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只見駅前賑わい創出事業について

本日令和3年9月3日、9月会議にて議決されました。大切な話が置いてけぼりで、様々な憶測や噂が町内で出ているように聞きます。この度議決されたので、私の主観を交えながらなるべくフラットに事業の目的などをまとめたいと思います。時系列ではなく、皆さんが知りたいんじゃないかなと思う順番で記載します。

どこまでの情報を、どこまで出して良いのか判断つけられなかったので議決後にまとめさせていただきました。力不足ですみません。

Q.1 只見駅前賑わい創出事業ってなに?

A.1 只見駅前にユニットハウスのような簡易的施設(建設コスト安い、建設納期早い)を作り、2022年の只見線全線鉄道再開通に間に合うように、駅前に賑わいを作ることを目的とした事業です。出店者を募るテナント方式を採用予定です。

画像引用:三協フロンテアHPより

ここでいう賑わいの基本機能とは「町の総合案内」「特産品販売」「飲食」の3要素だと計画書に記載されています。
行政主導で「これやってくれる人を募集します」だけではなく、民間の方々からの「これ面白いんじゃない?」のアイディアを募り、新たなサービス(機能)も加えたい。つまり町は官民共創を目指すと私は受け取っています。町長答弁に「行政はそういう新しい発想を生み出すのが苦手なので民間の方に協力してほしい」のような答弁があったと記憶しています。

↓只見駅前賑わい創出事業の計画案 只見町HPより


Q.2 道の駅とは違うの?違うのなら道の駅はどうなったの?

A.2 誤解を与えますが端的に言うと、道の駅計画は、一旦お休みです
「またか...」「いつまで経っても何にもできんな只見町」みたいに思われる方が多いと思います。すみません。

道の駅の考え方・必要な機能は、駅前賑わい創出事業にも活かされている、今後も活かす。と答弁があり、私もそのように思います。
「道の駅基本計画」に記載してある「道の駅第1ステージ」と「駅前賑わい事業」は、ほぼ同じです。場所は同じで、規模感を少し小さくした感じです。
けれど「道の駅ではない」と町が否定されるのかは、なぜかわかりません。私の行間を読む力と推察する力がまだまだ足りないのだと思います。

只見町のHPに、道の駅基本計画が公開されていない、検討委員会の議事録が公開されていない、経過が最後まで記載されていない。などは残念に思います。こういった情報公開が正しい情報を伝えていくために重要だと考えています。

↓只見町道の駅検討委員会資料のページ


Q.3 なんで道の駅計画をお休みしてまで、駅前賑わいを優先するの?

A.3 2022年に只見線が全線鉄路再開通するからです。只見線は上下分離方式で復活します。ざっくり言うと「線路は沿線自治体のもの」「列車はJRのもの」なので線路の維持費は自治体負担でお願いねです。これは福島県も負担してくれていて、沿線自治体と書いていますが、只見線が走っていない自治体(檜枝岐村、南会津町、喜多方市など)を含めた会津17市町村で負担します。自治体の負担金は毎年約2億1,000万円。只見町の負担額は約2,000万円

私はここをとっても重要視しています。

例えば、私が檜枝岐村民だったら「乗りもしない只見線になんで金を負担しなきゃいけねえんだ」と思います。
私が南会津町民だったら「只見線に金出すより、町民の足の会津鉄道に金出すのが当然だ」と思います。
私が喜多方市民だったら「只見線に金だすより、磐越西線に力を入れろ。平日の昼間はロードバイクをそのまま乗り入れできるようにしよう」と思います。(喜多方の高橋さんのアイディア)つまり、

只見町が本気で只見線と生きていく という姿勢を強く広くみせていかないと、只見線(只見町)が原因で会津17市町村が喧嘩(連携がとれなくなる)する可能性が生まれるのが危険。と考えています。只見町と福島県の関係が悪化することも。只見町がどれだけ只見線に本気かを判断されるのが、来年の全線鉄路再開通の日だと考えています。

ですので平時の事業の進め方ではなく、有事のやり方で町は進めていると感じています。(通常の行政の事業スピードからすると、荒くて早い。だけど民間の事業スピードより、遅いし丁寧。)

Q.4 じゃあ道の駅はどこにできるの?

