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蟹の酒蔵に思わず電話をかけてしまった

蟹の絵柄の日本酒を手に入れた。

夫の田舎新潟から、山菜が送られてきたので、
これは、日本酒を手に入れなければ!と、
瀬戸内酒販さんまで買いに行ったのだ。

島では、美味しい日本酒はなかなか手に入らないのだが、
瀬戸内酒販さんがあいてさえいれば、大丈夫。
ここは、焼酎はもちろん、ワインや日本酒も島とは思えない品揃えなのだ。

蟹模様の日本酒とはそこで出会った。
ラベルだけでなく、キャップにも蟹模様が描かれている。
本土にいた頃、飲んだことのある澤乃井という酒蔵のお酒だった。

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キャップまで、蟹マークにしてしまうなんて、
蟹に対して特別な思い入れがあるに違いない。

お酒も山菜も美味しくてカニも嬉しくて
久しぶりに飲んだくれてしまい、
二日酔いで大変になってしまったのだが、
どうしても蟹模様が気になり、
よれよれしながらも
澤乃井さんに電話をしてみることにした。

電話に出たのは、わたしより年上かと思われる感じのいい女性の方。

「わたし、カニが好きなので思わず電話をしてしまったのですが…」
というわたしの電話にも怪訝な顔(声)もせず、優しく対応してくれた。

なぜ蟹のマークなのか?という質問には、
東京都でも地理的に田舎の方に酒蔵があって、
そこは川もありサワガニいて緑も豊かなのだそう。
サワガニは、水のきれいなところにしかいないので、
その水を使っているお酒ということで、
蟹のマークにしたのだそうだ。

「わたし、奄美大島に住んでるんですけど、
 家の中にカニがいっぱい入ってくるんです。
 酒蔵にもカニはいるんですか?」
と聞くと、酒蔵の中には流石にいないが、周りには居ると思うとのこと。

「昔よりも減ったけど、畑に行くとたくさんいますよ。
でもわざわざカニをみに畑に行かないからスルーしちゃってますね。」

そうか、、、。

「あ、あと、もうひとつ聞いていいですか?
 これまでカニと接して、カニに心はあると思いますか?」

「そうですね、、、。大雨のときに、道にたくさん出てくるんですけど。
    道にでてきたカニにあぶないよ〜って言ってるんですよ。
(心は)あるかもしれませんねえ〜」

よかった。
電話をきって、なんだかあたたかな気持ちになった。

この電話を機に、カニと目を合わせてくれるといいな。
島から遠く離れた東京の山奥にもカニたちがいて、
愛されて生きていると思うとうれしい。

澤乃井さんのお酒、また買おう。
いつか酒蔵にも足を運んでみたいな。
カニたちに会いにいかなくちゃ。

あおきさとみ
カニ宇宙 https://kani-uchu.webnode.jp/

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