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【推しの子】妄想 マルチエンディングでの最終話を考えてみた

推しの子のラストはゲームのバッドエンドっぽい

わかります
どこかで選択肢を間違えたようなラスト
多くの伏線が未消化で物語が完成していない感じ
マルチエンディングがあるゲームのバッドエンドっぽい

個人的にはバッドエンドよりは若干マイルドな終了なので、
あかねやルビーがカミキに殺されちゃうエンドがバッドエンド
漫画のエンドはバッドエンドを回避しているけどヒロインを誰も選ばなかったノーマルエンド
仮に名前をつけるなら、「アクアエンド」だと思うんですよ

んじゃまあ個別キャラエンドと、真のトゥルーエンドを妄想してみようじゃないですか


有馬かなエンド

このルートに入る条件としては、「アンタの推しの子になってやる」に対するアクアの期待、未練
ルビーが解説したように「推し」がいるだけで生きていける
有馬かながアクアの「推しの子」になったら、必然的にアクアは生きることになるわけですね

アクアは自分の役割としてカミキを殺そうとしている
そんな中で、カミキとの決着を少しだけ先送りしたルートが有馬かなエンド
ほんの少しだけ、「有馬のラストライブをみたい」とアクアが思った場合のif

アクアはカミキを殺す決意はしますが、いますぐルビーが襲われるわけではない
カミキは教唆犯であって、本人が直接襲わない
ニノという手駒を失ったからにはすぐにルビーへの脅威はない
そんなわけで、アクアは死ぬ前にかなちゃんのラストライブを見ようと思ってしまった場合のルートになります

カミキと対決途中で、有馬への未練があらわれて決断出来なかったアクア
とりあえずの休戦状態としてアクアは失意の中、逃げるようにライブステージに向かう
関係者席から入るアクア
最後の最後、有馬の引退挨拶の直前に間に合った
ステージを見上げるアクア
即座に有馬と目が合う

有馬かなはアクアを見つける
いままでいなかったことに驚き
遅れてきたことに怒り
来てくれたことに安堵し
満面の笑みをうかべる

有馬の引退の挨拶
「みんなありがとうー
 これで私は引退します
 どうして引退するのか説明してませんでしたね
 私アイドル失格になってしまったからです」
ザワつく客席

「実は好きな人ができてしまいました
 アイドル失格です だから引退します
 そいつは昔からイヤなやつでした
 私より演技の才能があって、それでいて演技に向き合わなかった奴
 なにもかも知ってる顔をして私を振り回す
 勝手に私を助けて、それを当たり前と思っているような奴
 いけ好かない そんな奴でした
 でも、それでも、憎たらしいアイツが私の心のなかで大きくなってしまって
 アイドルとしてみんなを見るべきわたしが、
 いつのまにかアイツだけに見ていることに気づきました
 ごめんなさい 私はアイドル失格です
 けじめとして、私はいまここで原因のアイツに告白しようと思います」

「星野アクア!
 私は アンタが好きだー!
 アンタの、アンタの推しの子になってやる!
 以上、アイドル有馬かなは引退しまーす」

ライブから数日後
「くっそ炎上したわね」
「そりゃそうでしょ」
「アクアに殺害予告でてるぞ」
アイドルの引退ライブで、引退するアイドルが告白する
有馬推しだったファンの阿鼻叫喚
やってはいけないこと、あってはならないことを当たり前のようにやってやった有馬かな

世間は大騒ぎとなり、当たり前のように炎上する
アクアはなにもコメントしていない
しかし、アイドルをたぶらかした男としてファンから殺害予告が出るほどになった
B小町は大きな騒動となりしばらく活動休業
カミキが暗躍できる状況ではなくなった
少しの平穏な日々
いつまで続くかわからない
アクアが有馬に答えるのかわからない
なにも問題が解決していない日々
それでも日々は過ぎていく

