【お絵描きのエッセイ】絵描きは自分の絵のお母さんなのか?
先日、自分の絵に自信があるかないかの議論となり、そこで「絵描きは自分の絵からしてみればお母さんだから愛を注げ」という発言を見かけました。
それについて思うことあって、書いてみます。
まず私は、自分の絵を自分の子供だとは思っていません。
生み出している事にかわりはないが、絵は人間ではないと思うからです。
当然ですが、意識や感覚を持っていない物です。
デジタルならデータ、アナログなら紙。
感情など持っていないし、意思もない。
たとえ後から価値がついたとしても、絵は完成させた時点から成長はしません。
もし勝手に成長したら、それはリメイクや添削であると思います。
それは完成品とは全くの別物だと私は考えてます。
人間とは全く別の、生き物ですらない物です。
あとはやっぱり産んでない。
これに尽きます。
自分にとっての絵は、農家さんで言う収穫物だと思っています。
私=農家で、木=手で、絵=収穫物です。
色んな品種改良(絵師さんの絵を見て学習)を重ねて、それを自分の育てる木(手)に反映させる。
時には肥料(推し)を与えてみたり、時には水を減らして甘くなるか(情報量を操作して視線誘導がうまく行くか)試してみたりするわけです。
その結果、木になった果実(絵)が出荷できるか(SNSに載せられるものか)のチェックを自分で行い、無事に出荷(納品や掲載)に至るイメージです。
果実は出荷後に傷んだりしてしまいますが、おおよそこのイメージがぴったり来ると思ってます。
十月十日栄養を与えて、お腹を痛めて産んではいないです。
ここで不思議に思いました。
お母さんだと思って絵を描く人と、私のように収穫物だと思ってる人の差はなんだろうか?と。
どちらも絵を描く行為に変わりはないのに。
自分なりに考えたことは
自分の絵を我が子のように愛し、愛情を注いで育てるタイプと、
人扱いせず冷静に分析、学習、改善していくタイプ、
に分かれるのではないか?
前者の愛を注いで育てるタイプは、自分をお母さんだと思って描いています。
可愛がれば可愛がるほど絵が成長し、上手くなる。
成長のモチベーションも褒められるにあって、自分の絵に自信を持っています。
とにかく自分の絵はすごい!と思う人。
このタイプは私調べではポジティブで自己肯定感が高いです。
後者の冷静に改善していくタイプは、自分の絵を我が子だと思いません。
悪い所、良い所をひたすら研究し、改善に努める研究家やプロデューサータイプ。
私はこっちですね。
絵との向き合い方もストイックで、ひたすら違和感を潰したり、ダメな所を勉強などで補おうとします。
基本的に自分の絵に自信がなく、常にこれでいいのかと疑うことが成長に繋がるタイプ。
このタイプは、自分に満足したらそこで成長が止まります。
一生をかけて、自分が良いと思えるものをひたすら求めるタイプです。
良いものをいつか描きたい!と思うことがモチベーションになります。
私調べでは、ネガティブで自己肯定感は低めです。
ここで私は思います。
どっちが正解かはないんじゃないか、と。
それぞれがそれぞれの方法で、より良いものを目指している。
それに良し悪しはありません。
自分に合う方法を探せばいいんです。
ただ、考え方が違うだけです。
だから、片方が片方に価値観を押し付け合わなければそれが一番だと思ってます。
あなたのやり方はあなたのやり方で合っている。
他人に押し付けられるものじゃない。
これを読んだ方は自分をどっちだと思いました?
※あくまで私調べなので、これ以外の方も当然いらっしゃいます
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