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【新説・魚食レポvol.4】二度死んだキハダマグロのピザトースト

先日、キハダマグロを買った。
魚体13kg位のものを先輩がロインに加工していたのを見たら、赤身がキハダにしてはよく発色しており、たまらなく美味しそうだったからだ。
外房近海でカツオ巻網船が漁獲したもので鮮度が見るからに良かった。
同僚と興奮しながら分け合ったことを今でも覚えている。


「かにへーさん、背上*1 のとこ良いですよ~。」

*1 【背上(せかみ)】
マグロを背骨を中心に縦4等分(ロイン)にしたときの、「背ビレ側の頭寄りの部分」を指す。20kg以上の大きいマグロはロインを、頭の方から尾まで、上、(中)、下と分けて売ることが多い。
背上は背下(せしも)に比べて筋ばってない上に、皮の比率が下がるため可食部が多く形が綺麗。

なんて良い同僚なんだ…。
ジーンと感動したことも覚えている。

しかし


かにへーは忘れる虫である。
その日、思わず仕事がズルズルと長引いてしまったことで退社時に持ち帰るのを失念してしまったのだ。

(まーでも、冷蔵庫に入れたから大丈夫だろ。マグロは熟成して使うこともあるしね!)

と余裕をぶっこいていた翌日…


ぴぇえ~~~ん!!


あんなに綺麗に発色していたキハダちゃんが…


溺死。

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白く変色してしまっていたのだ…

「なんすか、それ。うわぁ~~食べられるんですか?」

後輩のKさんには煽られる始末。
ちょっと心配なので臭いをかいでみる。

スンスン


うん。

食べれるわい!!


ただ念のため、血合いと表面はトリミング。

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雑菌は血や表面から入り込んでいくためだ。
ある程度削ったら、ぶつ切りにする。
そして、ニンニクの香りを出したオリーブオイルへ刻んだ鷹の爪と一緒に投入!

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自家製ツナフレークの出来上がりだ!!

そしてこいつを、
ピザソースを塗りたくった「焼きトースト」にトッピング。
タマネギやらチーズやらをのせてオーブンに入れれば…

自家製ツナのピザトースト完成!

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うまうま~~!

キハダマグロふっか~~つ!

ごちそうさまでした!

(余りは後日サラダにがっつりのせて食べました)

【反省レポ】

ツナフレーク。今回10分ほど「旨い焦げ」を狙い中火で煮たが、焦げもうまく作れず、加熱しすぎたことで水分が飛び過ぎ、固くパサつき食感が好みじゃなかった。
次回は状態見ながらもう少し食感柔らかな状態で当日食べきれる分は引き上げたい。
目指せ!かの有名な「由衣缶詰」さんの「特撰まぐろオリーブ油漬フレーク」(※こちらはビンチョウマグロ使用)!

【かにへーの業界豆知識】

キハダマグロは日本で一番とれるマグロ。(海外でも一番)

マグロの種別漁獲量

刺身は、さっぱりとして天然マグロ特有の酸味がほんのりする味わいなので暑い日にぴったり。
巻網船がこれから8月くらいまでは2~15kgくらいのものを沢山とってくるので、市場でもよく見かける。
ただ時期的にも脂が少ないものが多く、基本赤身は他マグロに比べて発色が弱く薄ピンク色。
お寿司屋さんは、マグロは「本マグロ」か「ミナミマグロ」と定番を決めてしまっていることが多いのであまり使わない。
漬けにしちゃえば旨みを補えるので、もっと庶民に活用してほしい魚の1つだ。

サポート頂けたら勿論ありがたいのですが、出来たらそのお金でご自身で魚を買って捌いてみたり、居酒屋でプロが作る魚料理を食べてください~~!!