有馬の個人的な暴走でアクアはカミキとの心中をする機会を失った
ルビーを守るために他の手段を取るという選択肢が生まれた
アクアは有馬の心を受け入れるのか?
カミキの魔の手からルビーを守れるのか?
どうなるかはわからない
それでも、能天気な有馬を見ていると、なにかいい方法があるのかもしれないと思えるアクア

〜fin〜

有馬かなのラストライブを見れなかった未練と、
いつまでたってもアクアに告白のできないかなちゃん情けなさと、
最終的に自分本位で他人の気持ちを無視したトンデモ行為をやっちゃう有馬かならしいエンド
このままじゃルビーがカミキに襲われるのは変わらないわけだけど、そのへんを考えさせない有馬かなによる自分本位すぎるエンド

星野ルビーエンド

カミキとの対決
「僕を殺した後、君は妹を一人残すつもりなのかい?
 アイを失ったとき絶望したよね
 更に今、君を失った妹は絶望せずに生きていけるのかい?」
カミキの話術に負けて、何も出来ずに帰るアクア
アクアは誰よりも、ルビーの事を思うがあまりに、自分がいなく無った後のルビーを想い、復讐の刃は止まる
止まってしまう

B小町ライブが終わったあと、ルビーのもとに行くアクア
「ルビー…ごめん
 俺、出来なかった
 ルビーのためならやるべきだったのに、できなかった ごめん」
 なにを謝られているのかわからないルビー
それでも笑みを浮かべ、アクアを抱きしめる
「ううん大丈夫 せんせはわたしのために全力をてくれているのは私が一番わかってる」
「悲しまなくていい、後悔しなくていい
 私はせんせがいるだけで幸せなんだから」

涙が止まるアクア
「でも、いや、ダメなんだ
 このままルビーがアイドルを続けていたら、アイツは必ずルビーを襲う
 そんなこと…そうなってしまったら、俺は耐えられない」
アクアの言葉を聞いて、ちょっと考えた顔を見せ、すぐに答えを出したルビー
「カミキさんはママに重なる「アイドルの私」を消したいわけだよね?
 なら、私がアイドルを辞めたら問題ないよね?」

引退宣言
有馬が辞めたあと、実質的に不動のセンターとなったるルビーがアイドルを辞める
 何をいっているのかわからないアクア
 そんな呆然としたアクアに対して、ルビーは続ける

「私はせんせが生きていてくれたらそれでいい
 アイドルになりたかったのも、生きる希望が欲しかったから、せんせに見てもらいたかったから
 それがかなった今
 いつでもアイドルを辞めることができる
 逃げよう二人で 誰も知らない場所へ
 私はせんせと恋人として生きられるなら、アイドルも妹としてのルビーという存在も全て捨てることができる
 せんせ 愛しています
 結婚してください
 さりなとの約束、守ってください」

アクアとルビーの逃亡エンド
ルビーはアイドルを引退し海外に移住
もしかしたら逃亡先にもカミキの魔の手が襲ってくるかもしれない
もしそうなったとしても、最後まで一緒にいると誓うアクア
さりなちゃんの一番そばで、さりなちゃんにまっすぐ向き合い、ゴローとして生きる決意
ゴロさりエンド

二人を陰ながら守るのはツクヨミ
ツクヨミは新興宗教の教祖の娘として転生していた
新興宗教は海外にも支部がありその権力を使って二人の幸せを守る
二人の幸せを見守りながら満足そうな笑みを浮かべるツクヨミ
「ほら言ったろ 君は復讐に向いてる性格じゃないんだ
 君は大切な人を幸せにするほうがお似合いだよ」

