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「憑依役者」の話

私は、役者は大きく分けて「二種類」いると考えています。

一つ目は、そもそもの「個人としての魅力」が高い役者。
二つ目は、「役を貰って初めて魅力の上がる」役者です。

前者は、簡単に書けば「クラスの人気者」タイプですね。
で、後者なんですが…これがいわゆる「憑依(ひょうい)役者」です。

例えば芸人なんかだと「志村けん」や「内村光良」のように「何かしらの『役柄』や『人格』」を自分に憑依させて芸をする芸人の事を「憑依芸人」と呼ぶのですが、要はそれの「役者版」って事ですね。

「憑依役者」は役を与えれば当然「ちゃんと」仕事をしてくれる(演技をしてくれる)のですが、逆に「何も与えない」場合は、普通の人以上に「普通の人」となってしまいます。

まぁ役者なので、仕事の際には必ず役はあるので特に問題はないのですが「プライベート」で話をする場合は結構「おとなしい人」が多いです。

私は特に「オーディション」をやって配役を決める演出家・プロデューサーではなく、基本的には自分の「感性」のみで「良いなぁ…」と思う役者を「一本釣り」して起用する場合が多いので、実はこの「プライベートな会話」も結構重要視しています。

プライベートを知るにはまず最初に「仲良くならねばならない」ので、ぶっちゃけ面倒と言えば面倒な作業なのですが、私の20年超の経験上「憑依役者」は時折普通の役者をも超える「爆発的な魅力」を発揮する場合が多く、また、こちらの指定した色に「ちゃんと(もしくはそれ以上)」に染まってくれる場合が多いので、それが当たった(意思疎通ができた)時には個人的に凄く「楽しい(嬉しい)」ので、ついつい憑依役者に目が行っちゃうんですよねぇ…。

もちろん「個人としての魅力が卓越している役者」も好きですし、現場によってはどちらも必要不可欠なのですが「憑依役者の魅力」はこれまた別かなぁ…って思います。

ホント役者って面白いですよね。
私はヘタなので多分もうやりません(笑)。
長い台詞ももう覚えられん。

あ、写真は全然関係ありません。私の好きな「ビアードパパ」です。

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