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8.遺伝子診断

■遺伝子診断について、あなたの考えを述べなさい。


■遺伝子診断(400字相当)

 遺伝子診断においては、遺伝子差別の問題が指摘されている。遺伝子情報は、生涯変わらない究極の個人情報だ。もし流出し、悪用された場合、本人だけでなく家族や親族も就職、結婚などにおいて不利益をこうむる恐れがある。こうした問題に対応するために、まず求められるのは、より厳格な法整備だ。遺伝子情報の管理を徹底し、安易な遺伝子診断を制限する必要がある。また、診断の際には、他の医療行為と同じく、その問題点も含めて十分なインフォームドコンセントが行われるべきだ。診断を受ける側も、その結果によっては、不安や悩みが増える可能性があることを理解しておかなければならない。医療の目的は、患者のQOL(生活の質)を保ち、社会に貢献することだ。その医療行為によって、人権が侵害され、社会的差別が助長されてはならないと考える。(354文字)

※オカズ4品。「遺伝子差別」、「究極の個人情報」、「インフォームドコンセント」、「QOL」。
※問題解決型の小論文の場合、①テーマの定義 ②現状(背景) ③問題点(課題) ④解決策(対応策)という流れが基本。400字相当の場合、文字数が限られているので、③の問題点から書き始めてみました。
※「不安や悩みが増える」という表現は、慈恵医大のホームページで見つけたもの。

■遺伝子診断(600字相当)

遺伝子診断とは、特定の遺伝子の有無や異常を調べる診断方法を言う。一部の先天性疾患の原因や発病のリスクを診断でき、その予防や症状の軽減に役立っている。 こうしたメリットがある一方、遺伝子診断においては、遺伝子差別の問題が指摘されている。遺伝子情報は、生涯変わらない究極の個人情報だ。もし流出し、悪用された場合、本人だけでなく家族や親族も就職、結婚、医療保険の加入などにおいて不利益をこうむる恐れがある。こうした問題に対応するために、 まず求められるのは、より厳格な法整備だ。遺伝子情報の管理を徹底し、安易な遺伝子診断を制限する必要がある。また、診断の際には、他の医療行為と同じく、その問題点も含めて十分なインフォームドコンセントが行なわれるべきだ。診断を受ける側も、その結果によっては、不安や悩みが増えるかもしれないことを理解しておかなければならない。医療の目的は、患者のQOL(生活の質)を保ち、社会に貢献することだ。その医療行為において、患者の人権が侵害されたり、社会的差別が助長されるのは、あってはならないことだ。(457字)

※600字相当の場合、400字相当と異なり、遺伝子診断の定義現状から書き始めています。

■遺伝子診断(800字相当)

遺伝子診断とは、特定の遺伝子の有無や異常を調べる診断方法を言う。一部の先天性疾患の原因や発病のリスクを診断でき、その予防や症状の軽減に役立っている。 こうしたメリットがある一方、遺伝子診断においては、遺伝子差別の問題が指摘されている。遺伝子情報は、生涯変わらない究極の個人情報だ。もし流出し、悪用された場合、本人だけでなく家族や親族も就職、結婚、医療保険の加入などにおいて不利益をこうむる恐れがある。こうした問題に対応するためには、法律なども含めた社会的制度と、人々の差別意識を変えていく必要がある。 まず求められるのは、より厳格な法律・ガイドラインの整備だろう。遺伝子情報の管理を徹底し、安易な遺伝子診断を制限するべきだ。診断の際には、他の医療行為と同様、その問題点も含めて十分なインフォームドコンセントが行なわれる必要がある。診断を受ける側も、その結果によっては、不安や悩みが増えるかもしれないことを理解しておくべきだ。そして、社会の差別意識をなくしていくためには、教育現場などにおけるノーマライゼーション思想の普及が望まれる。健常者とそうでない人が一緒に暮らせる共生社会こそがノーマルなのだ。遺伝子診断は、本来、こうした考え方が基盤にあって、慎重に行われるべきだと考える。医療の目的は患者のQOL(生活の質)を保ち、社会に貢献することだ。その医療行為によって、患者の人権が侵害されたり、社会的差別が助長されることが、あってはならない。(618字)

※ノーマライゼーション思想については、「障がい者」の小論文でも触れています。

「ヒモノカシテジョージ」で解決策を整理してみる。
ヒト→人の意識を変える。人の生活の質を保つ。人権を守る。人の差別をなくす。
シクミ→法律・社会制度を変える。インフォームドコンセントの活用。
ジョウホウ→個人情報の保護。ノーマライゼーション思想の普及(啓もう、情報・意識の共有)。

解決策が整理できれば、逆に問題点が分かってきます。

■小論文弁当のレシピ

①遺伝子診断とは、こういうことだ。(定義)②現状として、こういうメリットがある。③一方、こういう問題点もある。(個人情報の悪用、差別意識の助長)④その解決策としては、法整備、インフォームドコンセントの徹底、ノーマライゼーションの普及などが考えられる。⑤遺伝子診断においても、医療の基本理念が尊重されるべきだ。



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