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弱った時にもやさしくそっと居てくれるカニ

夏の前半は、よく食べてよく飲んだ。
いろいろな人と会って話をして、とても楽しかった。

この週末でそれが一段落、、、となった途端に、突如としてダウン。
こういう時期は年に何度か波のようにやってくる。

とにかく、胃腸がイカれてなにも口に入らず、
身体も水の中のように重くなり、
横になってじっとしているしかなくなる。
異様な眠気の中で夢とうつつを行き来しながら、
夢か記憶かわからないたくさんの映像を見る。

目が覚めると、
何に対してもカニに対してさえも無気力で、
「この美しい島の自然に抱かれて、このままなにも食べず
老衰のように消えていくのもいいかもしれない、、、」
といった考えが浮かび、
聴こえてくる鳥たちの声や
この地球に降り注ぐおひさまの光に涙がでたりする。

そうこうするうちに、
少しずつ、おにぎりが食べたい、とか、みきが飲みたい、
といった欲がでてきて、
部屋を横切るカニにもトキメクようになり、
少しずつ回復してくるのだ。

そんな数日間を過ごしていたものだから、
まだ身体が敏感になっていて
大好きな珈琲が飲めない。

身体は、
『いま珈琲飲んだら、また胃腸が拗ねて暴れるぞ!』というのだが、
頭と心は、
『珈琲飲みたい!あの香りに癒されたい!』とうっとりしている。

こんな時は身体の声を優先するに限るのだが、
どうしたものか、、、と思っていたら、閃いた。
お抹茶なら飲めそうだ。
お抹茶をたてるのも、珈琲をいれるように、
なにか心をリセットして癒すプロセスがある。
身体も頭も心も、全会一致でOKが出た。

そこで、登場するのが、
カニが運んでくれた茶器のセットだ。

友人が、ご実家の蔵を整理していたら
カニマークの陶器が入った茶器セットをみつけ、
カニ好きのわたしに、と持ってきてくれたのだ。
なんともありがたい、いや、カニガタイ!

久しぶりに、茶器をとりだして
お抹茶を立ててみた。

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カニマークの陶器は、
どうやらお香を入れる物らしい。

カニが何か丸い玉のような物を持ち上げているのか、
月かおひさまを拝んでいるのか、
とにかくひょうきんで崇高な感じのカニ図である。

そのカニにそっと寄りそってもらいながら
お抹茶を飲むひとときは、
なんともいいものである。

美味しゅうございました。

これから、わたしは、
もっと身体の声に耳を澄まして動いていくのだ。
なるべく楽しくそうしていくのだ。

さて、
クーラーなしトタン屋根の我が家はただいま29度。

今日は風もあって結構涼しい。
本土よりも涼しいのではないか。
夕方のもうひと仕事、がんばるとします。

あおきさとみ
カニ宇宙 https://kani-uchu.webnode.jp/


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