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うつ病日記 カウンセリング

うつ病で休職、療養しています。2週間に一回のカウンセリングの様子を書き起こしました。読んでみてください。

   *

――そしたらぼちぼち行きますかな。前回から今日にかけて全般的にどうでした?
「そうですね。はい、相変わらずというか、結構元気に過ごしました。ちょっと暑くなってきたんで、それも体調的にはいいのかなと」

――元気が出てきたようですけど、どうしたんでしょうね。
「あの、先週の月曜日になんか仕事っぽいことを久しぶりにして、結構うまくこなせた。その日はしんどかったんですけど、仕事っぽいことしても何ともなかったので。ちょっと自信ついた。仕事にもぼちぼち復帰できるのかなって。あと結構、この間ずっと自分を責めてるところがあった。体壊すような仕事を選んだ自分を責めるところがあったんです。でも、できることも増えたし、それは悪いことじゃなかったかなと思って。ちょっと自分を許してあげられる気持ちになりましたね」

――なるほど。この 1週間か2週間に、お友達となんかお話とかありましたかね?
「はい、友達と映画を見に行きました」

――何の映画ですかね?
「あの、シン・ウルトラマンです。そんなに面白くなかったですね。終わった後、ご飯食べたりとかして、普通に何気ない会話ですけど、しゃべりましたね」

――観客動員数が多かったようだが、そんなにでしたか。むしろ友達との食事ですかね。
「そうですね。映画の話しましたね。途中までは良かったけど、途中からよくわからなくなったなっていう感じで、僕も同じ意見だったですね」

――はい。引っ越しの荷物とかはまだあるのですか?
「まだ残ってますね。はい、あまりやる気も起きないので、ちょっとほったらかしちゃってますね」

――以前の話では、寝る時は10時間か12時間寝てると伺いました。睡眠は特に問題ないでしょうか?
「そうですね。同じぐらい、10時間ぐらい寝てますね。やっぱり寝て回復するっていう感じなんで」

――以前は、コップの水に例えてもほとんど残ってない状態と伺いました。今はどうですか。
「そうですね。同じですね」

――最近はどんな本とか読まれましたか。
「斉藤環さんと與那覇潤さんという人の対談で、『心を病んだらいけないの』っていう。そういう本を読みましたね。今も読んでますね。あと、『不眠とうつ病』かな。そういう本も読みましたね」

――なんか役に立ったことはありましたか。
「『心を病んだらいけないの』では、カウンセリングの技法で『同意じゃなくて共感をする』みたいな話があって。そのまま相手の言ったことに全て同意しなくても、共感ができるんだと。なんかそれは結構わかるというか。僕の友人とか彼女とかも、なんかそういう風に共感して話聞いてくれたのかなと思って。このカウンセリングもそうですし、やっぱり共感してもらうってことがすごい心を軽くしたというか、良くなっていったのに役だったのかなと思いますね」

――『不眠とうつ病』でもなんか役に立つことありましたか。
「そうですね。これは結構一般的な話が多くて、そんなに突っ込んだ話はなかったんですけど。やっぱり眠りがいかに大事かっていう話ですよね。逆によく眠れてさえいれば、治療って半分以上進んでるというか。大部分はいい方に向かうと。眠りを基準にした方がいいっていう風に書かれてて、それはそうかなと思って。しんどい時は眠れてなかったんで。会社の当直勤務とかで、泊まりの時は全然眠れなかったんで。生活リズムが乱れたし、他の日も眠れなくなったりとか、眠るの遅くなったりとかしてたんで。そういう生活は良くなかったよなと思った。眠りの質が悪くなっていたのがやっぱりよくなかったのかなと思いましたね」

――今は10時間ぐらい眠れるわけですね。
「そうですね」

――人と人のとの関係という話題もあったんですかね。
「そうですね。それは斉藤環さんの他の本(『社会的うつ病の治し方』)で、『人薬』っていう考え方が紹介されてて。人と人との関係がその人を直すっていう。あとなんやったかな。承認ですね。人に承認されることも大事で、それが心を癒すみたいなのも書かれてて。まあ、そうだよなっていう気がしましたね」