いつしか二人に子供が生まれる
子供の名前は愛
星野愛

〜fin〜
禁じられた近親相姦エンド
まあ中身は別人だしー
ギリギリセーフってことで
遺伝的疾患とかそんな話になると重くなるからそこはご都合主義で

黒川あかねエンド

完全犯罪ルート
「日本の失踪者って何人いるか知ってますか?
 年間9万人です
 カミキさん
 あなた1人が増えても、なにも変わりませんよね?
 殺人事件ってどうして発覚するかわかりますか?
 証拠がある?動機がある?
 いえそんなことじゃない
 遺体があるからです
 遺体がなければ、そもそも殺人事件として認識もされないんですよ
 さようならカミキさん あなたのことは今日で忘れます」
カミキを消した二人
アクアの共犯者となったあかね

「アクアくん
 もうこれでこのことは忘れるんだよ
 罪の意識も持っちゃダメ
 完全に忘れるの
 これから一生、誰にも、ほんの少しも悟られることなく嘘をつき続ける
 私とも今日のことを話題にせず、自分さえ騙して、完全に今後の人生を演じきる
 私達は
 一生役者として生きるんだよ」

あかねと共に堕ちるエンド
一生嘘の瞳を持ち、完璧な役者として生きていくアクア
罪を背負うことすらしない
罪を背負わないで生きる
親しい人すら騙して、闇落ちすら許さないエンド
あかねと恋人となるかもしれないし、ならないかもしれない
それでも永遠に消えない見えない傷を共有する二人

〜fin〜
あかねの場合はくっつかなくてもOKというか、もうくっついてるようにも思える
結婚するとか付き合うとか言う次元を超えたつながり
あかねはアクアと絶対に離れられない絆さえできたら、何年も会わなくても心が通っているような存在になると思う
それでもいつか「アクアくんの子供がほしい」とか言ってきて、さくっと結ばれるような気もする

トゥルーエンド

トゥルーエンドの条件
・アクアが死なない
・カミキが今後犯罪を侵さない

アクアはカミキを殺す決意をもった
それは変えられないとする
ならば誰かがアクアを止めなくてはならない
一番止めてくれるはずのあかねは、アクアが全力で騙した
となると、誰がいるか?

「やめろアクア」
アクアがカミキにナイフを向けたとき、それを止める男があらわれた
姫川大輝

「カミキヒカルさん はじめまして
 いや、お久しぶりです姫川大輝です」
カミキが姫川さんから目を逸らす
なにか…変だ

「…僕はキミに会ったことなんか無いよ」
「いえ会ってますよララライのワークショップにはボクも連れて行かれてましたから
 母が、姫川愛梨がお世話になりました」
カミキが何かに怯えたような顔をして姫川さんの顔をみるとこができない
こんなカミキは初めてみる

「似てますか?母に」
「…」
「ワークショップに来てたヒカルくん
 母が親しげに話していたのを覚えています
 そして、ボクに目線をあわせてこないことも子供心に感じていました」
「し、知らない僕は何も知らない」
なにかに怯えるように、カミキは逃げるように去っていった

「姫川さん…」
「心配すんなルビーは俺達が守る
 俺はお前たちのお兄ちゃんだぞ?頼れ」
「姫川さん… 俺達?」
「俺もいるぜアクア」
「メルト、お前はどうして?」
「姫川さんが慌ててたからついてきたんだ
 アクア水くせーな
 お前なんでも一人で抱えようとするなよ」
「俺は独りでやらなきゃダメだったんだ…」
「独りにさせねーよ」
「!」
「お前と出会って俺は変われたんだ 
 そんなお前が逃げてんじゃねーぞ
 お前は俺が超えるんだ
 それまで役者続ける義務がある
 勝手に独りとか言ってんじゃねーよ
 お前は俺の、大事な友達だ!」
「友達…」

アクアたちは姫川大輝の車で一緒に帰る
姫川大輝が語りだす
「アクア
 お前はアイを救えなかった事を罪だと思ってるだろ
 だからこんな馬鹿なマネをしようとしたんだろ」
「…」
「俺がなんで生きていると思う?」
唐突な質問
何を言っているかわからないアクア

