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カクテルへの興味が湧いてきた。ワインとは表現するものが違う気がする。

最近になってカクテルへの興味が湧いています。カクテルファンの方には申し訳ないのですが、これまではカクテルは何か堅苦しくてまどろっこしいイメージがありました。バーに座ってバーテンダーがカクテルを作っているのを待つのは何だか億劫な気がしていました。種類が多くて単純に何を注文すれば良いのか分からないというのもありました。

しかしここ最近考えが変わり、一転カクテルに興味が湧いてきました。単純に味のみではなく、作る過程をワインと比較して、それぞれが表現するものの違いが興味深いなと思いました。自分なりの考察をつらつらと書いていこうと思います。

ワインは「土地」や「ブドウ」を表現するものな気がする

ブドウからワインができる過程は原理的にはすごくシンプルで、極端な話、収穫したブドウを放っておけばブドウに付着した野生酵母が発酵を始め、ワインがひとりでに出来てしまいます。だからこそ、人が介入する機会が少なく、人間よりもブドウや畑の環境の個性が強調される飲み物なのではないかと思います。

これはいわゆる「ナチュラルワイン」により強くあてはまるもので、もちろん最近では栽培・醸造技術が発達して人間が自然環境に介入することも増えたと思います。例えば温暖湿潤な日本でも高品質なブドウ・ワインをつくるために品種改良や雨除け、薬剤散布などの工夫が行われ、人間が自然環境の弱点を克服しようとする動きが見られています。

が、高品質だとされるいわゆるブランドもののワイン (AOPやAOCワインなど)、「ボルドー」「シャンパーニュ」などにはその土地の地名が冠されています。
ワインの好みを聞かれると、ブドウの品種で答える人も多いと思います。造り手よりも土地やブドウの個性が表に出やすい飲み物なのではないかと思います。

ブドウ畑が造る美しい景観。
レチュフミ地方ズビ村

僕がお世話になっているアチャラ地方のKhimshiashvili Cellarの醸造家のヌグザリは、「ワインは人間が造るのではない。クヴェヴリが造るのだ。人間はその手助けをするだけだ」と言っており、ジョージアの伝統的なワイン造りにも、前述したような考えが表れています。

カクテルはバーテンダーという「造り手」の個性を表現するものだと思う

数日前にたまたまSNSでカクテルについての投稿を見たか、Googleマップで検索をしているとカクテルバーがヒットしたか、記憶があいまいなのですが、カクテルが目に止まってそこから興味がふつふつと湧いています。

ワインとは対照的で、カクテルはバーテンダーという人間の個性を反映するものだと思います。
様々な種類の飲み物の組み合わせやその配合、カクテルの飾り付け、バーの内観や客との会話など、バーテンダーによって千差万別だと思います。

僕はずっと自分を表現したいと思っており、noteもその一環で始めたのですが、カクテルも自分を表現するための手段としてはとても良いんじゃないかと感じました。

もちろん、様々なカクテルを造るための相当な知識が必要で、クリエイティビティも問われるし、修行は必須だと思います。その分、職人的な職業だとも言えるのではないかと思いました。

早速バトゥミのバーでカクテルを試す

知識が全くないのでまずは色々なカクテルを試してみようとのことで、バトゥミのバーでカクテルを飲んでみました。
バトゥミの旧市街と呼ばれるエリアは飲み屋が多く、カクテルバーも集まっています。
早い時間から空いているカクテルバーが、僕が知る限りでは1軒しかなく、夜遅くなる前にはブクナリの家に帰らないといけないので、今のところは同じバーで2,3種類だけ試しました。

バーカウンター
内装も個性的

オススメのカクテルを注文すると、見たことないオリジナルカクテルが出てきました。

シナモンの甘い香りが心地よく、味もスッキリして飲みやすかったのですが、飲み慣れていないためか1杯で心地よい酔いを感じました。カクテルは1杯で止めて置くのが良さそうです。

造る過程に興味があるので、どの飲料をどれくらいの配合でシェイクしたか、またそのチョイスをした理由が気になります。カクテルもまた奥深い世界だなと思いました。

お酒をただ味のみで楽しむのも面白いのですが、造る過程と表現されるものについて考えるとより面白い比較ができるなと感じるこの頃でした。



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酒見莞爾 Kanji Sakemi
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