――じゃあ、共感してもらうこと、承認してもらえること、そして睡眠取れることですね。日記は今まで続いてますか。
「はい、今も日記は続いてます。それをちょっとSNSに投稿したりとか、他の人も読めるような形にして、それでちょっと反応もらえたりとか。最近、 Twitterで病気のことをオープンにした。結構そういう風にオープンにしてるアカウントが結構多くて、そういう人たちとメッセージしたりとか、『いいね』つけてもらったりとか、共感しあってて。それもまあ楽しいというか、こんなに同じような病気で苦しんでる人いるんだとか、いろんなことがわかって。それは最近の新たな発見でしたね」

――いいコメントをもらえるのですね。なんか役に立ちそうなことはわかりましたか。
「そうですね。これは病気のことじゃないんですけど、韓国語の勉強のアカウントも結構フォローしてて、僕も韓国語を勉強してるんで。その人たちが結構毎朝勉強してて、その様子をツイートしたりしてて、それはすごいなと思って。なんかツイートすることで習慣になるというか」

――韓国語も引き続き勉強されているのですね。
「そうですね、毎週授業があって結構学びが多いですね。まあ、韓国語で話したりすると、こう、頭が切り替えられるというか。あれは何だろう。外国語で話すと、また別の頭でいろんなものを考えるので、頭がリフレッシュされるというか。その分頭は使って疲れるんですけど」

――先週はじゃあ、そのリハーサルみたいな発表で質疑応答もあったと思うのですが、なんとかこなせましたか。
「そうですね。問題なくこなせて、他の人たコメントに対しても色々応答しながら取り入れて、またさらに書類を修正するっていう」

――そういう深いこともできるようになってきたんですね。柔軟に対応できてきてる感じですかね。
「そうですね。結構柔軟にできました」

――YouTubeも見ていますか。
「はい」

――なんか役に立つ YouTubeありましたか。
「そうですね。なんなら野球の YouTube 見たりしてますね。まあカウンセリングとかメンタル系のもんは見るんですけど、結構大体見ましたね」

――今でも韓国ドラマとか、KーPOPとか見ていますか。
「はい、好きなグループの YouTube を見たりとかですかね。ルセラフィムですね」

――なんかそういうの聞いたらほっとするか、気持ち良くなるとかそんなのですか?
「力強いダンスを見て、エネルギーもらうというか。元気をもらうっていう感じですね」

――最近はあれかな、あなたが言っていた『フロー状態』、いざとなったら一転集中もできるようになってきたんすかね。
「そうですね。うん、集中力は上がってると思いますね」

――前の話では、周りの友達から『だいぶもとに戻ってきたよね』と言ってもらってたましたよね。大体そんな評価ですかね。
「そうですね。この日曜日に会社の同期の友達と会って、ご飯作って食べたりしたんですけど。友達と話してて、僕が言ったのが、なんかもう『前向きに諦めて生きようかな』っていう風なこと。そう最近考えてて。もともと行きたかった部署に行くためには、自分がなんていうか、許容量以上の働き方をしないといけなかったんで、それは前向きに諦めて、違う生き方を選択しようかなと思って。諦めるのは後ろ向きだけじゃなくて、前向きもあるんじゃないかと思って。だから、その言葉を座右の銘にして今後生きていこうかなと思います」

――うん。いろんな生き方、いろんな考え方あると思うしね。前向きな諦めは悪くないと思いますよ。前の食事会には、なんか韓国風の中華料理とか食べてましたよね。
「はい、今回は僕が作ったんです。カルパッチョのサラダとか、生ハムのメロン、あとスパイスカレー。自分でスパイスから作った。結構料理が好きなんで、それを友達に食べてもらった。喜んでくれたんで、まあ良かったなと思いますね」

――料理がお好きなんですね。料理学校で習ったりしたんですか。
「いえ、料理の YouTube とか、本読んだり、とテレビで見たりとか。そういうのを頭に入れといて、アレンジして作るっていう」

――幅広く情報を集めてこなして、自分で作っていく。大体そんな感じですかね。
「はい」

――で、皆さん美味しい美味しいと言ってくれたんですね。
「そうですね。あと、料理もすごいフロー状態というか、集中できるんで。逆に言うと集中しないと、それこそ包丁で手を切りますから」

