オリエンテーション

初めまして。患者大学医学部の第0講へ来てくださり、誠にありがとうございます

ここでは、この大学の活動方針や、全ての講義の前に読んで頂きたいオリエンテーションをしていきます。頑張っていきましょう

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アドミッションポリシー


どの大学にも存在するアドミッションポリシー。これはどのような人に大学の講義を受けて欲しいかを明文化するものです。患者大学医学部では以下のように定めたいと思います。

1.自分自身の医療情報リテラシーの程度を認識し、高めることを約束する人

2.他者に責任を依存することなく、自ら主体的に学ぶ人

3.常に正しくあろうとし、その正しさを他人にも伝染させることが出来る人

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大学概要

ここまで読んでくださった方は、かなり少ないとは思いますが、ここから基本的な方針を少し書いていきます。

まずは、ここの講義は一個人が書いたものであり、公的な承認などは一切受けていないものであることを確認してください。この認識は、今後共に学んでいく上で最も重要なことになります。

この患者大学医学部は、医学部に入学した後にその情報リテラシーの格差を痛感した筆者が、状況を打破する一手として打ち出したものです。そのため、各疾患の情報などに先んじて、情報リテラシーに関わる部分や、基礎医学的な部分、公衆衛生や倫理に関するものまで、幅広く扱っていきます。

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そしてこれらのステップを乗り越えた後に、疾患の各論について学んでいけたらと考えております。長く地道なステップですが、これを乗り越えることがステータスの一部になると信じてやみません。

繰り返しになりますが、本学で伝えることは医学的な知識というよりは、インターネット上の知識の運用方法です。私は上手く運用出来ていると思った方にこそ、読んで頂きたい。そんな方が実は一番危険であることを認識して欲しいと思っております。

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オリエンテーション(エビデンスとは)


よく耳にするエビデンスという言葉。ご存知の方も多いと思いますが、その通り。証拠のことであります。

つまり、情報があった際にそれがどれくらい信用に足るものかを判断する材料となります。

医学の世界では(他業界については存じ上げません)、推奨度というものとエビデンスレベルというものの2つを軸にして考えられています。

このことについて学ぶことが出来れば、オリエンテーションとしては十分の価値があるのではと思います。


推奨度


こちらは単純です。読んだまんまの、おすすめ度合いといった意味となります。

たとえば、ある薬💊があったときに、それを使うことをどれくらい勧めるか、絶対に使った方がいいのか、効果は乏しいけど使うなとまでは言えないのか、悪影響が大きいから使わない方がいいのか、などを示しています。

イメージでは、食べログなどのサイトの点数に一致するものとなります。

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エビデンスレベル


こちらは少し難しい概念になります。先程申し上げたように、この情報がどれだけ信頼に値するのかを示したものです。

たとえばある薬が💊あったときに、大規模な検査の結果効果が認められているのか、小規模な検査で認められているのか、専門家の意見なのか、などを示しています。

食べログでいくならば、評価者の人数になります。1000人行って星4.8のお店と、2人で星5では価値が違うことは歴然ですね。


実際の運用


実はこの推奨度とエビデンスレベルは、確実に一つとして定まった運用方法がありません。

ここでは一例として、診療ガイドライン作成の手引きで採用されているものを紹介します。

エビデンスレベル

1 システマティック・レビュー

2 1つ以上のランダム化比較試験

3 非ランダム化比較試験

4 分析疫学的研究

5 専門家の意見

6 症例報告


推奨度

A 行うよう強く勧められる

B 行うよう勧められる

C 行うことを考慮してもよいが、十分な科学的根拠がない

D 行わないよう勧められる


以上のようになっています。

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用語解説


少し難しい言葉があったので、補足です。


システマティック・レビュー

文献をくまなく調査して、出版元などの差を限りなく取り除いた分析を行うこと

ランダム化比較試験

治療をする群と、しない群を分ける際に、完全に無作為に分けることによって、その効果を検討する方法

疫学

集団における疾患の状態など(つまり男性の方が女性の何倍多いなど)を、分析検討する学問


実は…


聡明な方であればお気づきかと思いますが、先程のエビデンスレベルは誤った記述になっています。

このことにどれだけの方が気づいたでしょうか?頭の中では、このnoteは個人が作成したもので、信頼に足らないものだとわかっているはずなのに、エビデンスレベルについて調べた方がどのくらいいたでしょうか?

このような性格の悪いことをしてしまって、大変心苦しいのですが、私のように悪意がなくても、つまり、善意からの情報でも、このような間違いは起こってしまいます。特に医療は進歩が早く、10年前の常識が、現在の非常識なんてことはよくあります。

まずは正しいものを添付いたします。

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一時的ではありますが、誤った情報をお伝えしてしまい誠に申し訳ございません。

まとめ

今回伝えたいことは、もちろん推奨度とエビデンスレベルについての理解があります。しかし、それ以上に私のnoteは、エビデンスレベルでいくと、6にも満たないものであることを認識して頂きたいです。さらに言えば、SNSやテレビの情報も同様です。

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現代はインターネットというツールがあります。その中で、一個人の意見に傾くのではなく、しっかりとした情報かどうかを自らの手で確認して、判断し、運用して欲しいと思います。

これからこの講義を受けてくださった皆様が、正しく情報を運用できることを心より願っております。

拙い文章を最後まで読んで頂きまして、誠にありがとうございました。




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