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手術したい外科医たち

私は整形外科医ですので、手術をします。

でも、患者さんの多くは「できる事なら手術を受けたくない。手術しないで済ませたい」と思っています。

当然です。不安があるでしょうし、麻酔切れたら痛そうだし・・

ですので、私も「できるだけ手術をしない治療法」をまず考えます。

指の腱鞘炎であれば、注射が良く効くのでまずは注射をします。

それでも数か月すると再度症状がぶり返す患者さんは多いのですが、そのことも説明した上で注射をします。

そして、ぶり返した時に再び受診していただき、「もう一度注射する」か「手術する」かをじっくりと相談します。

しかし、外科系医師の中には「ただ手術をしたい。自分の手術数(実績)を増やしたい」という人がいます(結構、多い😿)。

そして、そのような人が同じ診療科の上司であった場合にはかなり「なんでも手術状態」になってしまいます。

かつて私の上司で「迷ったら手術しろ」とよく言う医師がいました。

当時は私も「そうなのか!」と鵜呑みにした時期もありましたが、今はそれは間違っていると確信しています。

「迷ったら調べる」が正しいです。

医師一人の経験なんて大したことありません。

しかし、過去に多くの医師の経験が積み重なったものが論文です。

論文にも質の低いものがあり、すべてを信じてはいけませんが少なくとも参考にはなります。

私は未だに迷うときがありますが、その時は調べます

そして、自分の今までの経験も踏まえて、患者さんとよく相談して最終的な治療を決めるようにしています。

「ただ手術が好きな医者」かどうかを見分けるのは、一般の人にはなかなか難しいですが、手術を簡単に勧める医師に合った場合はセカンドオピニオンを求め別の医師に診察をしてもらうのが良いと思います。

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