日記(2021年10月5日)

立秋が過ぎて一週間ほど経った。それなのに昼間の暑さは、一カ月前と比べても衰えていないような気がする。勿論、朝夕の涼しさは格段に増しているのだが、人間は昼間に活動し、夜寝る生き物なのだ。昼間の気温と言うのは生きていくうえで最も重要…だと個人的に感じている。

昼間の様子として一カ月前と異なっているところといえば、蝉の声の有無のみである。じわじわ、みんみん、つくつくぼうし、と鼓膜が破れるような勢いで泣いていた彼らは、土にかえっていったのだろう。そう思うと、昼間の暑さも、一カ月前とは確実に異なっている、とも考えられる。……秋は確実に来つつあるのだろう。


さて先日の日記では、Lobotomy Corporationというゲームのオタク語りをした。今回はその続編である「Library of Ruina(以下LoR)」の魅力を解説…しない。

しません。絶対しない。知りたきゃ買ってください。3000円くらいで買えますし、そのデジタルアートブックも2000円くらいで買えます。PCのスペック的に無理とか、そもそもPC持っていないとかであればYoutubeの動画とかWikiとか調べてください。

と言うのも、昨日「こんなところがいいよ」「おおまかなストーリーはこうだよ」と語ったにも関わらず、時系列的に後になる作品の解説をする気には、どうもなれない。ネタバレは良くない。

一つだけ言えるのは、前作とは異なりRPGのようなゲームになっていること、そして「最高」であること…

最後に、LoR作中で流れるBGMの一つ「Iron Lotus」の”超絶”意訳を載せておこうと思う。これはとある戦闘シーンにおいて流れる曲なのだが、登場人物の背景やそれまでの展開を鑑みると、とても…とてもエモいのだ…。本当にやってください、お願いします。男の娘もいるぞ。

Iron Lotus自体はYoutubeで聞くことができる。Miliというアーティストが手掛けており、LoRにはこの曲以外にも数個、楽曲を提供している。Miliと言われて、誰?なる方もいるかもしれないが、ゴブリンスレイヤーのOP「Rightfully」のアーティストと言えばピンとくるだろうか。ひとまず、動画を下に表示しよう。

以下、超絶自己満の超絶意訳。


凍った階段、血色の絨毯。
さよならだけを残していってしまったあなた。旅立ったあなた。
約束を交わしていた。…それでもあなたを慕っているから、轍を踏みしめる。

ぽた、ぽた。変えようもない現実が袖を濡らす。
あなたはハンカチ越しに口付けて、涙を拭ってくれたのに。

今、私は炎となる。私のすべてを焼き尽くす炎に。
思い出をくべて、ごうごうと燃やしながら。
そして消えよう。この熱と共に。
「だから、前に進むんだ。」

弱さをひたかくす。そして朽ち果ててしまえばよい。
(ねえ、なぜいってしまったの。わたしをおいていって)(ひとりにしないで)
…嗚呼、やめてくれ。それを形にしないておくれ。
口からこぼれだす前に、言葉を想いと共に、熱に葬った。

このページは誰が為に綴られるのだろう。誰の書架に収められるのだろう。
ひとひらの物語の上で、なぞらえるための感情を与えられて。
皮肉だとは思わないか?欲望には限りが無いのに、与えられる総数は決められている。
…なあ、取りすぎないでくれ。私の分が減ってしまうだろう?

地獄にて、断罪の時。
私は開廷を訴える。
お前たちは間違っているから、その立場を私にくれないか。
道を譲ってはくれまいか。
「もう私を振り回すな。」

世界は理不尽だ。権力の足元にはいつくばって、もがいて、それしかできない。
「あなたがいなくても、私は絶対に負けはしない。負けるわけにはいかない」
だって、優しさも弱さも、すべて燃やしてしまった。残ったのは、それがもう取り戻せないという事実だけ。

こんな私にも、あなたは愛を見出してくれた。
もう二度と会えない、一緒には居られないけれども、本当にありがとうと伝えたい。
でも、やっぱり。
誰かを犠牲にしてしか人は幸せにならないのならば、私の幸せはあなたの首を絞めていたのだろうか。
…望んでいない結末でも、恥じたりはしない。自ら決めたことだ。
あなたとの思い出を炎にくべる。

私は鋼鉄。体中を巡るように熱が迸る。
頽れても、息ができなくても、骨がばらばらになっても。
命が尽きても。
嗚呼、でも少しだけ、ほんの少しだけ後悔がある。
あの日、私が言えなかった言葉。
(心から愛しています)
考えが言葉になる前に、唇を噛み、掻き消す。
甘い思い出と共に、静かに飲み込んだ。

もしよろしければご支援いただけると幸いです。このようなくだらない記事たちを生産しております。頂いたお気持ち(物理)は企画の実現等に活用させていただきます。