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ジェーン・スー新連載! 現在進行形で綴る「介護未満の父」と私(No. 888)

考える人 メールマガジン
2020年11月5日号(No. 888)

ジェーン・スーの新連載
「マイ・フェア・ダディ! 介護未満の父に娘ができること」

コラムニスト、ラジオDJとして人気を博すジェーン・スーさんの連載「マイ・フェア・ダディ! 介護未満の父に娘ができること」が始まりました(新潮社のPR誌「波」での連載と同一内容、1ヶ月遅れの掲載です)。

思わぬ理由で、突然の独り暮らしとなった82歳の父。幸い心身ともに健康だが、それまでは他人任せの家事全般に疎いため、その生活に黄色信号が灯る。離れて暮らす娘は多忙の身だが、「私がやらないでどうする」と一念発起。「お互いにとってのベストは何か?」を探りつつ、父の生活再建を計画する――。

父と娘の一筋縄ではいかない関係を描いた『生きるとか死ぬとか父親とか』に続く、“父娘サーガ”の第2弾は、介護未満の父を娘が支える現在進行形ドキュメント!

初回から「身につまされる」「他人事じゃない」「人生の予習になる!」と大好評。2回目以降もぜひお楽しみに。

祝・角川財団学芸賞受賞!
今福龍太×真木悠介「宮沢賢治の気流に吹かれて」

宮沢賢治 デクノボーの叡知』(新潮選書)の著者・今福龍太さんが、第30回宮沢賢治賞に続き、今年度の第18回角川財団学芸賞を受賞されました。これを記念して、「新潮」2020年1月号に掲載された真木悠介(見田宗介)さんとの特別対談を公開しました。

真木さんの『気流の鳴る音―交響するコミューン』に影響を受け、若い頃にメキシコ行きを決めたという今福さん。インディオ、石牟礼道子、グレタ・トゥンベリ、そして他ならぬ宮沢賢治をめぐって大いに盛り上がったこの初めての対話を、是非お二人の著書とあわせてお楽しみください。

第1回 互いの湖を呼応させる

第2回 人類の絶滅への想像力

第3回 賢治が夢見たユートピア

「こんなにヘンで、こんなに凄い冒険家は見たことがない」
高野秀行氏も驚愕! 新時代の冒険家・春間豪太郎の新刊『草原の国キルギスで勇者になった男』試し読み!


「リアルRPG」を合言葉に、キルギスで「新しい冒険様式」に挑んだ春間豪太郎さんによる連載が『草原の国キルギスで勇者になった男』として発売されました。

人生は、RPGだ。愛馬を引き連れ、広大なフィールドを駆け巡れ! 舞台は中央アジアの秘境・キルギス。ほかにもイヌワシとの共同生活、羊飼い珍道中、はたまた誘拐婚に遭遇したりと、トラブル満載。最新ガジェットも駆使した、これぞ、リアルRPG。新時代の冒険譚だ!

冒険家・春間豪太郎が生まれるまでの経緯を綴ったプロローグ「さあ、冒険をはじめよう!」と、キルギスでの写真を紹介する「ぼうけんのきろく」を公開しました。

遠出もままならない近頃ですが、この本で、ともに勇者になりましょう!

アクセスランキング


■第1位 村井理子「村井さんちの生活」
段位審査会にて

次男くんの剣道の段位審査会に付いていった日のこと。慣れない場でウロウロしてしまう自分の不甲斐なさや、真剣勝負を控えた子どもたちの表情。なにげない一瞬を切り取ってそのまますくい上げたエッセイが連続1位!


■第2位 ロジャー・ペンローズ(聞き手・茂木健一郎)
ペンローズへの巡礼 前篇

「ペンローズの三角形」「ペンローズ・タイル」でも知られる、今年のノーベル物理学賞受賞者のひとり、ロジャー・ペンローズ。15年前、茂木健一郎さんはペンローズに何を問うたのか。


■第3位 大高郁子「考える猫のその日暮らし」
幸福論2

朝晩がちょっとひんやりしてきたこの時期は、猫を飼う人にとっては幸せなひととき……。

最新記事一覧

■津村記久子「やりなおし世界文学」(10/29)
(23) やがて幸福な太宰の津軽――太宰治『津軽』

〈太宰治賞出身であるにもかかわらず、太宰治を苦手としている〉津村さんですが、これは好き、という『津軽』をご紹介!

■Superfly越智志帆「ウタのタネ」(11/3)
毛髪一本勝負

先日のオンラインライブも大成功だったSuperfly越智さんの悩みは「髪質」。とにかく剛毛! 伸びるのが早い! 紆余曲折の末、たどり着いた答えは? 自分のコンプレックスと向き合う姿勢をユーモラスに綴るエッセイ。


■岡ノ谷一夫「おかぽん先生青春記」(11/4)
双眼鏡派 VS 顕微鏡派

90年代初め、つくばで研究に没頭していた岡ノ谷一夫さんは、行動学が神経行動学(双眼鏡派)と行動生態学(顕微鏡派)の2つの大きな潮流に分かれてしまったのを憂いていました。俺の使命は双眼鏡と顕微鏡の間を流れる広くて深い河を埋めることなのだ……!

編集長のお気に入り

◎ローラン・ビネ『言語の七番目の機能』東京創元社


先日この欄でご紹介したアトウッド『誓願』につづき、今年楽しみにしていた翻訳小説です。

ローラン・ビネは7年前、『HHhH』で話題になったフランスの小説家。『HHhH』は、ナチをテーマにした、ユダヤ人大量虐殺の首謀者ハイドリヒと、彼を暗殺すべくプラハに送り込まれた二人の青年の運命の交差を描いた小説でした。2010年ゴンクール賞最優秀新人賞受賞作を受賞した小説が、日本でも意外なほど人口に膾炙し、2014年本屋大賞翻訳小説部門第1位、『週刊文春2013年ミステリーベスト10』海外編で第9位になりました。

そのビネが2015年に本国で出版した次作がこの『言語の七番目の機能』で、なんとこれが、ロラン・バルト、フーコー、エーコ、デリダ、アルチュセールら、なつかしの現代思想のスターが実名で登場するミステリなのです。私の世代(1970年生まれ)の人間が80年代の中学高校時代にかっこつけて夢中になって読んだ作家たちが次々と登場する、『薔薇の名前』のようなエンターテインメント。あなた、こういうの好きなんでしょ、とこちらの趣味を見透かされているような、なんともこそばゆいような気持ちになりつつ読みました。

訳者の高橋啓さんが「訳者あとがき」によると、5年前にこの本が本国で出たとき「今回の作品はいくらなんでも風刺の度が過ぎるのではないかとつい本音を漏らすと、いや、これは風刺ではなく、嘲笑(ルビ:サルカスム)なんだという反応が即座に返ってきた」のだそうです。なるほど、この「嘲笑」という感覚を、小説で味わったのは高橋源一郎さんや中原昌也さん以来でしょうか。

1972年生まれというローラン・ビネ、次は何を仕掛けてくるか、当分楽しみに待てそうです(フランスでは第三作『文明』が昨年2019年にすでに刊行されています)。

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