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春のミニカニ講座①「うまれる」うまれました。

2023年春のオンラインミニカニ講座がいよいよはじまりました!
本日は第1回目「うまれる」でした。

まずは、わたしの大好きな民俗学者で文筆家の谷川健一さんの、
「海の夫人」の一節を題材に、「うまれる」にまつわるカニのことに
思いを馳せました。

 古代においては、現世と他界とに双分された世界があった。古代人の世界を見開かれた一冊の書物に例えるならば、左のページは海の彼方にある他界であり、右のページは、自分たちの住む現世であった。その書物の喉にあたる部分、すなわち中心線が渚であった。そうして左右のページ、すなわち他界と現世とは全く相似であるとおもわれていた。
 古代人の生と死は虹のように抛物線をえがくと信じられていた。虹の一方の脚は渚の手前にあり、他方の脚は渚をこえて、水平線に没していた。その水平線には太陽の穴があり、太陽はそこから毎朝誕生するとおもわれていた。月はまた、満ち欠けをたえずくりかえす。人間の生も太陽や月の死と再生のように、死の国の常世から現世にむかって再生するとみなされた。そこで産屋は常世の国から最も近く、渚にたてられねばならなかった。
「海の夫人」谷川健一 著 河出書房新社 p71-p72

この部分を読まれた参加者のおひとりが絵が描けそうとおっしゃっていました。
古代の人々の世界観、死生観がイメージできる、わたしのとっても好きな文です。

後半のミニアートワークでは、
上記の世界観を前提とし、現世と常世を行き来するもの、
今ここに生まれてきた自分の本体?のようなものがあるとすれば、
それはどんな色と形なのか、自分に問い、色と形で表してみました。

その後、「わたしが生まれたとき」からはじまる文をライティング。

最後は、各々が受け取ったものをシェアしました。

今回の講座のために、いろいろな本を読み味わう中で
カニは神聖な生き物の中でも
いのちの巡りを司る分野が得意な生き物
ではないかと思えてきました。

来週のミニカニ講座のテーマは「祈る」です。
生後7日目に行うイジャシハジメという儀式についてお話しし、
「祈る」ということを深めてみます。
はじまりの春なので、自分のためにも祈ることをしてみます。

単発参加も大歓迎。
ピピピっときた方、ぜひお申し込みください。
参加回数によって料金が変わります。ご確認ください。

イベントページ
https://fb.me/e/2PDSsFCo5

* * *

《春のミニカニ講座のテーマ》
第1回3/9  「うまれる」※終了しました!
 “命は海の彼方の未生の世界からやってくる”
 かつてはそのように考えらており、産屋は波打ち際に建てられました。
 産屋の床にはたくさんのカニが這いまわっていたそうです。

第2回3/16「祈る」
 かつて島では、生後7日目に行うイジャシハジメという儀式があり、
 その中で、生きたカニを赤ちゃんのおでこに這わせる儀礼を行いました。

第3回3/23「語る」
 島に伝わる昔話の中に、カニが出てくるお話があります。
 そのお話をみんなで味わいます。

第4回3/30 「うたう」
 かつて島では、言葉やうたに呪力をこめる文化がありました。
 魔除けのうたのひとつにカニのうたがあります。

*会場 オンライン(お申込みされた方にお知らせします)

*日時 3月9日、16日、23日、30日 残り3回
    木曜日 20時から21時

*参加費 1回1500円/2回2800円/3回3900円

*お問合せ•お申込み
ohisama.utaoto⭐︎gmail.com(あおきさとみ)←⭐︎を@に変えてください
メールにて、以下の4点を記入しお申し込みください。
①お名前、②メールアドレス、③お電話番号、④お申し込みの回数と日程

【案内役】あおきさとみ(カニアーティスト/表現アートファシリテーター)
奄美大島在住。石川県出身。東北大学卒業、大阪市立大学大学院修了後、関西を拠点に、音楽活動と心理職の二足の草鞋で活動しながら、沖縄、バリ、メキシコやペルーなどシャーマニズム文化の残る土地を旅する。2015年奄美大島に移住。2022年表現アートセラピー研究所トレーニングコースを卒業。現在は、臨床心理士として教育現場に関わりながら、奄美で出会うカニの民俗文化を探究し、そこから着想を得たワークショップや、絵や音楽などの表現活動を行っている。わかりやすく無駄のない目に見えるものばかりが重視される社会の中で、生き物としての人間を取り戻し、みえないものをみる豊かさを、みんなと一緒に味わいたい。

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