「俺もお前と同じだ
 母親が殺されたとき、その場所にいたんだ」
「!」
「父親、上原清十郎は俺を可愛がっていた
 役者の才能があるってよく言っていいた
 俺ができなかったことをコイツがやってくれると言って俺に笑顔を見せていた」
「あの日、上原清十郎が逆上して帰ってきたとき、母は危険を察して俺をかばった
 上原清十郎は俺を殺そうとして、どけろと叫んでいた
 わけがわからなかった
 優しかった父の豹変と、それを理解しているような母
 母は俺を命がけでかばった
 俺のいる部屋のドアを塞ぐようにして母は刺された
 母は最後まで俺の名前を呼んでいた
 上原清十郎は「そこまでソイツが大事なのか」とつぶやいて自ら命を絶った
 俺は、母に命を救われたんだ」
「…」
「父親は、上原清十郎は俺には優しかった
 それがあの日急に人が変わったようになった
 どうしてああなってしまったのか、ずっと知りたかった
 あの時なにもできなかった自分をずっと呪っていた
 アクア
 お前が真実を教えてくれて、俺はよかったと思っているよ」
「姫川さん…」
「そして一つ疑問が生まれた
 どうしてカミキは俺を殺さないのか
 俺はカミキにとって重荷となる存在のはずだ
 それなのにいままでカミキは俺を殺そうとしなかった
 なぜだ?
 それは今回直接あってわかったよ
 アイツは、カミキは臆病者なんだ」
「カミキが…臆病者…」
「そうだアイツは怪物なんかじゃない
 ただの臆病者だ
 アクア、お前はあんなやつに負けるんじゃない」

それから
ニノが片寄ゆら殺害を自供した
元アイドルの犯罪に世間は大きな騒ぎになった
連鎖的に他の殺人事件も明らかになる
カミキも事情聴取された
しかし嫌疑不十分となった

そんな中
映画「15年の嘘」が公開される
ニノとアイ殺人犯がつながっていたことが世間に知られ、カミキに注目が集まる
カミキが全ての黒幕という噂がネットで広まる
カミキはネット民によって監視され、行動しにくくなる

そして
B小町の東京ドームライブ
カミキにライブの招待状が届く

東京ドーム
ルビーの圧倒的なパフォーマンス
ファンは熱狂する
アイを思わせるパフォーマンス
いやアイをも超えたパフォーマンス

それでもカミキには響かない
カミキが惹かれたのはアイドルとしてのアイではない
嘘を演じて生きる存在
自分と同じ存在であるアイに惹かれた
カミキはアイに自分を重ねていた
世界に二人だけの存在としてアイを特別視していた

ライブ終了後
カミキはルビーの楽屋に招かれる
「素晴らしいパフォーマンスだったよ
 まさに輝いていた
 以前「ママを超えるアイドルになる」と言った君の言葉は本当になった
 最高に価値ある命だ」
ダメだこいつ
アクアは想う
あのパフォーマンスを見てもカミキの心は変えられなかった
ルビーを狙うことは諦めないだろう
やはり、もう殺すしかないのか
思い詰めるアクア

「ありがとうカミキさん
 今日カミキさんにきてもらったのは、
 ママが私に残した伝言・・を伝えるためです」
「伝言?」
「ママは私達二人に、それぞれビデオレターを遺してくれました
 お兄ちゃんのビデオレターは見てもらったと思うけど、私には別のメッセージが残されてました」

アイのビデオレターが再生される
映像のアイが話し出す
「きっとルビーは私がどうしてアイドルなのに子供を作ったのか気になっているよね
 実は彼に、襲われちゃったんだ
 彼とは同じ嘘吐き同士として仲間意識を持っていた
 まるで私の半身のように思って、生活を共にしてきた
 油断してたんだろうね
 昼寝していた私に、彼は急に覆いかぶさってきた
 ルビーも油断しちゃダメだよ!
 男の子はオオカミなんだからね!」

