見出し画像

デザイナーらしい服装とは?




非デザイナーらしい服装

18歳の頃、印刷物のアウトバウンド営業をやっていた。というのも、親会社に印刷会社を持つ制作会社に就職し、日中、自分で受注した印刷物のデザインを夜間行うという訳だ。
顧客にはワンステップでパンフレットやフライヤーが届き、印刷単体では受注できなかった案件が、デザインという付加価値によって受注可能になると…素晴らしいシステム。持続可能ではなかったけれど。

営業として企業に訪問していた頃は、自分がデザイナーだと明かしてはならない、という鉄の掟が存在した。営業ができるデザイナーは、この企業に所属しているより、フリーランスになった方が稼げる。そこで、顧客を掻っ攫って独立しないように、自分がデザイナーであることを伏せなければならなかった。
顧客:「このデザインで満足しました。」
自分:「ありがとうございます!デザイナーも喜ぶと思います!」
そのデザイナーは、私なんですけど…

そんな頃は、デザイナーだとバレない服装が求められた。またこの頃の私は18歳だったが「舐められるので22歳の設定で行け!」という上長の指令もあり、”大学新卒の22歳、印刷営業をしている女性”という設定の服装…否、コスプレをしていた。

高校時代、リクルートスーツを買うお金がなかったので、就職活動・インターンは、ネイビーのジャケット一つでヤリクリしていた。このジャケットと、就活生が着ていそうな白シャツ、適当なズボン、パンプスという出立ちだった。

途中から白シャツを、OLが着ている感じのちょっとふわっとしているシャツに変更した。また、メガネをコンタクトにして睫毛を伸ばし、地味な色のマニキュアを塗って、髪を茶色に染めた。そして、ちゃんとした店で買った、セットの下着にした。見えない部分だが、22〜23歳・非デザイナーのOLという役に入るためには欠かせなかった。

成果として、顧客にお酒の話題を出された事がある。本当は18〜19歳だったので、まずまずの出来だったと思う。


>> NEXT

ここから、色々あって自社開発のUIデザイナーになった。そして、社内初のユーザーインタビューに赴くことになる…そこで、「いかにも、私がデザイナーでございます。」という服装が求められる瞬間が訪れた…

さて、どうしよう…



デザイナーらしい服装


顧客訪問版

何かを売りに行くのではなく、インタビューや調査に行く訳なので、相手の警戒心を解きながら、失礼にならないラインを探らなくてはならない。

ジャケットは着た方が良いかなと思い、例のジャケットはマストアイテムになった。(そろそろ10年戦士だが、まだ行ける…)
下はユニクロで買ったズボン。靴はワークマン女子で2,000円代で買ったパンプス(これ楽で良い!)

夏は白ではないシャツ。これが一番難しかった…襟は付いていた方が良いか?何色が良いか?素材は?柔らかすぎてもだらし無く見えるし、硬すぎても営業感が出てしまう。訪問先の業界や企業の規模など、諸々の要件で絞り込んで、例えば以下のブラウスを選んだ。


冬はスティーブ・ジョブズが着ていた様な、黒のタートルネック。これは、「ああ、この人デザイナーなんだろうな」と分かりやすくて良い。ニットだと寒くならないと着れないが、他素材であれば春・秋でも着れる。
若干、頑固な性格なのかな?という印象になるので、そこはキャラクターでカバーしよう。


社内版

客前でなければ、自由度は上がる。採用活動・広報のための写真撮影でデザイナーらしさを出すには?

私が出した結論は、「ムーミンに出てくる"ミイ"のような、オーバーサイズのシャツをワンピースみたいな感じで着る」だった。

ここまで、ラフな格好が許される環境であることを表現している。また、体のラインがほとんど出ない服を着る事で、女性性を無理に求められない環境ということも表したかった。



引き続き、検討を重ねたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?