脳科学とサッカー

https://books.rakuten.co.jp/rb/16622476/?l-id=search-c-item-text-13


池谷裕二さんのこれらの本が面白く、また、サッカーにも通ずる部分が多々あったので脳の仕組み性質とサッカーを絡めていきたいと思います。

脳科学と書きましたが、そんな専門的で難しい話じゃないです。



脳の部位

海馬・・・情報の要・不要を判断して選択する。

扁桃体・・・感情を司る。

前頭葉・・・モチベーションを司る。

側坐核・・・やる気を司る。

ここで出てくる部位です。


好きだと上達する

海馬の神経細胞は、刺激が多いと増えて少ないと減る。

海馬は扁桃体の横にあるため、扁桃体が刺激されると海馬も刺激されやすくなる。感情(好きなこと)に結びつくものは記憶されやすい。

つまり、記憶・上達しやすいときは、好きなことをしているとき、楽しくて夢中になっているとき。

競技性が高まるほど楽しむという気持ちは忘れがちになりますが、上手くなるためには楽しいという気持ちが不可欠で、競技性が高まるほど楽しむことが大事になってくるかと思います。

これを知ってから、普段から楽しいという気持ちを大切にするようになったし、悩んでいるときや行き詰まったときは楽しむことに立ち返るようにしています。また、楽しむ要素を見つける、嫌々やるのではなく、前向きに取り組む気持ちが脳科学的にも大事だと再認識させられました。

ここでの楽しいは、ふざけて楽しいというのではなく、上手くなっていく楽しさ、成長する楽しさ、困難を乗り越えた時の楽しさ、困難を乗り越えるための途中の苦しさを楽しむということも含まれます。


「好きだから」が一番

モチベーションは内部動機手段的動機の2つに分類されます。

内部動機とは、好きだから・楽しいからといった純粋なやる気のことで、

手段的動機とは、地位を得たい・お金が欲しいといったこと。

内部動機には、代替がないが、手段的動機には代替があります。これが一つの違いです。

つまり、サッカーが好きだからサッカーをしているわけで、サッカー以外の仕事だと替わりになるものはありません。

お金のためという手段的動機は、サッカーじゃなくても、他の仕事でも替わりがあります。

内部動機を持っている人、手段的動機を持っている人、両方持っている人では、内部動機を持っている人が一番長続きし、成長するという結果が出てます。

つまり、サッカーが上手くなりたい理由は「好きだから」といった内部的なもの、純粋なやる気がいいということ。

大人になるにつれて、子どもの頃のような夢中で楽しむといったことが薄れてしまいがちですが、そういった気持ちが一番大事なのです。


やる気の出し方

やる気を司る側坐核は、なかなか活動してくれません。刺激が与えられないと活動しない。刺激、つまり行動。行動ををはじめないと活動してくれないので、何かをする前にやる気が出ないときは、とりあえずやってみることが大事で、とりあえずやることで、側坐核が刺激され、やる気がだんだんと、そしてどんどんと生まれてきます。


記憶

「物を覚えるのは子どもの方が得意。」これは多くの人が知っていることで、暗記記憶は若い人の方が伸びやすい。

しかし、経験記憶と言われる部分は、30歳を過ぎてから伸びやすくなります。様々な経験を繋ぎ合わせて記憶する、経験が生きるというのはこのような理由があるからではないかと思います。

30歳を越えてからサッカーが楽しくなると言われるのもこのようなことが関係しているのかもしれません。

また、歳を重ねるにつれて、記憶しずらく、記憶したことも曖昧になるのもちゃんとした理由があって、記憶は「早く正確に」覚えることは実は不都合であって、「ゆっくり曖昧に」覚えることが好都合だからです。

例えば、ある人を覚える場合、顔のパーツやしわ、ほくろ、髪型、服装、体型その他もろもろをすべて完璧に正確に記憶した場合、数年後に再び会った時に完璧に記憶したものと一致しないところが出てきます。その場合その人は記憶の中の人とは別の人と認識されてしまいます。

なので、記憶する重要なポイントを長年の経験で学習し、そのポイントは記憶し、その他のポイントは曖昧に覚えるように学習していくのだそうです。

また、早く記憶することで生じる不都合は、学習が早すぎると、表面的な情報に流されてしまい、裏に潜む本質を見ることができなくなってしまうためでゆっくり記憶することは、物事を深く見れる能力がついたということです。

よって、記憶しずらく、記憶が曖昧になっていくのは、劣化ではなくむしろ長年の経験から学習した進化なのです。



脳は変化を受け入れにくい

脳には両極端な性質があります。

理性を保つために新しい局面に適応するが、その反面、可塑性を拒否するような「自分の都合のいいように頑固に現実を解釈」してしまいます。

サッカーに結びつけると、自分の長所・武器だと思っていたことを拒否・通用しなくなるといったことが起こると、自分の都合のいいように通用している・必要とされていると頑固になってしまいます。

歳をとるほど長い期間それで生きてきた分、受け入れるのも難しくなる。それがプライドです。

自分の良さは、自分が思っている良さだけでなく、自分が思っているところ以外にも良さはたくさんあると認識する。それは他人が見つけてくれるのかもしれない。自分の良さはこれだ!と決めつけすぎないで、柔軟な気持ち、態勢にしておき、切り替えて勝負できるようにしておくこと大切だと思います。


できない脳ほど自信過剰

できない人ほど自分はできると勘違いしている傾向があります。

結果として、人々がイメージする能力差よりも実際の能力差は大きくなってしまいます。

その理由として

①能力が低い人は能力が低いゆえに、自分がいかに能力が低いか理解できない(高く評価する)。

②能力が低い人は、他人のスキルも正しく評価できない(低く評価する)。

③よって、能力の低い人は自分を過大評価してしまう。

とここでは推測されています。

ここでふと思ったのは、よく言う「立派になるために謙虚になりなさい」という教え。

(「立派になる」は抽象的ですが、あまり思いつかなかったのでしっくりする言葉を当てはめてください。)

謙虚にしているから立派になるのではなく、立派だから謙虚になれるのではないかということ。
謙虚になりなさいと言われて即座になれるというのもなかなか難しいかもしれなく、実際に自分を過大評価している人には特に難しい。
だから、謙虚になりなさいと言うより先に、学ぶことだったり、人間力を高める努力をするほうが先なのかもしれません。
そうして謙虚さが身に付くものなのかもしれません。
まあ何にしても、どちらが先でも、謙虚にいることは大切なことで、プラス、常に様々なことを学んでいかなければいけないと思いました。



脳は深くて、重要で何をするにも大切な部位かと思います。

サッカーにも通ずることがたくさんあって、参考になる、生かせることもたくさんあり、自分の身にはプラスになったと思います。

脳の仕組み的にこうだからと知れば割り切れたり、こうすればいいんだということも知れることができます。

他にも為になることがたくさん書かれていて、説明も非常にわかりやすく面白いです。

是非読んでみて下さい。

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