多数論証に依って立つ裁判官

当然の判決内容なのだが、4つ挙げている根拠の説明のいずれにも多数論証(下記太字)が使われているのが、情けない。

>▽子どもが生まれ、親子関係の問題が生じるのは極めてまれで解決も可能
>▽特例法の施行から19年がたち、これまで1万人以上の性別変更が認められた
>▽性同一性障害への理解が広がり、環境整備が行われている
>▽海外でも生殖機能がないことを性別変更の要件にしない国が増えている

多数論証に弱い日本人の国民性が垣間見えるようだが、「事実上、手術を受けなければ性別を変更できない」だけでも十分に人権侵害で違憲。「裁判官は世論が成熟するのを待つのが仕事」でもあるまい。

「性別は多種多様。オスメス・男女の2種類しかない」という時代遅れな単純二元論も、問題の背景にある。
真に必要なのは、高水準な生物学・医学・性教育と、多数論証に頼らない議論能力を培うディベートの授業なのかも知れない。

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