見出し画像

『違国日記』が好きなだけ。

ヤマシタトモコさんの漫画『違国日記』(「いこくにっき」と読みます)が好きなだけの話だ。

ストーリーは突然の事故で親を亡くした朝(1巻では中学生だが高校に進学する)と朝を引き取ることになった叔母の高代槙生(少女小説家で35歳)の同居の話だ。何年か前に1巻を試しよみして感動してすぐ全巻電子書籍で買った。宝島社の『このマンガがすごい!2019』女編に選ばれていたのを知ったのはその後だった。

もともとヤマシタトモコさんの作品は服がおしゃれだし、キャラクターみんながどこか孤独なんだけれどフッと寄り添っていてくれるところが好きで何冊か読んでいる。『違国日記』の朝もおしゃれだし槙生ちゃんも月に1回くらいしか外出しない設定なのにいつ買ったんだろうと思うようなおしゃれな服をスッと着こなしている。某通販サイトかな。

槙生ちゃんはきっと世間では「変わり者」と言われてきた人で、少女小説家という立場からでもそれが許されてきて35歳にしてマンションを買っているような自立した女性だ。ある意味2020年らしい。でも一緒に暮らす朝はさすが10代というだけあって恋バナが大好きで汚い部屋でずっと原稿を書いている槙生ちゃんのことを「変な人(変わり者)」だと思っている。本当に無邪気でかわいい。

この漫画は今5巻まで発売されていて、好きなシーンなんて山ほどあるんだけれど、特に好きなのが槙生ちゃんが仕事の山場なのに何も言わずに朝にご飯を作ってまた仕事場に引っこむシーンだ。その後槙生ちゃんは朝に「食べ方なんて知らないもん。ばかっ!!」と涙目で言われることになる。お互いがお互いを尊重してちゃんと孤独になっているいい漫画です。他人が暮らすってことはその人のルールを尊重するってことで、お互いのモラルが試されたうえでルールを作るってことなんだと改めて。

個人的には2人とも服の色合わせがめちゃくちゃ上手くて、スタイリスト誰!?と聞きたくなってしまう。

違国日記(1) (FEEL COMICS swing) https://www.amazon.co.jp/dp/B077GQL19W/ref=cm_sw_r_cp_api_i_kNUWEb2CXX392

画像1


この記事が参加している募集

読書感想文

サポートしてくれたら嬉しいです。サポートでいただいたお金は私が人生を生きやすくするために使わせていただきます。