「抵抗しようと思ったんだけど、あの時の彼の顔
 泣きそうな顔をして「愛してる愛してる」と呪文のように繰り返す彼をみてたら
 はねのけることが出来なくて、つい身を任せちゃった
 あっ!そのことは後悔してないよ
 ルビーとアクア
 可愛い子供が生まれて一緒に過ごせてホントによかった」

「ただ、ずっと考えていた
 愛ってなんだろう?って
 彼は愛してるって言う
 ファンのみんなも愛してるって言ってる
 けど、私にはよくわからない
 私はアイドルという嘘でしか愛を返せない
 だから彼の愛しているという言葉がなにか違うように思えたけどそれを否定することもできなかった
 結局「私は君を愛せない」と言って別れたんだ」

「もしね
 もし、私が彼に伝えることができなかったら
 ルビーが代わりに彼に伝えてほしいんだ
 私が、彼を愛していたのかどうかを
 彼を救ってあげてほしいんだ」

ビデオレターが終わった
ルビーが語りだす
「ママはね
 最後に私とアクアに「愛してる」と伝えてくれた
 「この言葉は絶対 嘘じゃない」
 ママは最後に真実の愛を知った
 だからこそわかるよ
 ママの、アイの伝言を伝えるね」
「…やめろ」
カミキが目を見開きながら呟く

「ヒカルくん
 君の愛は愛じゃない
 私は君を愛していなかった
 君も私を愛していなかった
 私達の間にあったのは、ただ寂しい子供が傷を舐めあっていただけ
 嘘の愛だよ」
「やめろーーー!!!」
カミキが絶叫した
頭を抱えながらカミキが叫ぶ
ルビーの言葉に、アイの真実を見たカミキ

「さようならヒカルくん
 私は君を愛せない」
「あーーーー!!!」
カミキが叫ぶ
まるで子供のように泣き叫ぶ

「いこうアクア
 もう終わったよ」
アイ?
ルビーの姿がアイに重なる
まるでアイが乗り移ったように思えたアクア
カミキひとり残して部屋を出る
部屋からはずっと子供の叫び声が聞こえていた

翌日
カミキは自首した
数々の事件で「犯人しか知り得ない情報」を話す
教唆犯カミキヒカルは、多数の殺人事件の「共犯者」となった
カミキは死刑囚となった

アクアは役者の道を選んだ
人を救えるのは医術だけじゃない
演技によっても人を救えることを知ったアクアは、役者として生きる選択をした

インタビューを受けるアクア
「アクアさんの演技によって幸せになったというファンの声が多数よせられています
 アクアさんにとって、演技とはなんでしょうか?」
「僕は自分の演技で人を幸せにしようなんて思ってない
 僕は僕の為に演じるし そこに何を感じるかは皆の自由だけど
 僕は誰も愛さないし 誰かに愛されてもそこに何かを返す事はない
 それでも良いって人だけ好きになってくれたら良い
 どう受け取ってもらっても良い
 演じることは 僕にとっての復讐だから」

インタビューを受けているアクアの後ろに3人の女性がいる
「「演じる事は僕にとっての復讐だから!」キリッ!だってさー
 殺人者の息子って肩書になってるからね
 ウケるとわかって闇抱えてますってキャラ付けしてる
 相変わらず計算高いよね」
「「それでも良いって人だけ好きになってくれたらよい」はーい好きでーす
 お兄ちゃんのこと全肯定します」
「かなちゃんとルビーちゃんなら一緒でもいいよ
 四人で一緒に暮らしたらダメかな?」