A.4 未定です。町長は「町内の国道289号線沿いのどこか」としか表明されていません。「どこか特定の場所にできるらしいぞ」というお話をされている方がいたら、それは根拠のないデマを風潮されている方なのでご注意ください。長いですが議会が公開しているyoutubeで、答弁内容をご確認いただけます。
「あそこには作りたくない」「一旦計画をお休みするなら、作る場所を明らかにするべきだ」など色んなお考えがあると思います。そのお気持ちはわかります。しかし

重要なのは、道の駅の場所ではなく町全体の(施設の)計画です。

例えば5年後、7年後に道の駅が町内のどこかに完成するとします。そしたら「田子倉レイクビューはどうするの?」「歳時記会館は?」「駅前賑わいの施設は?」「その再利用は?」そういった町全体のデザインを決めないまま、道の駅の場所だけを決めるのは、良い結果を生みにくいと考えます。

私は道の駅の場所よりも、10年後の町の施設にどのような機能を持たせるのか。統廃合をきっちり決めて作るものは作る、壊すものは壊す。そういう計画を全町民が理解していることが、めっちゃ大切だと思います。

↓只見町8月会議 議案第50号の質疑のyoutube。全部で4時間ほどあります。こちらで質疑を確認いただけます。

Q.5 駅前に簡易施設をつくるのはわかったけど、いつまで簡易なの?

A.5 約5年間の予定です。その5年間で只見駅の複合施設化を目指します。期日を区切ってJRさんと協議する。時間は有限。との町長のご答弁です。会津田島駅のように只見駅の中に「総合案内、飲食、物販」の機能を持たせる。只見駅のすぐ側に道の駅があるのではなく、只見駅の中に道の駅の機能を持たせる。という考えが賑わい創出事業の最も重要な箇所だと考えます。
それが只見町は只見線と生きていくという固い決意表明だと感じました。

もちろん相手があっての話なので、実現できない可能性はある。その時は別の形で「総合案内、飲食、物販」を継続する。とのことです。ですので、

只見駅の複合施設化を目指し、その間は仮設施設で賑わいを作る。新しい只見駅が完成したら、その中にテナントさんに引っ越しして続けてほしい。新しい只見駅ができない場合は、また別案を考えよう。ということだと私は理解しています。

「そんな無計画な進め方は駄目だ!」と思われる方もいらっしゃると思いますが、一度計画したことを止められないことの方が危険だと私は考えます。東京オリンピック開催が良い例です。開催したことが良い悪いの話ではありません。

PDCAは絶対ではない。一度決めたプランは何があってもやり続けなければならないのならば、その先に必ず町民の幸せが約束されていなければいけないわけです。そんなことは確約できない時代です。コロナで頓挫した計画は腐るほどあるはずです。

事業の短サイクル化がずいぶんと前から始まっていると聞きます。昔は手に職持てば一生暮らしていける。という話を聞きました。今は時代の流れが早すぎて、新規事業→事業終焉が短すぎて、どんどん派生した事業を産み出していかなければならないそうです。行政もその考え方が必要です。

↓PDCAとOODAループの違い

Q.6 総合案内と物販って今、駅前でやっている。同じ機能を作ったら税金の無駄使いでしょ?

A.6 住民説明会での町からの回答を記載します。
「頑張ってみたい、チャレンジしてみたいという方のやる気、運営能力、同じ線上で見させていただきたい。同じ条件で手を挙げてもらいたい。」
総合窓口は一つと考える。ご提案をいただきながら進めて行きたい。」とあります。

↓只見駅前賑わい創出事業 事業計画住民説明会(質疑議事録)

今までのように「この事業はあそこに」という町が出資している(補助している)会社を優先しない官民共創で公平に進める。との答弁と受け取りました。ここで重要だと考えるのは2つ。

1.コロナ化でどの事業者も苦しい。ピンチをチャンスに、異業種から今回の事業に挑戦してほしい
2.新たな人材発掘、若い人がチャレンジできる場作り

1ですが、例えば只見町の建設業の会社は異業種に挑戦されてきた歴史があります。蕎麦を作ったり、送迎車を走らせたり、米の精米機を置いたり。とっても素晴らしい会社が只見町にあると感謝しています。その土壌がある只見町だからこそ、そういった未経験の事業者が良い結果をもたらす可能性があると私は考えています。

2ですが、人材不足、特に経営能力のある人材が只見町に不足していると感じています。決算書を読める、事業計画を立てられる、突拍子もない企画を実現、収益化できる。そういった人材がもっと必要です。

コロナの影響もあり、第三セクターの経営状態ってヤバいんじゃない?とみんなうっすら思っていませんか。例えば道の駅を作るとなったら、経営責任者は誰が適任なんでしょうか。その人の顔は今、浮かびますか。

町の第三セクターは3社あります。1社は町長が社長、1社は副町長が社長、もう1社だけが民間の方が社長。このご時世ですから、本気で本業一つに取り組まないと黒字化は無理です。10億円以下の会社の経営ができる人材が町にいない、もしくは他の仕事を頑張っているからその仕事を受けられない。ということだと思います。町長、副町長が社長ということは。

