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コンタクトにしない理由と帽子をかぶる理由

私は365日帽子を被っている。

コンタクトにしない理由と何が関係しているのかって?

帽子をかぶる理由と、メガネがない自分を受け入れがたい理由に共通点があるのではないかと気付いたのだ。


私は、帽子好きである。

キャップ
ワークキャップ
キャスケット
バケットハット
カンカン帽
中折れ帽
ニット帽
エトセトラエトセトラ

あげたらキリがないが、誇張でもなんでもなく、365日帽子を被っている。

出勤する時も、散歩の時も、家族と出かける時も、友人と出かける時も被っている。

スーツを着れば無論被らないが、幸いにも出勤にスーツを求められる職場ではない。

【私の帽子のルーツ】

私の帽子のルーツは決して前向きではなかった。

数年前、大学院浪人の面を被ったニートだった私は、外を出歩くのが怖かった。

人の目が怖かった。

いい歳の若者がぶらぶらとしていると非難されたくなかった。

しかし、現状を変えようという気力はなかった。

そして、帽子を被り始めた。

可愛げもない、ただのワークキャップ。

目深に被り、視界を狭める。

帽子を被れば、誰にも見られずに歩けるような気がした。

その習慣は、小さな会社になんとか就職した後も続いた。

なんとも肌の合わない会社だった。

世間知らずの私には良い薬だったかもしれないが、今となってはわからない。

帽子を目深に被り、マスクをして、その下で泣きながら電車に乗り、通勤した。

ちょうどコロナがニュースになり始めた冬だった。

そして、私は会社を辞めた。

私は、再びニートになり、帽子を被る。


私は、帽子に安心する。

守られている気がするのだ。

誰からも興味を持たれず、非難されず、透明人間のようになれる気がする。


アルバイトから再出発し、それなりに仕事をするようになると、お財布に余裕がでてきた。

そうだ。帽子を買おう。

キャップから、キャスケットに変えた。

キャスケットから、バケットハットに。

カンカン帽、中折れ帽と種類が増えていく。

今年はどんな帽子を買おうか。



【帽子とメガネ】

私は、世界から自分を守るために、帽子を被っている。

帽子を被れば、バリアを張れる。

一線を引いて、辛い現実から身を守ることができる。

メガネも同じではないだろうか?

メガネかければ、世界と私の間に分厚いメガネのレンズがある。

視界の端に見えるぼやけたものは、私が恐れる現実の生々しい世界なのかもしれない。

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