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あちらの世界とこちらの世界を行き来するカニ

奄美では、きょうは旧暦の7月15日、送り盆である。
迎え盆でご先祖様をお迎えして、
3日間お線香を絶やさず一緒に過ごして
きょうまた、ご先祖様をお見送りするのだ。

夕方、島の北部に住む友人から、
「…カニがめっちゃいっぱい」
と、浜辺にカニがたくさんいる写真が送られてきた。

きょうは15日で大潮だから、
カニたちも活発になって
海に産卵に行くのだ。

わたしがそう伝えると、
彼女がおもしろいことを教えてくれた。

彼女の集落では、
送り盆の時に海の向こうで亡くなった方に向けて
お花を浜に刺して波に持っていってもらう、
という風習があるそうである。

『その気持ちをカニが運ぶのか、
カニに乗ってご先祖様が帰るのか?』、、と
カニをみながら
彼女は考えを巡らせていたそうである。

それを聞いて、
わたしが、初めて、カニを特別なものと感じた時のことを
思い出した。

20年ほど前、初めての沖縄ひとり旅で
久高島に渡った時のことである。

誰もいない御嶽で、カニと目があったのだ。
(今は立ち入り禁止だが、
当時は女性であれば入って拝むことができた)

その時、わたしは、
『このカニは、ただものではない!』と思った。
強い意志と役割を持った存在のように感じたのだ。

しばらくその場所で、ぽか〜んと、
カニと一緒に過ごした記憶がある。
(このカニと出会った不思議な旅の話はまたいつか言葉にします)

そこから、わたしは、
カニはあちらとこちらを行き来できる神聖なイキモノなのだ
とうっすらと思うようになった。

だから、彼女が今日感じたことは
わたしにすうっと入ってきたのだ。

送り盆は旧暦の15日だから、絶対に大潮に当たる。
しかも夏の真ん中で一番カニが多い時期。

カニが彼岸と此岸を行き来できると感じる人も
これまでにも、いたのではないか。

海辺に佇んでカニをみている友人の姿を思い浮かべて
そこに、これまでの色々な時代のカニをみる人たちの姿が
オーバーラップして想像された。
カニはいつからこの地球にいるんだろう?

カニは可愛いだけじゃ無い、
神聖なイキモノ、カニサマなのだ

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(↑以前オーダーいただいて描いたカニがかったカニ)

そして、きょうも我が家の風呂場はカニサマだらけである。
もしかすると我が家はカニパワースポットかもしれない。

あおきさとみ
カニ宇宙 https://kani-uchu.webnode.jp/

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