駅前賑わい創出事業は、そういう未来の只見町を背負っていく、経営能力のある人材を育てる事業だと私は考えています。

只見駅前の一等地。家賃はおそらくかなり安い。好きなことを事業提案して良い。それで黒字化できる人材がいないんだったら、10億以下の規模の第三セクターを黒字化するなんて到底不可能です。つまり、近い未来に第三セクターは経営破綻する可能性があるってことです。そうしないための事業でもあると考えます。

Q.7 そうはいっても冬の閑散期に黒字化は無理でしょ

A.7 はい。飲食専業で通年で黒字化は普通にやったら無理だと思います。例えば私がテナントに入るのであれば、「デザイン事務所+飲食」でやりたいです。デザインの仕事をしつつ、お客様が来店されたら飲食を提供する。本業の仕事が黒字、副業の飲食は利益の上乗せ。そういった形態であれば、事業が成り立つのではないでしょうか。

飲食で提供するものは、「地物」「ロスがでない」「誰でも簡単調理」です。飲み物であれば只見町は南郷トマトが特産で、色んなトマトジュースを提供するのはどうでしょう。

只見特産さん、JAさん、トマト農家さんごとに味が違う(トマトの収穫時期、加熱時間など)トマトジュース数種類、さんべ農園さんの青トマトジュース、季節になれば生トマトのフレッシュジュース、トマトスムージー、ガスパチョ。そういった日替わりを含めた、トマトジューススタンドをやりたい。クラフトビール屋さんみたいな、バーみたいなそういった雰囲気で美味しい地物のトマトジュースが飲める。「あちらのお客様からです。」とかやりたいじゃないですか。

食べ物であれば、冷凍南郷トマトカレーをやりたい。南郷トマト生産組合さんに許諾をいただき、大量に作り、1食分ずつ冷凍真空パック。お米も1食分ずつ冷凍パック。注文が入れば解凍して誰でも調理ができてロスがない。スパイスカレーに使うスパイスは、三条市下田産のターメリックを使って、只見町(南郷トマト)と三条市(下田ターメリック)のカレー。三条スパイス研究所にも南郷トマトを使ってもらいたい。
下田ターメリックを使用したナチュラルエナジードリンク「クラフトポーション」もアルコール有り版、無し版で提供したい。
スパイスカレーのワークショップもできる。
真空包装で個別にパッキングしておけば、郷土食の「お平」も手軽に提供できる

短い滞在時間でも只見駅の思い出が残る「記念写真」のサービスもやりたい。瀧神社あたりを流れる極寒の只見用水に足をつけてギャーとなっている顔の記念写真とか良いし、只見駅裏のカカシさんとの2ショットともいいし、三條屋さん前の広場から紅葉の要害山バックにして、只見駅の駅看板と車両をを入れて記念写真。そしてプリント納品&データあげる(SNSで発信してね)

ロードバイクを輪行袋にいれて、只見線に乗って移動して戻ってくるガイド付きのサイクリングもやりたいし、マウンテンバイクよりタイヤが太いFAT BIKEで要害山を登りたいし、只見スキー場で季節関係なくFAT BIKEで遊びたい。そういうレンタルもしたい。

菅家忠のお悩み相談室」もやりたいし、じーちゃんばーちゃん向けに「出張スマホサポートセンター」もやりたい。

設備投資が少額ですむし、地域にあったコンテンツを沢山作って、ヒットしたら続ければいいし、売れなかったらやめればいい。

働くスタッフは子育て世代のママさんに活躍してほしい。子どもと一緒に働ける職場で、観光案内所には子どもの声が聞こえてて「ちょっとすみません...ちょっと!静かにしなさい!」みたいに、お客さんへの案内中にも子どもに目が届いて、お客さんも苦笑いなのかほんわり笑いなのか。「子どもと一緒に働いている職場です」とお客さんに伝えておけば大きいトラブルにはならないと思うんです。午前中3時間だけとか、子どものお迎えまでの2時間だけとか。そんなちょこっとした時間だけ働きたい需要があるのか検証してみたい。

土日にママさんたちが働くのは厳しいと思うんですけど、子どもとたまに遊んで良い職場だったらどうなんだろう。そういう場所は、町民が集まる場所になりそうな可能性を感じるんだけどどうなんでしょう。

最後に

私がこうだったらいいなと思う駅前の賑わいの雰囲気を書きまくってしまいました。フラットじゃなくてすみません。
大切なのは行動すること。行動の先には町民の幸せがあり、町を背負っていく人が育っていること

「財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり。されど財無くんば事業保ち難く、事業無くんば人育ち難し。」

後藤新平の言葉です。