――なるほど。5月30日、それ過ぎたらちょっと楽になるって感じですかね。
「そうですね。それ終わったら、まあしばらく一週間ぐらい、休もうかなと。韓国語の教室とか結局あるんで、まあ、忙しいといえば忙しいんですけど。意識的に休む日を作った方がいいかなと」

――やっぱり寒いよりは暑い方がいいですかね。
「いいですね。なんか新陳代謝も良くなるし、あんまり暑いとへばっちゃいますけど。でも冬とかの方が、普通にしんどくなる感じあるんで、夏の方がいいですね」

――確認だが、一般的に寒くなった冬のほうが気分が落ち込むとか、そんな傾向は過去にあったんでしょうかね。
「はい、やっぱり留学中は冬になると曇り空が続いて、しかもすごい寒かったです。その時はやっぱりメンタル的にしんどかったので、やっぱり冬の方がしんどいですね」

――外国はそんな天気良くなかったですかね。
「うん、天気は悪かったですよ」

――実際に傍聴というのは記者だった頃に近いことですよね。ちょっと自信につながりましたかな?
「そうですね。自分で勝手に『リワークプログラム』と思ってやってみたんですけど、十分こなせたし、むしろ手際よくできたので。それは自信になりましたね」

――いろんな人と話したと伺いました。本当に自分のやりたいことをやろうと思ったら、自由な時間が多い環境を考えた方がいいという感じですかね。
「そうですね」

――キーワードとしては、いろんな人に共感してもらえてると、いろんな人に承認してもらえてるし、今は眠れてると。
「はい、そうです」

――日記と韓国語も続いている。
「はい。日記書いてたらやっぱり1日のこと振り返れますし」

――追い込まない程度にそこそこやってる感じでしょうかね。
「はい、やっぱり無理したらダメだって思います。色々頑張ろうとしちゃうんですけど、追い込まないっていうのが一番大事かなと思って」

――いろんな方向からアプローチして色々やってるような印象を受けますが、それだけ自分の視野が幅広くなったということでしょうか。
「視野は広くなったのかなと思いますね。やっぱり休職直前は特に視野が狭くなってていろんなこと考えられなくなってたと思うんです。今はいろんな人の話聞いて、別に正解は1つじゃないなっていう。うん、考えにはなってきましたね」

――以前、『独学の思考法』という本で学んだ方法は質疑応答にいかせましたか。
「はい。チャリタブリーディングっていう方法があって、相手の疑問とか質問に寄り添いながら対話をする技法ですね。発表の時も色々コメントもらって、それにも柔軟に対応しながらやるっていう。結構役に立ちましたね」

――何かを読んで、それを役立てていますね。
「確かにそうですね。まあ、回復期に入ったのかなっていう」

――うん、それに近いと思いますね。はい。
「あとはこれを続けていくのが大事なのかなって思いますね」

――疲れはあまり持ち越さなくなっている?
「そうですね。たくさん寝たら回復できる感じになってきてますね」

――周りの人も、あなたに対して共感してくれてるし、周りの人に言うことにあなたも共感できる感じですかね。
「そうですね。そんな感じになってきてますね。はい」

――で、Twitter とかも結構いい刺激になってるんでしょうか。
「そうですね。結構いい刺激ですね」

――前向きに諦める、という言葉もありました。
「はい」

――結構料理好きですね。
「はい」

――なんか得意な料理ってあるんですか?
「カレーですかね。お料理してる時はなんか、雑念がなくなるというか。それがいいですね」

――ここまでお話して、全般的にご感想、ご気分はいかがでした。
「そうですね。まあどんどん少しずつですね。やれることも増えてる。元気になってるなって。仕事に近いことをして、それでも大丈夫だったんで、それはかなり大きな自信になりましたね」

――自信と安心ですね。
「そうですね」

――ほかに気づいた、役に立ったことはありましたか。
「前向きに諦めるってことが自分の中のキーワードになるなと思います」

――今日もお話が聞けてよかったです。次回の予約をお取りしましょう。

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