好き勝手な言葉が聞こえてくる
ポーカーフェイスがくずれ、少し赤面するアクア

エピローグ
カミキの審判の日
13階段を登るカミキ

アイの幻が現れる
笑顔のアイ
「愛してるよヒカル」

寂しそうに笑うカミキ
「君はやっぱり嘘つきだな」

嬉しそうに笑うアイ

嘘はとびきりの愛なんだよ

ー完ー

あとがき

カミキと姫川大輝の対面は必須イベントだと思う
カミキはなぜ直接犯罪をせずに教唆犯となったか?
ただ単に捕まらないだけじゃないはず
きっかけとなった事件があるはず
それは、上原清十郎を操って姫川愛梨を殺したこと
その経験によって「他人を操り殺人する」存在になった
他人を操ることで「命の軽さ」を実感する
姫川愛梨に与えられた「命の重み」から逃れるために「命が重い」存在を消すことで、他人の命を軽くみようとするカミキ
それはつまり、なにもしないと自分の命に価値が無いことを知っているからだ
そこから目をそらすために犯行を重ねているカミキ

トゥルーエンドの条件
姫川大輝との好感度をあげること
ずっと女の子しか絡んでこなかったことがアクアの失敗
海へ遊びにいくイベントで姫川大輝が事故らないことがトゥルーエンドルートへの分岐
車を維持できるためにアクアvsカミキ戦の場に行くことができるのだ
アクアの居場所がわかったのは、あかねがアクアのスマホのGPSを監視していたから
映画編でアクアと一緒にいる機会が増えたことからこっそりとスマホを操作
横目で見ていた指の動きとアクアの心理を読んでパスワードなんて簡単に破るぜ
「これでおあいこだね」
やられたらやり返すあかねのスタイル

カミキを倒すのはアクアだけではダメ
ダブル主人公なんだからルビーの力も使わなきゃダメだよね
15年の嘘でアイの心を理解することによって、アクアが理解できなかったアイの愛への渇望を理解する
ゴローは幼い頃に母親を失っている
愛していてほしいと、そこに愛があったはずだと願ったアクア
さりなは死の間際に母親から捨てられた
愛していてほしかったが、愛とはそんな綺麗事じゃないと知っているルビー
二人が出したアイの愛の解釈違い
求めていて、手に入れたと思わせて、やはり手に入らない
二人がいたからこそ届けられたアイからの伝言
カミキを怪物から人に戻す救済の結末

姫川愛梨の名前を読み変えると「あいなし」
愛梨から与えられた愛は無し
嘘の愛であることの示唆
性加害を行う相手は行為の際に「愛してる」と言うと聞いたことがある
今後、本当に好きな相手が出来たとき、好きな相手に「愛してる」と伝えられたときに性加害をした相手のことが思い浮かぶようにする呪い
姫川愛梨が受けた虐待をカミキヒカルが継いでしまったカミキヒカルが持ってしまった「嘘の愛」
それを否定しないとカミキの心は折れない

教唆犯は証拠が無い
客観的な証拠では罪を証明できない
教唆犯をとめるには、殺人をする動機を理解し、その動機を無くす必要がある

カミキがどういう存在なのか考える
カミキは姫川愛梨から性的虐待を受けていた
嫌なことをされて、抵抗するともっと嫌な目にあう
それならば相手が望む自分を演じていたらいい
相手は優しくしてくれる
世の中はそう出来ている
そうやって「嘘」の中で生きていたらいい
そう思っていた
そこにアイと出会う
アイはカミキの「嘘」を即座に見破った
アイは他の人間の違う
自分と同類、特別な存在
アイは価値ある存在
だからその同類である自分も価値があるはずだと思った
だが実際心にある想いは違う
自分は無価値だとカミキは理解している
だからこそアイから愛されている、価値あるアイに必要とされていることに執着し、子供を作って離れられないようにした
カミキは限界だった
だからアイはカミキと別れた

なぜカミキはアイを殺したか?
アイから拒絶されるのが怖かったからだろう
決定的にアイと距離をとられる
アイと自分は別の存在だとわからせられる
自分が無価値であることを理解する
それが怖かったからアイを殺した

