、特に街の中心部で、用途地域に近い形で「住む場所」、「働く場所」、「遊ぶ場所」というのをそれぞれ異なるエリアで充足するという生活圏の方が多かったと思います。それがコロナになって働き方や余暇の過ごし方が制限され、必然的に「住む場所」の近隣で「働く場所」や「遊ぶ場所」も見出すことを迫られてきました。
そうなったことで、「ヒト・モノ・コト」が適度に混在した多様性を持つエリアの豊かさがあらためて見直されてきたと感じますし、これからの時代の豊かな街のあり方にも近づいていくのではないかと感じています。

Q.最後に、本イベントへの意気込みや、期待していることなどをお聞かせください。

A. 私はファシリテーターという立場ですので、ご登壇いただく方々の率直なお考えやアイデアをたくさんお聞きし議論して、参加された皆さんが翌日から「私もこれをやってみよう、こう考えてみよう」とポジティブに思っていただけるような場にしたいと考えています。
参加いただく皆さんも、ぜひ忌憚のないご意見をお聞かせください!


園田さん、ありがとうございました!イベント当日のお話も、ぜひお楽しみに。

参加申込方法

当イベントは、事前申し込み制です。

お手数ですが、2022年2月9日(水)までにお申込をお願いします!

お申込先
https://forms.office.com/r/73yTNqGxtH

参加申し込み

ご質問も募集中!

セッション①(地域ビジョンのつくり方)、セッション②(ニューノーマル時代に求められる空間と機能)に関して、それぞれご質問を受け付けています!

皆さまの抱える疑問を全国で取組推進をしている登壇者の皆さんと一緒に考えてみませんか?

参加申込をお済ませの上、2022年1月31日(月)までにお寄せください!

質問受付先
https://forms.office.com/r/aQemLBPcbT

参加受付

※必ず、参加申込を済ませてからご入力ください。


本noteアカウントでは、今後もイベントに関する情報を発信いたします。

皆さまのイベントへのお申込とご質問、お待ちしております。


お問合せ先
官民連携まちづくりDAY 2022 事務局
有限責任監査法人トーマツ
メール:kanmin-machi@tohmatsu.co.jp
担当:西村・大庭・原田