にかほ 冬、お母さんとの再会と、お父さんの手仕事

にかほ、2回目。今回は更にローカルに掘り下げて、にかほの人と交流したり、合計6日間になる滞在体験のまとめ。

前回と同じ時間の飛行機に乗って、秋田空港に降り立ったのが午後1時過ぎ。
大雪で真っ白な景色を妄想してたんだけど、飛行機から見える景色も茶色がちで、ほとんど雪は残ってなかった。

画像1

心配していっぱい着込んできたんやけど、無駄な荷物だったかなぁと思ったり。


前回より上手なバスの運転手さんのおかげで快適ににかほ市に到着。とりあえず腹ごしらえに、今回は自由行動で昼食に。
担々麺がイチオシのお店、”一二三(ひふみ)”、肉タンメンがイチオシのローカル食堂、”園食堂”のふたチームで昼食。

画像2

どっちもめちゃくちゃ美味かったらしく、みんな満足げな表情。どうせこっちに来たら毎日過食してしまうとわかっているのに、気合入れて注文しちゃうんだよなぁ…

ちなみに一二三さんの担々麺は、冷凍で発送もしてくれるらしく、生麺ぷりぷりのまんま関西でもいただけます。スープにお米入れても絶品。
あとお父ちゃんがスマートだった。

画像3


しょっぱい系でお腹いっぱいのあとは、地元食材を使ったジェラートの店、高原ヴィラにふらっと寄り道して、そこからTDKの資料館に。
12月も半ば、本来だったら小雪がちらつくような季節なので、流石にジェラートの品揃えは少なくて、それぞれソフトクリームを食べたり。もっと暖かいときに来ればもっといろいろあったやろな。

画像4


TDK、最近は電子パーツの生産が多いみたいで、あんまりロゴとか見かけることはなくなったけど、僕ら世代に懐かしいのはやっぱりカセットテープ。
そのTDKが実は秋田県はにかほ市が創業の地らしく、立派な工場がたくさんと、めちゃくちゃキレイな資料館がある。正式名称は、TDK歴史みらい館。

画像5

画像6

資料館の中にあるペッパー君も、昔のテレビも、カセットも電話も全部、TDKのパーツが使われている立派な展示資料。
TDKはもともとフェライトコアっていって、人工磁石の開発から派生していろんな電子部品を作るようになった。それに関連して、チームラボの展示とかVR体験とか、いろんな展示が楽しめた。

画像7

画像8


TDK歴史みらい館から引き上げたら、今回も宿泊させてもらう白滝旅館に。女将さんが紹介してくれたのは、白滝の地域に伝わる伝統行事、獅子舞の当番の交代式。
旅館からすぐそばの当番長宅に少し遅れて向かうと、近所のお父さんたちが正装で正座して待っていた。

画像9


宮司さんが禊をしてくれたあとに、獅子踊り、当番交代の儀と続く。
盆踊りでさえあまり馴染みのない僕にはすごく印象的で、圧倒された。

画像10

画像11

当番長宅で交代式が済んだら、今年まで獅子の当番をしていた地域を出て、あたらしい町内に向かった。
お母さんたちが提灯を持って先導して、その中を獅子がお祓いをしながら歩いていった。

画像12


一旦白滝旅館を離れて、夕飯のために町の方へ。
晩御飯を頂いたのは、六三五(むさご)さん。地元で上がる海産物を中心に地元の料理で手厚くもてなしてくれた。

やっぱり秋田は日本酒好きの人が多いみたいで、店舗の天井を埋め尽くすだけの日本酒ラベル。でもお酒が飲めない人が多いにかほチーム、一番人気はジャージー牛乳でした笑
ジャージー牛乳は、秋編でお邪魔した土田牧場のもので、生クリームのような濃厚さと新鮮な香りが癖になる。

画像13

マスターがちょっと強面で、話しかけづらいなぁと思ってたんだけど…
話してみるとめちゃくちゃ気さくな人で、料理からお話まで大満足でした。

画像14


二日目、翌朝は白滝旅館でご飯を頂いてから、前回そば打ち体験でお邪魔した横岡集落に。
ちょうど地域行事が多い週末だったみたいで、午前中は神社の鳥居にかかっているしめ縄を新しく作り直す作業に。

