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実務に基づいたUX学習の振り返り
私は限界インハウスデザイナー。ひょんなことから、デザインチームのリーダーに!?グラフィック出身だけど、無理やりUIデザインもやり始めたよ。2020年からUIデザインを請負い始めたので、今年で4年目になった。
課題に対して、自分のやるべきことを決めて来た。UX領域を考える人材が社内に居ないことが分かってから、独学で学習をスタートしたのが2022年の秋。約1年が経過し、2023年の秋にはUX基礎検定にも合格した。次はHCDスペシャリストを目指していきたい所だ。
本記事では、これまで学習したことをまとめ、今後の目標を考える。
2022年秋
5段階モデルで工程を見直した
2022年夏プロジェクトで大コケしたので、UX領域の学習をスタート。UIデザイン依頼の前の戦略・要件段階で破綻していたことが分かった。
ユーザーリサーチの提言
失敗したプロジェクトで、ユーザーリサーチを行っていなかったことを受け、別プロジェクトで声を上げた。初めはコストやプロジェクトの進行が遅れることが危惧されていたが、繰り返し「自分も経験がなくて、正解は分からないが、同じ失敗を繰り返したくない」と訴えた。
各部署のマネージャーやベテランのエンジニアが集まる会議で、声を上げ続けることができたのは、今思うと、頭のネジが外れていたのかもしれない。
2022年冬
勉強会
社内で勉強会を実施。(自分も勉強をはじめて間もないことを強調しつつ、理解を深めようと呼びかけた。)全社へ勉強会の動画を公開。
5段階モデルと、以下の本に記載されている原子力発電所の事故を例に、人間中心設計の概要と、事業的な意義を解説した。
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2023年春
デザインチームを含め、インタビューを実施
社内で初めて、toC向けのユーザーインタビューを実施。他プロジェクトに追われて、自分は参加できず。
しかし、他のデザイナーは参加させてもらったので、知見は得られた。また、普段の仕事がどのようにユーザーに影響しているのかを直に感じられて、各人のモチベーションにもつながった。
2023年夏
toBインタビューに参加
toB向けのインタビューに参加。前年の秋に提言していたプロジェクトについての調査。気が狂ったように発言し続けた甲斐があった。
既存の業務管理システムの改修で、案の定、想定していなかったユースケースが見つかった。事業成果の面でも大きな懸念になることも分かり、実施できて本当に良かった。
2023年秋
UX基礎検定
UX基礎検定を受験し合格した。直近の業務に関わる部分しか学習していなかったので、基礎的な領域を網羅的に学習できたのは前進だった。
(不満:回答が返却されないので、間違っていた問題を復習できない。)もう一度、全体を通して見直さなくてはいけなかった。
スコーピングが得意になってきた
巨大なプロジェクトを、デザインチームのリーダーとして捌く機会が多く、要件定義が得意になっていた。
事業部の要望を聞く、またはすでに定義された戦略や要件について質問する
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要件を箇条書きにする、必要であれば低忠実度のワイヤーを引く
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ここで、相談役のエンジニアをアサインしてもらう。これまで、事業部がPMをしていたが、この段階でエンジニアに相談をしていなかったために、スコーピングに技術的な観点が入っていなかった。
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大抵の場合、リリース希望に対し、事業部の要望は大きすぎて、実装工数が溢れてしまう。そこで、絶対に切り捨てられない本質的な要件を見つけて、単体でリリースする方法を探す。
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無理なく実装可能なサイズの仕様にまとめ、プロトタイプを作成する。
ここでプロジェクトの概要を知らないメンバーに触ってもらう。製品を作る観点ではなく、ユーザーの目線で何を提供したいのか理解し、価値を得られるかをレビューしてもらう。
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ここまで来て、ようやく事業部の重役に合意形成を図る。この時に、要件が膨らまないように、具体のUIではなく、その意図にフォーカスするようにする。例えば、「〜を追加してほしい」と社長が言ったのであれば、なぜそれを追加したいのか、理由を深掘りする。そうすれば、本質的に要求を実現できる。「鶴の一声で計画が変わった!」と責任を押し付けなくて良くなる。自分が直接会議に出られない時は、PMに「こう言われたら、こう返す」というように交渉術を引き継ぐ。
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コスト・品質・安全・納期すべてを犠牲にしない計画が完成する。コストが低く、成果が見込める施策になるので、開発優先度も確保しやすく、どんな成果が出せるか、ユーザーに提供できる価値の見通しも立っているので、各人のモチベーションも上がりやすい。
ほぼすべての施策に対し、この対応を取っている。課題としては、実際のユーザーを使った検証を工程に含められていない。ユーザーリサーチには、時間や人件費などのコストが掛かるため、すべてのプロジェクトで実施することは、現状できていない。実績を作り、予算と社内の期待値を上げていくしか方法はないだろう。
2023年冬
活用できていない
年始にスタートしたユーザーリサーチに対し、分析をして施策にするということがまだまだ出来ていない。事業部では「リサーチすること」が目標化してしまっている。もちろん情報は必要だが、開発に繋げられないと意味がない。
上記の実際の施策ではリサーチができていないのに、一方で、別件でリサーチは進んでおり、その結果は活用できていない。事業部全体がバラバラの動きをしてしまっている。
今後の目標
過去のリサーチの結果をもとに、人間中心設計のフレームワークに基づいて設計をしてみたい。
続く
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