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「ばね指(腱鞘炎)」の症状と治療

症状は?

「指を曲げるときにやや曲げにくく、無理して曲げると『カクッ』と曲がったままで固定されてしまい伸ばせなく(伸ばしにくく)なる」のばね現象が典型的な症状ですが、単に「曲げにくい」や「指の付け根が痛い」という症状の人もいます。

誰に起こりやすい?

年配の女性に多いと言われていますが、男性にも起こります。
また、糖尿病や透析中の人は、より発症しやすいです。

どの指に起こる?

親指に多く生じ、中指・薬指にもよく見られます。
でも、少ないながらも人差し指・小指にも起こります。
つまり、どの指にも発生します

どうして発生する?

指が曲がる時には腱が滑走します。
というより、腱が滑走することによって指が曲がります。
そして、その腱の周りを覆っている「腱鞘」というトンネルがありますが、この腱鞘と腱が滑走の時に擦れます。

これを毎日×何年も繰り返すうちに炎症を起こして、腱鞘の壁が厚くなり、腱鞘の内腔が狭くなります。
腱鞘の内腔が狭くなるという事は、腱を締め付けてしまい、腱がますます滑走しにくくなり、「ばね現象」が発生します。

理由に「使いすぎ」は関係していますが、それだけでなく上で述べたような病気や元々(生まれつき)の腱鞘の形(内腔の広さ、壁の厚さなど)にもよると思います。

治療法は?

①まず安静
と言っても、毎日指は使うので完全な安静はできません。
それでもテーピングをその指に巻くことで、だいぶ「腱の滑走」を減らすことができ、軽症であればそれなりに有効です。

注射
腱鞘内にステロイドと呼ばれる注射を行います。
注射の種類によって効果に違いがだいぶあります。
私はケナコルトと呼ばれるステロイドの注射を少量(4mg)行っています。
ほとんどの患者さんに効果ありますが、多くの人が数か月で再発します。

手術
手術と聞くと怖くて逃げだしたくなる気がしますが、ばね指で長期間痛みを我慢するのも良くないです。
決して簡単とは言い切れませんが、(多くの病院では)日帰りでできる短時間手術ですので、我慢しすぎるよりは手術を考えても良いと思います。

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