画像15

最初はさっぱり要領がわからなくて、見学させてもらっていただけだったんだけども、会話しているうちに少しずつ作業が気になってきて、それぞれ作業に混ぜてもらった。

しめ縄に使われてる稲穂は、もち米のものらしくて、うるち米の稲穂よりも背が高いから綺麗に長いしめ縄が作れる。でもそのままではストロー状で硬すぎるから、餅をつくための杵臼で潰していく。

画像16

潰して結いやすくした稲穂を回しながらしめていくんだけど、これがなかなか難しい。
おじいちゃん達は、笑い話しながらどんどん結っていくんだけど、手元を見て真似してもなかなか同じようには行かず、アドバイスしてもらいながら自分でも結ってみた。

画像17

よく見るものだけど、どうやって作られてるのか見たことがないものってまだまだたくさんあるんだなぁと気付かされた。関西の方でだってこうやって作ってる人はまだたくさんおるんやろな。


しめ縄が終わったあとは、集会所でご飯。前回そば打ち体験をしてくれた斎藤さんご夫妻のお母さんが、また季節の料理でもてなしてくれた。
前回漬物のレシピを教えてもらったりしたお母さんは僕らのことを覚えててくれて、なんだか正月に帰ってきたみたいな感覚が嬉しかった。

こっちも負けずに、本場のたこ焼きをごちそう。

画像18


お昼ごはんを頂いたあとは、1月の関係人口会議で発表する予定の写真を、その場でキャプションを添えながら発表。いろんな時間、体験を共有してもらったにかほの人に、関西から来た僕らがなにに驚かされて、なにに面白さを見出したのか、ずっとにここに住んでる人にも知ってほしかった。

画像19

画像20

僕らの感想を伝えて、それからお母さんたちといろいろ話して、しばらく時間経ったんだけどお腹の満腹感が引かないので、さっきお父さんたちが作ったしめ縄を見に近所の神社までお散歩。

画像21

画像22

そういえば、1日目に空港についたときもそうだった。日が出ている時間はそこまで寒くない。ダウンジャケットにマフラーまで持ってきて、やりすぎたかなぁと思ってた。でも15時にもなると少しずつ日が落ちてきて、まともに寒い。関西の寒さとはやっぱり違う。

お母さんたちとの交流も一段落して、夕飯までの間にすこし寄り道。
豊かな地形に恵まれたにかほ市。噴火によってなだれた土が点在する九十九島と、その後隆起した地面によって入り江全体が水面から顔を出した。

画像23

九十九島のうちのいくつかは登っても良いようになってて、中には小さなお社が祀ってあるものも。
基本的に背の低い草と松しか生えないから、小さな盆栽に登っているみたいで面白い。

画像24


道の駅でお土産を買ったあとは、前回もお会いした漁師さんに誘われてご飯に。
どんな会なのかいまいちわからないまま、誘われるままに参加したんだけど、たまたま東京から旅行に来てる人とか、にかほ出身の県議さん、にかほ市長さんもあつまってけっこうカオスな会に。
最終的には、秋田のご当地ヒーロー 超神ネイガーまで登場して、大盛りあがりに。

画像25

秋田弁かるた、ネイガー登場に、キックボクシング、カラオケと盛りだくさんの夜でした…


三日目の朝はちょっと早く起きて温泉に。
にかほ市温泉保養センターはまなす、源泉かけ流しの温泉で、なかなか珍しいしょっぱい系。
昔の海水が地中に潜って、いろんなミネラルを含んで湧き出てきてるらしい。湯船に浸からなくとも、浴室に入るだけで鼻の中が塩風味。
温泉を上がって、まだ朝焼けの中、ちょっとだけ潮風に当たってから、旅館で朝食。

画像26

画像27

飛行機までの時間は、振り返りの時間に。
今回、関係人口会議というプログラムで訪れたにかほ市だけど、今後どんなふうに付き合っていきたいか。どんな障壁があって、どんなきっかけがあれば関わりやすいのか、ワークショップ形式で頭の中の感覚を書き出しながら振り返りました。

画像28

画像29


なにかプロジェクトがあったほうが手伝いやすいかも、とか、仕事になればもっと来れる!とか、いろんな意見を出し合いながら、この先お互いがどうやって関われるのかを探ってみた。それぞれがそれぞれの理由で自由に行き来できるようになったらいいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?