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千葉雅也と岸政彦が考える〈書くってどういうこと?〉(No. 862)

考える人 メールマガジン
2020年4月23日号(No. 862)

研究者、そして小説家として活躍するふたりの注目の対談!
千葉雅也×岸政彦「書くってどういうこと?――学問と文学の間で」

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研究者として、そして小説家としても活躍し、立命館大学大学院での同僚でもあるおふたりが昨年末に行ったトークイベントの模様を3回に分けて掲載します。

〈書くってどういうこと?〉という根源的な問題に、それぞれの立場からアプローチした興味深い対談です(「新潮」2020年3月に掲載した内容と同一です)。

第1回 小説と論文では、どう違う?
https://kangaeruhito.jp/interview/13989

第2回 あり得たかもしれない、もうひとりの自分の生活史を書く
https://kangaeruhito.jp/interview/13935

第3回 大阪に来て初めて書けたこと
https://kangaeruhito.jp/interview/13986

アクセスランキング


■第1位 千葉雅也×岸政彦「書くってどういうこと?――学問と文学の間で」
第1回 小説と論文では、どう違う?

掲載即話題、初登場1位! 研究者として活躍しながら、なぜ小説を書こうと思ったのか。研究と創作のアプローチの違いなどについて語っています。

■第2位 安田菜津紀の写真日記(4/15)
「緊急時なのだから批判をするな」に思うこと

「緊急時なのだから政府の批判をするな」という声がネット上で散見されます。こういう時だからこそ、もっと言えば、平時から「これはどうなの?」という疑問や批判を投げかけることは大事だという安田さんの訴えは、多くの共感を呼びました。


■第3位 古井由吉×蓮實重彦「終わらない世界へ」
第1回 「この人枯れてない」

東京大学の同級生であり、かつ立教大学での同僚でもあったおふたりが行った最初で最後の対談の第1回が引き続きランクイン! 古井由吉追悼特集の「新潮」最新号も好評です。

最新記事一覧

■若菜晃子「おかしなまち、おかしなたび 続・地元菓子」(4/20)
広島県庄原 焼き米とほとぎ

若菜さんが広島県庄原で見つけた「焼き米」と「ほとぎ」。昔のひとの知恵が詰まった食べ物、記事を読んでいるだけで口の中に香ばしさが広がるようです。


■岡ノ谷一夫「おかぽん先生青春記」(4/21)
ガラ子再び

「今日子さん」との約束を胸に、ガラ子に会うためにオーストラリアに旅立ったおかぽん青年。恋多きおかぽん青年の明日はどっちだ!?


■猪木武徳「デモクラシーと芸術」(4/22)
第16回 芸術家にパトロンは必要か――バッハとモーツァルトの悩み

ナクソス・ミュージック・ライブラリーで文中に登場する曲を聴きながら読める好評連載。芸術家も霞を食べて生きているわけではありません。あのバッハやモーツァルトでさえ、お金とパトロンの問題には頭を悩ませていました。

編集長のお気に入り

◎吉川浩満・山本貴光『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね』筑摩書房


当サイトでも、菅付雅信さんとの対談「AIを魔術化しないために」や、安田登さんとの対談「能が知りたい!『古典の森へようこそ』」でおなじみの山本貴光さん。『理不尽な進化』で知られる吉川浩満さんとの名コンビは、その関心分野の広さと、わかりやすい語り口でいくつもの共著を仕上げてきましたが、お二人の共著の決定版とでもいうべき新刊が出ました。

エピクテトスは1世紀から2世紀ごろ、ローマ帝国の皇帝マルクス・アウレリウスの時代に、ローマやギリシアで活躍した奴隷出身の哲学者で、「ストア派」と呼ばれる哲学流派の代表格です。エピクテトス自身はソクラテスのように、著作を残していないのですが、弟子が発言をまとめていて、それが『人生談義』という本になっています。モンテーニュ、夏目漱石あたりも愛読した本だそうです。

この本の教えをもとに、現代人の人生相談に、エピクテトスだったらどう答えるかを二人が語っていくというのがこの本のコンセプトですが、これがなんとも面白い。「エピクテトス先生をアップデートする」という章があるように、エピクテトスの考え方、一言で言えば「自分の権内と権外を適切に見極めよ」というものを、現代人の悩みに適応させる。人生相談というやり方で、抽象概念を現代の具象に当てはめているうちに、ぐっとエピクテトスの思想が身体の中に染みてきます。

『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね』というタイトルは、みうらじゅんさんと田口トモロヲさんの『ブロンソンならこう言うね』(チャールズ・ブロンソンに男の生き方を学ぶという人生相談本、サブカルチャー界の名著)を受けてのもので、出典を知らないとちょっと唐突に感じるかなと、思いましたが、読んでみるとなかなかしっくりきます。読みやすく分かりやすいですが、決して入門書ではない。歯ごたえのある哲学本です。

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