なぜカミキは殺人鬼、教唆犯になったか?
カミキは自分の価値に自信がない
過去にアイという特別な存在と同類だったという過去にすがっているが、考えるほどに自分とアイは違うのではないかと怯えるようになる
アイが自分を拒否した、拒否しようとしたと思ってしまう
カミキは嘘によって他人を操ることができる
自分に自信のある輝く存在を葬り去ることで、そういった「価値ある命」を消費して生きることで、自分が価値ある存在だと錯覚しようとしていた
アイという手に入らない存在の代わりに、誰かの命を消費することで自分に価値があると思い込む
カミキは「嘘」によって他人を操る教唆犯
カミキの嘘を誰も見破れない
やはり誰もがアイとは違う
アイはやはり特別なのだと思うために、カミキは嘘で他人を操り、価値ある命を殺し続ける

アクアのビデオレターを見て
カミキはアイから愛されているというメッセージを受け取った
それによって殺人は止まるか?
止まらなかった
アイから認められた
だから自分がやってきたことは正しいと思うカミキ
過去の罪を正当化する根拠になった
カミキとアイだけが特別
だから他の人はその他の存在は今後も殺していいと考えるカミキ
カミキはもう手遅れだった

カミキを止めるにはどうしたらいいか?
アイの拒絶しかない
アイから愛されていると伝えられてもカミキは止まらなかった
ならば、カミキをとめるためにはアイからの拒絶しかない
カミキの愛は偽物だという言葉
それはカミキが感じていた真理
アイから言われてしまったら、自分が無価値と理解してしまうことがわかっていた
この言葉を恐れて、カミキはアイを殺した
アイから拒絶されたカミキは、もう自分が価値ある存在だと思えない
アイと並べる存在だと思えなくなる
殺人に意味がなくなり、これ以上生きる意味を失うことになる
カミキはルビーのなかにアイを見た
アイの言葉だと感じてしまった
ゆえに自首する

実際アイはカミキを愛していたのか?
それはわからない
ただ傷を舐め合うだけの同情ではあるが、
その根底は愛といえるものだったのかもしれない
もしかしたら、カミキ、アイ、アクア、ルビーの四人家族で暮らしていき、その中で本当の愛に気づけたかもしれないし、生まれたかもしれない

しかし、カミキはその愛のある未来を自らの手で消した
アイを殺したことで、愛されるという未来を消した
ゆえにカミキは愛される資格がない
アイがビデオレターを残した時点では、そこに希望があった
アイからのラブレター
それを受け取ることなくカミキは拒絶した
だからカミキは愛されることはない

アクアがアイを助けることができなかったことで、自分の命を捨ててしまおうと思ったように
カミキもまた、アイを殺してしまったことで、いつか殺されることを望んでいたのかもしれない
カミキもまた、アクアと同じように自分を罰してほしかったのかもしれない

アイがビデオレターを残したのは、自分が殺されることを想像していたのだろう
アイはカミキの嘘を見破ったことで、結果的にカミキが壊れることになった
カミキの嘘を見破ることをしなかったら、カミキはアイに依存することなく嘘の仮面を被ったまま普通に溶けこんで生きていけたはず
カミキの仮面を壊してしまったのはアイの責任
アイはカミキに限界がきていることを知った
限界の先になにがあるかを考えるアイ
アイだけに依存したカミキ
アイからの決定的な拒絶を感じたら、カミキはアイを許さないだろう
だからこそ遺言のようなビデオレターを残し、本物のアイを見ようとしたカントクに渡して、その後カミキに連絡した

アイはカミキに伝えたいことがあった
アイはカミキを救おうとして待っていた
アイはカミキの全てを受け入れる気で待っていた
アイは誰かを愛したかった
アイは愛してると言える相手を待っていた

あの日、ドアの前にいたのがリョースケではなくカミキだったら、別の未来があったかもしれない


アイではじまり、アイで終わる物語

【推しの子】完


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