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ついに最終回! 吉川トリコさん「おんなのじかん」(No. 906)

考える人 メールマガジン
2021年3月18日号(No. 906)

アクセスランキング

■第1位 ジェーン・スー「マイ・フェア・ダディ! 介護未満の父に娘ができること」
5. 生活を回す、その前に。

父の「汚部屋」に頭を抱えたジェーンさん。問題解決に同情や後ろめたさは要らない。リアルかつクールに〈世紀の大掃除〉を遂行せよ! 1位に返り咲き!

■第2位 近藤雄生「考える四季」
100万人が苦しむ吃音 新人看護師を自死に追いつめた困難とは

新人看護師が吃音による困難を原因にした自死が、労災であると裁判で認定されました。『吃音 伝えられないもどかしさ』著者の近藤さんがこの判決の意味と判決から見えてきたことについて寄稿した記事です。


■第3位 道草晴子「よりみち日記2」
10. 阿部さんとの再会

創作の壁にぶち当たっていた道草さん、思い切って外に出ていろいろな人に会ったことで少し光が。そしてあの人との再会も……!

最新記事一覧

■小谷みどり「没イチ、カンボジアでパン屋はじめます!」(3/12)
13.ユルユルな役所の仕事に驚く

カンボジア・プノンペンでレストランを開くために営業許可を取ろうとした小谷さん。手数料の振込先が、商業省の部長の個人口座だけど、大丈夫……?


■大高郁子「考える猫のその日暮らし」(3/15)
序列2

猫の前に人間はひれ伏すのみなのです。


■吉川トリコ「おんなのじかん」(3/17)
29. 特別になりたかった私たちへ(最終回)

映画「花束みたいな恋をした」を観て思い出す、かつての自分。その他大勢ではない〈特別な私〉になりたくて、精いっぱい生きてきた。そしていま〈ようやく私自身になれたような気がしている〉。

「考える人」と私(6) 金寿煥

(前回まではこちらから)

 もう少し坪内祐三さんとの日々を振り返ろうと思っていたのですが、そうすると「『考える人』と私」ではなく「坪内祐三と私」になってしまいそうなので、本題に戻すことにします。
 2002年春、何とか無事に坪内さんとの”顔合わせ”を済ませ、7月4日発売の創刊に向けて、その原稿を待つことになりました。連載タイトルは、雑誌タイトルと同じ「考える人」。毎回、坪内さんが選んだ「考える人」を登場させて(坪内さんは「『〇〇を取り上げる』という表現を私は好まない」と書いていました)、その人物について書いていく。1回の分量は20枚/400字。第1回は小林秀雄です。創刊号の新連載にふさわしい人選です。
 そのリード(本文が始まる前に編集者が記す、記事の意図や要約)はこちら。

 戦後あるいは戦前から、研ぎ澄まされた言葉と、厳格な精神で、思考と創作を繰り返してきた、昭和の偉大な文筆家たち――。
 平成の「考える人」坪内祐三が案内役となり、彼らの「言葉」「態度」「人生」を紹介する連載「考える人」。
「物心ついたときに『現役』だった人しか取り上げない」という坪内祐三の方針のもと、連載の幕を開けるのは、やはり、この人――。

「やはり、この人」なんて、「かっこつけてんじゃねえよ」と今読むと思います。ろくに小林秀雄を読んでこなかった若造が、どの面下げて「やはり」なんて言っているのか。分不相応にもほどがあります。
 わずか200文字ぐらいのものですが、当時このリードをまとめるのにどれだけ時間のかかったことか。坪内さんの原稿を何度も読み、登場する「考える人」の作品(といっても代表作だけですが)を読み、書いては消し、書いては消しを繰り返して、ようやく。それから約20年が経った現在ならば、それほど時間はかからないと思いますが(その良し悪しはおいて)、当時はわずか200字のリードを書くのに、下手したら数日かかる時もありました。

 とにもかくにも無事校了を迎え、2002年7月4日に「考える人」が誕生しました。私の担当は、この坪内さんの「考える人」7ページと、小谷野敦さんの「大衆社会を裏返す」の6ページで計13ページ。13/240ページが、私の「考える人」創刊号だったのです。(つづく)

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